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祝1周年! 『週刊トロ・ステーション』開発スタッフにインタビュー

ゲーム プレイステーション3 PSP
『週刊トロ・ステーション』が1周年。これに合わせて、制作を担当するビサイド代表取締役社長の南冶一徳氏と、運営を統括するソニー・コンピュータエンタテインメントJAPANスタジオのアソシエイトプロデューサー伴哲氏にインタビューする機会を得た。

●初の大型アップデートをクリエイターみずから解説

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写真左:南冶一徳氏
写真右:伴哲氏

 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレイステーション3専用無料ダウンロード配信タイトル『週刊トロ・ステーション』(以下、『週トロ』)が、2010年11月11日に1周年を迎えた。前身の『まいにちいっしょ』から数えて4年、主役の“トロ”はいまやプレイステーションハードを代表するキャラとなっている。

 今回、この『週トロ』1周年というメモリアルなタイミングに合わせてファミ通.comでは、『まいにちいっしょ』および『週トロ』の制作を担当するビサイド代表取締役社長の南冶一徳氏と、運営を統括するソニー・コンピュータエンタテインメントJAPANスタジオのアソシエイトプロデューサー伴哲氏にインタビューする機会を得た。まずは、1周年の目玉企画である『週トロ』のアップデートに関して、主要な新機能を両氏の解説でお届け。なお、以下に紹介するもの以外にも複数の新機能、機能拡張が行われているので、詳細についてはこちらの記事を参照してほしい。

【クロのつぶやき】

<プラチニャ会員の家でクロがつぶやいてくれる機能>

南冶 クロのつぶやきは、けっこうどうでもいい内容が多いですね(笑)。
伴 プロモーションに利用するといった考えかたはなくて、トロの家の屋根裏に住み着いているクロが好き勝手につぶやいているというイメージになっています。『週トロ』の内容を話すこともあれば、いまハマっているゲームをつぶやいたりとかします。
南冶 個人的に注目してほしいのが、クロの背後にうっすらと映る屋根裏の様子。よーく見ると「あ、何かかなりマニアックな部屋だな」と感じてもらえるはずです(笑)。
伴 本編でもたまに暴走することでおなじみのクロですが、つぶやきでは素のクロを見ることができますよ。あまり変わってないかもしれませんが(笑)。

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【コレクションルーム】

<集めたアイテムを沢山飾ることができるアイテム部屋>

南冶 有料会員の“プラチニャ会員”の方はプレゼントを入手する機会が多いので、アイテムがどんどん増えてしまいます。そうすると、部屋と庭を全部を使ってもスペースが足りなくなってしまうんですよね。また、ユーザーの方からアイテムを飾るときの見栄えにこだわりという声もあったので、それ専用の部屋を用意してみました。多くのアイテムが置けるだけでなく、部屋のライティングや壁紙も変更できるので、かなりこだわった部屋作りができると思います。それと、コレクションルームにはクロが付いてきてくれるので、いっしょにまわってあげてくださいね。
伴 かなり広い空間になっているので、僕らもどんなディスプレイができるのか知りたいという気持ちもあります。ぜひディスプレイコンテストがやれたらいいですね!

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【ニャバターの新柄】

<現在のものに加え、基本2種カラーバリエーション含めて計20種の新柄を追加>

南冶 ニャバターの柄も、ユーザーさんからの要望がかなり多かった点です。そこで今回、プラチニャ会員向けに新しい柄を追加しました。パッと見てプラチニャ会員とわかるユニークな柄ばかりなので、ぜひ活用してください。

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【プラチニャ会員の継続特典】

<会員を継続すると完成するアイテム“ポケピの宝船”がもらえる>

南冶 今回のアップデートに合わせてプラチニャ会員の方全員に、“ポケピの宝船”をプレゼントします。これには最初トロが乗っているのですが、30日間プラチニャ会員を継続すると新たなキャラクターが1体プレゼントされる。続ければ続けるほど、船がにぎやかになっていくわけです。
伴 プラチニャ会員を継続してくれた人に対して、何か贈り物ができないか考えて、最終的にこのような形になりました。なお、途中でプラチニャ会員の継続を止めてしまった場合でも、入手したキャラが消えることはないのでご安心ください。

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【カプセルポンポンコーナーの新設】

<より多くのカプセルポンポンを遊べるように、カプセルポンポン専用エリアを新設>

伴 “カプセルポンポン”では毎月いろいろなタイトルとコラボさせていただいていたのですが、いよいよゲームセンターの中に収まりきらなくなってしまいました(笑)。入れ替えという考えもあったのですが、以前あったものが使えなくなってしまうのはどうかなと思い、今回カプセルポンポンの専用ルームを設けることにしました。

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【空っぽ特典】

<カプポン台に入っているすべてのカプセルポンポンを取得するとプレゼントが貰える>

伴 いままでは、カプセルポンポンの台が空になったときは一旦部屋を出て補充するだけでした。でも、空になるまでやってくれた人は、かなりがんばって遊んでくれている人だと思うんですね。なので空にした行為自体を自慢できるように、空っぽの台そのものをプレゼントすることにしたんです。

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【カプポンキャッチャー】

<任意のカプセルを取得可能な新型カプセルポンポン台。ただしカプセルの中身は事前に確認することはできない>

伴 ユーザーの方からカプセルポンポンは単調になりがち、という声があったのでプレイに幅を持たせるという意味で実装しました。本物のUFOキャッチャーでは失敗がありますが、『週トロ』では必ずアイテムが入手できるようになっています。ちなみに、レアなアイテムの入手率などはカプセルポンポンと変わらないので、お好きなほうを選んで遊んでください。

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●『週トロ』1周年を振り返って

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 アップデートの解説に続いては、『週トロ』の1年間について。制作するうえで『まいいつ』時代から変わった点や、企画の裏話などをざっくばらんに聞いた。


――毎日更新の『まいにちいっしょ』から週刊更新の『週トロ』になった当初、ユーザーの反応はいかがだったでしょうか?
南冶 賛否両論でしたかね。毎日更新がよかったという人もいれば、週刊になって観やすくなった、と言ってくれる人もいたので。ただ、我々としては毎日更新のころにはできなかった凝った企画などができるようになったので、その点はうれしかったですね。

――ちなみに、毎日更新というのはかなりたいへんでしたか……?
南冶 うーん……たいへんでしたね(笑)。週刊になってからもしばらくは「あ、『トロステ』の更新! ……は今日ないのか」なんて不安になってしまうくらい。
伴 僕も毎日から週刊になったときはそんな感じでしたね。深夜0時ごろになると「そうか……更新しなくていいんだ」って感慨深くなったりして(笑)。

――でも、毎週更新でも十分たいへんですよね。
南冶 そうなんですよ! もう少し楽になると思っていたんですけど、意外と変わっていないぞ、みたいな(笑)。
伴 じつは『まいにちいっしょ』のころでも、アクセス数は週末が飛びぬけて高かったんですよ。つまり、多くの人が週末に1週間分をまとめて観るという楽しみかたをしていた。であれば、より高いクオリティーの“トロステ”を週に1回お届けしたほうが、ユーザーさんの視聴スタイルに合っているんじゃないかなと思ったんです。週刊化した背景にはそういった理由もありました。

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――では、作業のボリューム的には毎日更新のころとそれほど変わらない?
伴 そうかもしれません。それと、毎日更新なら1ヵ月で平均30個ネタを出せるから、ときには実験的な“トロステ”があっても、それはそれでアリでした。だけど、週刊になるとソレがあまりできなくなってしまい、言ってみれば毎回が全力勝負になったわけです。

――『まいいつ』時代から数えれば4年以上続いているわけですが、ネタが尽きることはないのでしょうか?
伴 尽きることはないんですけど「これ以前やらなかったけ?」みたいなことはよくありますね。それと、シリーズもののタイトルは1回特集をやると、次回作を紹介するときは前作を上回らなければいけない! というプレッシャーがあったり。ネタ出しよりもそういうところで悩まされたりしますね。
南冶 ちなみに、いままでいちばんたいへんだった企画は『まいいつ』時代にやった“24時間マラソン”ですかね。無謀と言ってもいい企画だったんですけど、誰も止めてくれなくて(笑)。
伴 1時間ごとにニュースを配信するという企画だったんですけど、24回更新はほぼ1ヵ月分の“トロステ”ですよね。作るのもたいへんでしたけど、1ヵ月分のネタのストックがなくなるというのもプレッシャーでした。

――『週トロ』でユーザーの反響がいちばん大きかった企画はなんでしょうか?
南冶 7月に配信した、宇宙探査機“はやぶさ”の企画がいちばん反響がありましたね。宇宙航空研究開発機構(JAXA) のスタッフも積極的に協力してくれたので、自分たちで作っておいてなんですが、よくまとまっていると思います。
伴 ああいった取材系の企画は、作っている人間も楽しんでやっていますよ。まずは僕ら自身がおもしろいと感じなければ、ユーザーさんが観ておもしろいはずないですから。

――今回のアップデートについてもお聞きしたいのです、アップデートを行ったいちばんの目的は何でしょうか?
伴 『まいにちいっしょ』ではけっこうな頻度でアップデートをしていましたが、『週トロ』ではそれがほとんどなかったから、というのが第1の理由です。それと、『まいいつ』の時代から、区切りのタイミングで“24時間マラソン”など何かしらのイベントをやっていましたから、今年はそれが大型アップデートになった、というわけです。

――とくに大きく変わった点はどこでしょうか?
伴 すべてのユーザー様により楽しんでもらう、というのを大前提にしつつ、有料の“プラチニャ会員”の方々へ恩返しをしたい、と考えてアップデートを行っています。

――そういえば、新機能とは別の点でトロの部屋を和室に変更することができるようになっていますね。
伴 『まいいつ』時代にあった和室が好き、という意見が多かったので復活しました!
南冶 個人的にも、たしかにこっちのほうが落ち着くんですよね(笑)。
伴 長く遊んでくれている人ほど、うれしい要素ではないでしょうか。

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――『週トロ』では、プラチニャ会員にならないとトロの家が空き地……というのはけっこう衝撃的でした(笑)。
伴 我々もいろいろと思うところはあったのですが(笑)、やはりずっと同じ部屋から情報を配信しているだけではマンネリ化してしまいますよね。ストーリー性を持たせる意味でも、トロの身に何かが起きるのがいちばんわかりやすいかなぁと……まあ、トロには非常にかわいそうなことをしてしまいました(笑)。

――でも、トロはそういった状況もすんなり受け入れるあたりが、けなげでかわいらしいと思います。
南冶 トロって空き地が似合いますよね(笑)。そのおかげもあってか、ユーザーさんの中には空き地のほうがイイと言ってくださる方もいます。

――現在、『週トロ』のユーザー数はどれくらいいるのでしょうか?
伴 総ダウンロード数は約70万件くらいです。『まいいつ』が最終的に約80万ダウンロードでしたから、ペースとしては大きく上回るものになっています。週刊へ移行する際には、どれくらいのユーザーさんが付いてきてくれるのか不安だったのですが、蓋を開けてみるとほとんどの人が引き続き利用してくれたようで、非常にありがたく感じています。

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――昨今ソーシャルゲームなどユーザーどうしのつながりを主とした作品が話題ですが、今後『週トロ』でもソーシャル要素を取り入れていく考えはありますか?
南冶 もう少し、ユーザーどうしのつながりを強化したいという考えはもちろんあります。とは言え、いますぐ具体的に何かを紹介できるわけではありませんが。
伴 運営していくうえでいちばん大事なのはユーザーさんを飽きさせないことですから、つねにそういったことは選択肢のひとつとして考えています。

――12月7日にPlayStation Homeでチャットイベントを行いますが、そちらはどんな内容になりそうでしょうか?
南冶 事前にユーザーさんから質問を受け付ける予定なので、それに答えつつざっくばらんに話そうかと。正直言うと、あまり考えていません(笑)、グダグダな感じでユーザーの方たちとチャットするのもおもしろいかなと思うので。ユーザーの方たちとリアルタイムでコミュニケーションを取るのはこれが初の機会なので、非常に楽しみにしています!

――最後にファンへ向けてメッセージをお願いします。
伴 『週トロ』が始まって1周年という区切りのタイミングで、ようやく初のメジャーアップデートを行うことができました。これも皆様の応援のおかげだと思っています。今後も飽きさせないをテーマに、ユーザーの皆さんとより積極的にコミュニケーションを取りながらいっしょにおもしろいものを作っていければなと思います。
南冶 『週トロ』はプラチニャ会員はもちろん、そうでない人でも全員がも楽しめるように作っています。まだ触れたことがないという人は、この機会にぜひダウンロードしてもらえればと思います。

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