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SNSや3Dなどの新たな潮流にゲーム産業は!? 浜村氏の語る現状と展望
ゲーム●ゲームコンテンツは拡張し新たな潮流が生まれる。その先にあるものとは――
2010年10月8日、エンターブレインの浜村弘一氏が業界アナリスト及びマスコミに向けて“ゲーム産業の現状と展望 <2010年秋季> ”と題する講演会を実施した。
この講演会は、毎年2回、春と秋に行われているもので、ゲーム業界の直近の分析に加え、中長期的な動きに対してもデータをもとに予測する内容となっている。今回のテーマは、“業界を超えて際だつ存在感 ゲームコンテンツ拡張 〜変化をリードするSNSと3D〜”と題され、プレイステーション3やXbox 360に投入される新デバイス、3Dテレビの登場によるプレイ環境の変化、来年のニンテンドー3DSの発売、そしてここ最近、爆発的普及をみせるソーシャルゲームなど、これまでにない刺激的な状況が訪れているゲーム業界の今後はどうなるのか。浜村氏独自の切り口からその展望が語られた。
まずは、浜村氏は2010年度の各プラットフォームのトピックスを振り返りながら、日本国内のゲーム市場の概況を分析した。
■PSP――まだまだ続く『モンハン』の勢い、次世代PSPはどこに向かうのか?
発売から6年が経過するPSP(プレイステーション・ポータブル)本体は、つい先日、国内で1500万台を突破した。2010年上半期も、『メタルギア ソリッド ピースウォーカー』や『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』など、サードパーティーによるソフトの増加と、それに伴なうヒット作に恵まれ「まずまず順調」と言う浜村氏。さらに、年末には『モンスターハンターポータブル 3rd』(以下『MHP 3rd』)が出ることを考慮すると、1500万台からまだまだ数字を伸ばし、「今年はPSPにとって最高の年になるではないか」と予想する。
サードパーティーのタイトル数自体が増えたことについては、「ニンテンドーDSやWiiではサードパーティーのソフトは成功できていないという現状があります。とはいえ、プレイステーション3やXbox 360では開発費がかかるので開発ラインを増やせない」ということで、PSP用ソフトを開発するソフトメーカーが増えたことが背景にある述べた。また、タイトルの増加により、ソフト装着率(1台のハードに対するソフトの数の比率)もどんどん増えているという。
年末の注目は言うまでもなく『MHP 3rd』。マルチプレイタイトルが増えてきているという土壌を追い風とし、だが、それに甘んじることなく『モンハン日記 ぽかぽかアイルー村』を投入して着実に認知度を上げるなど、さまざまな布石を打ってきている点にも注目。こうした展開により「500万本の販売も夢ではない」とし、プロデュース能力がソフトの販売を大きく影響する時代なってきているとも分析した。さらに『MHP 3rd』以外にも、『ロード オブ アルカナ』、『GOD EATER BURST(ゴッドイーター バースト)』、『ファンタシースターポータブル2 インフィニティ』など“人とつながるゲーム”が投入され、加えて『クロヒョウ 龍が如く新章』、『タクティクスオウガ 運命の輪』、『ザ・サード バースデイ』などの有力タイトルが控え、ニンテンドー3DSの発売も来年2月26日となったことから、今年の年末は「PSPが市場を広げるのではないか」と予想した。
■プレイステーション3――薄型モデルの発売から1年が経ち、購入しやすい価格帯に
薄型モデルの発売から1年が経ち、購入しやすい価格帯や3D立体視に対応するなど、総合力でシェアを拡大中のプレイステーション3。2009年上半期と比較してハード販売台数は103.6%とほぼ横ばいながらも、ソフトは175.4%の上昇だというデータを示し、続編タイトルも、前作を上回るソフトが多数出るなど、ソフトが売れるのようになってきた現状を紹介した。この勢いは国内市場だけでなく、海外市場にも見られ世界規模でハードのシェアを伸ばしているという。
さらに、これからPlayStation Move モーションコントローラが発売され、「長寿化していくハードだということは間違いない」。その“PlayStation Move”は価格も抑えられ、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「本気を感じさせる」新デバイス。同時期に発売されるXbox 360用のKinect(キネクト)ともよく比較されるが、浜村氏は「サードパーティーの対応タイトルには、マルチプラットフォームのものも多いでしょうから、価格の面でPlayStation Moveが圧倒的有利」とみる。だが、Kinectに関しては、「PlayStation MoveやWiiリモコンにはない機能があり、そのアドバンテージを活かせるか」がポイントだという(それについては後述)。
2010年下半期の展望としては、注目のソフトとしては『グランツーリスモ5』と『ファイナルファンタジーXIV 』を挙げ、これに『ガンダム無双3』などのミドルヒット以上を狙えるソフトも揃っている。「PlayStation Moveのタイトルでヒットが生まれれば、プレイステーション3がいっそう盛り上がることになる」と期待感を示した。
■Xbox 360――国内は『MHF』と新モデルで窮地脱出 Kinect(キネクト)はゲームを変えるのか?
上半期で目立ったのはオンライン専用タイトルでありながら10万本以上を売り上げた『モンスターハンター フロンティア オンライン』(以下『MHF』)。同ソフトと同時期に新型Xbox 360が発売され、その週のハードの売上も17000台に伸びたが、『MHF』が落ち着くと、本体販売台数も下降気味に。これについては「タイトルが続かなかった」ことが響いた。とすると、Xbox 360に期待がかかるのは、やはり新デバイスのKinectということになる。
KinectもPlayStation Moveと同様、アトラクション感覚で楽しめる新デバイス。先日行われた東京ゲームショウ2010で、来場者の投票によって選ばれるフューチャー賞には新デバイス対応ソフトで唯一『DanceEvolution』が選出された。これは「遊んだらおもしろい、ということの証明で、その魅力をいかにアピールするかがポイント」とし、マイクロソフトも相当なプロモーションを用意しているはずで、それがどこまで効果を発揮するかが鍵になるだろうとした。また、PlayStation Moveなどにはない「音声認識機能を使った作品が出てくれば、さらに新しい楽しさが提示されるはず。これは期待している」。
2010年下半期の展望については、『ファイナルファンタジーXIII』や『コール オブ デューティ ブラックオプス』、『ガンダム無双3』、『アイドルマスター2』などはXbox 360を後押しする力になるだろうが、やはりKinectが成功するかどうかがポイントだと結論づけた。
■Wii――任天堂のソフトが支える中で『Just Dance』が海外で大ヒット
2010年上半期は、任天堂の『Wii Party』や『スーパーマリオギャラクシー2』が100万本近いヒットを記録し、さすがの安定感を示すいっぽうで、国内ではそれに並ぶサードパーティーのヒットタイトルには恵まれなかったWii。浜村氏は、海外では300万本を販売した『Just Dance』などサードパーティーで成功したカジュアルゲームの例を示しつつも、浜村氏は、任天堂はカジュアルユーザー層を取り込んで、サードパーティーにコアユーザーを取り込んでほしいという戦略だったとみる。だが、それが予想ほどうまくいかなかったのではないかとの見解を示し「それが今後の任天堂を読み解く鍵になる」と述べた。
下半期の展望については、年末年始にファミリーで楽しめる『マリオ』関連タイトルは、25周年を迎えることでキャンペーンも盛んで、それは団塊ジュニア世代に響き、その世代とその子こどたちがこぞって買って楽しむだろうと予想。それに加えて『毛糸のカービィ』、『ドンキーコング リターンズ(仮題)』、『THE LAST STORY(ラストストーリー)』なども控えており、Wiiは堅調に推移するだろうと分析した。
つぎのニンテンドーDSとニンテンドー3DSへと話しを移す前に、ここまでの総括として浜村氏は、プレイステーション3がシェアを伸ばしてきているものの、まだ世界のシェアの半分がWiiということを考えると、据え置き機の市場の状況としての変化は「少ない」と言える状況だと説明。今後はプレイステーション3とXbox 360は新デバイスの投入で長寿化が進み、この2機種に関しては少なくとも1年は現行ハードで戦うことになると予想。いっぽうのWiiについては、やがていつか次世代機のバトンタッチが行われるだろうと述べ、「2011年から2012年のあいだには、据え置き機のプラットフォームの状況に変化があるだろう」とまとめた。
■ニンテンドーDS――そしてニンテンドー3DSへ
世界でもっとも普及しているニンテンドーDS。だが、ハードとソフトの売上は前年の上半期と比べると数字を落としている。とはいえ、『ポケットモンスターブラック・ホワイト』は300万本以上、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』はミリオンを突破し、『イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク・ボンバー』などもミリオン近く売れているソフトもある。つまり、これまでが好調だったため、数字の落ち幅が目立ったといえる。
また、浜村氏は『ポケットモンスターブラック・ホワイト』の大ヒットに言及し、ゲーム内容の充実もさることながら、かつて子どものころ『ポケモン』をプレイし、現在は20〜30代のユーザーになったユーザーが再び今作をプレイしている現象を紹介。これはテレビCMなどの戦略が功を奏し「“休眠ユーザー”の掘り起こしにも成功した」ため、今回の大ヒットにつながったと分析。「『モンスターハンター』シリーズ同様、プロデューサーの力が重要な時代になったことをあらためて感じる」と述べ、大ヒットさせるには、これまで以上に売るため戦略の必然性を強調した。
ニンテンドー3DSの発売を来年に控え、今後のニンテンドーDSはどうなっていくのか。サードパーティーの有力タイトルはニンテンドー3DSの開発にシフトしているため、今後はソフト不足が課題になってくる予測され、これは「ハードの移行時期なのでやむを得ないこと」と語る。だが、そのいっぽうで「『ニノ国』などの発売も控えており、もともとのニンテンドーDSのパイが大きいだけに、年末年始はまだまだ存在感を示すだろう」と見解を述べた。
■ニンテンドー3DS――次世代機携帯ゲーム機の大本命?
そして、いまゲームファンにもっとも注目されていると言っても過言ではないニンテンドー3DS。まず、年内発売という見かたもあったが、来年2月の発売となったことについては浜村氏も驚いたというが「高度な技術を使ったハードだけに部材の供給という点と、しっかりとサードパーティーのローンチタイトルを揃えたいという意向があったのではないか」と推測する。
また、ここで世界規模でのライトユーザーとコアユーザーの比率にも触れ、「現在は、ライトユーザーとコアユーザーの比率は半々」だとのデータを提示。ライトユーザーの取り込みはニンテンドーDSやWiiなどの成功から任天堂が得意とするところだが、問題はコアユーザーへの訴求。コアユーザーが望むソフトはサードパーティーのタイトルに多く、「リピーターとして市場を支えるのはコアユーザー」だと指摘し、コアユーザーを獲得することが“安定した市場を築く鍵”だと付け加えた。ニンテンドー3DSに参入するサードパーティーは、2010年10月6日現在で27社から76タイトルものリリースの予定がある。しかも、『ドラゴンクエスト』、『メタルギア』、『バイオハザード』、『ファイナルファンタジー』などのビッグタイトルがズラリ。ニンテンドー3DSの発売時期に「サードパーティーの“本気のナンバリングタイトル”がどれだけ揃うか」がポイントだとした。
●ゲーム市場の現状
■国内市場の現状
ここから、世界の各市場の分析に移り、まず国内の市場規模は2009年度上半期と2010年上半期と比べ、ハードで75.6%、ソフトで94.4%、ハード・ソフトの合計では87.3%と減少。ハード・ソフトの販売数でも前年比からハードは83.0%、ソフトは95.3%、合計で93.7と微減している。これについては、ハードが販売台数の減少により市場が小さくなったと分析。ただ、下半期はニンテンドー3DSも発売されるため、挽回してくる可能性は十分ある。また、国内の携帯機と据え置き機の比率は6対4、カジュアルゲームとコアゲームが5対5というのが日本の比率であるとのデータを示し、今後もこの比率は変わらず推移するだろうと予測。
2010年上半期のソフト販売のTOP10のデータを示し、これまで任天堂のタイトルが独占に近い結果だったが、今年の上半期からプレイステーション3やPSPのタイトルもランクインしていることに注目し、「じつはこれは海外でも同じようにプレイステーション3とPSPのタイトルがTOP10に入ってきている」と指摘し、世界的にもプレイステーション・フォーマットが好調であるとした。
さらに、今後、注目のソフトメーカーとして、プロデュース能力の高いレベルファイブ、Team NINJAとシブサワコウ氏が手掛ける『仁王』を開発するコーエーテクモゲームス、さらに「現在も好調だが、さらに驚くような新規のタイトルも企画しているようだ」としてカプコンを挙げた。
■海外市場の現状
さらに海外に目を転じると、厳しい現状を示唆。北米の傾向として、ニンテンドーDSはハードが一巡し、ニンテンドー3DSへの交代時期に差し掛かっているとし、また「世界的に影響のあった不況も、大きな影を落とした」と分析。不況により購買力の低下でゲームが売れる期間が短くなっている、ゲーム1本あたりで遊ぶ時間の長期化、中古市場の拡大とデフレの加速などといったことも要因として挙げた。だが、エレクトロニック・アーツやアクティビジョンなどの大手は人材を適材適所に配置するなどの組織を変え、収益率は上がっていると述べ、さらにTake Two Interactiveが飛躍し、北米での市場も変化が起きているという。
いっぽう、欧州でも同様にニンテンドー3DSの後退期に差し掛かった影響で数字を落としている。その中でプレイステーション3のシェアはアップしており、徐々にHD機の市場も育ってきていることがうかがえる。また、欧米は音楽ゲームの人気の流れを受け、現在はダンスゲームがブームの傾向にあり、それらのゲームと親和性の高いPlayStation Move、Kinectは、日本国内以上にヒットする可能性がある予想した。
そんな足踏み状態の欧米を尻目に急成長しているのがアジア市場だ。スクウェア・エニックスは中国の盛大と提携し『ファイナルファンタジーXIV』を中国で展開することなどもトピックスとして触れ、今後、中国のソフトメーカーのアジアでの展開も要注目だとした。
●国内外で急浮上したソーシャルゲームの展望
「国内外で急浮上したエマージング市場」と語る浜村氏は、その普及スピードと市場規模は驚異的だとし、アメリカ最王手のFacebookのユニークユーザーは4億人、毎日ログインしているユーザーは2億人、モバイルでのユーザー数は1億5000人だというデータを示し、「ソーシャルゲームの市場はこれからもどんどん大きくなり、産業構造自体の変化が起こる」と指摘。そのソーシャルゲームの収益を支え、同時に人気の秘密のひとつがアイテム課金というビジネスモデル。国内の大手のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のディー・エヌ・エーやグリー、ミクシィでは、課金するユーザーが約1割程度。ここを読んでいる方の中にも、ひとつひとつのアイテムも安く“人とは違う何を披露したい。見栄をはりたい”という人間心理も働いて、ついつい購入してしまう、といった人も多いのではないだろうか。その1割の課金ユーザーだけでも十分な収益を上げている。そんなソーシャルゲームの市場にGoogleも参入をもくろんでおり、さらにモバゲーやグリーはスマートフォンに対応し「ワールドワイドの戦略を立てる時代になっている」。
だが、そんな状況の中、ソーシャルゲームに大手ソフトメーカーのヒット作は数えるほど。その大きな理由として、浜村氏はソーシャルゲームは少数精鋭で作られており、スピードを重視すること、さらにユーザーの嗜好などデータを細かく取って、それを重視した展開をすることなどを挙げ、「家庭用ゲームの作り手は映画監督型で、メーカーは時間をかけて作品を熟成させ、それをユーザーに提示します。ゲームユーザーは監督や作品で指名買いするわけです。ですが、ソーシャルゲームはユーザーの好みに合わせて陳列を変えていくコンビニ型」とたとえ、ゲームそのものの“属性”が違うことを要因に挙げた。ただ、ソフトメーカーでは若手中心に、または専門のチームを編成し、ソーシャルゲームに参入する動きを見せているという。今後は「家庭用ゲームのよさがソーシャルゲームに反映されてさらに盛り上がるのか、また、それによりソーシャルゲームのユーザーが家庭用ゲームのよさに気付いて家庭用ゲームを遊ぶようになるのか。展開しだいではその両方が起きると思います」とし、新たな流れが生まれる可能性を示唆した。
●技術革新と新しいでデバイズ
3D映画の公開も増え、今年半ばからは3D立体視対応のテレビも発売されて、家庭でも3D立体視が楽しめるようになってきた。それにともない、家庭用ゲーム機もつぎのステップへを移行を始める時期にきている。現状、家庭では3Dに対応したコンテンツも少なく、エンターブレイン・モバゲータウンのアンケート調査では「ユーザーの3Dのゲームコンテンツへの期待は高い」ことを紹介し、「緩やかにだがゲームにも3Dの波が押し寄せることは間違いない」。その3Dを推し進めるソニーでは、米国でGoogleTVを今秋にローンチする。これはテレビでインターネットをフルブラウジングできたり、Youtube、Twitterなどのサービスと連携し、動画ストリーミングサービスやクラウド型音楽サービスも予定されており、これらのサービスには、ネット対応のBRAVIAやVAIO(PC)、そしてプレイステーション3向けのものも含まれる。さらに、新たなデバイスとして国内でもヒットしているiPhoneとiPad。それらを購入前のユーザーに行ったアンケード(エンターブレイン/モバゲータウン調査)では、購入予定者の9割以上が、同デバイスでゲーム遊びたいと思っているという結果になったという。
さらにAppleは、iTunesを利用するユーザー向けのSNS“Ping”を提供し、気に入ったアーティストやユーザーをフォローし、話題になっている曲やダウンードした曲などをユーザーどうしで知ることができるといったソーシャルサービスをスタート。ゲームアプリをプレイする友人を招待したり、対戦したりできる“Game Center”のサービスも開始されるなど、Appleもソーシャルゲームに参入し、ソーシャルゲーム市場はますます拡大してきている。
ここで、家庭用ゲーム機に話しを戻した浜村氏は、ニンテンドー3DSはネットワーク機能も充実していることに触れ、「本当にゲームを変えるのは3Dではなく「ネットワークだ」といった話しや、「ソーシャルのおもしろさを企画として盛り込めるようになってきた」という話しをクリエイターからよく聞く」と述べ、今後のハードのトレンドとして、「ネットへの常接は当たり前」になると語る。それで何か起きるのか? その結論の前に、浜村氏は家庭用ゲームの歴史を振り返る。
ファミコン時代はPCゲームで盛んだったRPGを家庭で普及させ、プレイステーションやプレイステーション2全盛の時代はゲームセンターで人気だった3Dゲームを家庭に根付かせ、ニンテンドーDSやWiiはアミューズメントスポットなどで人気の体感型ゲームを家庭で楽しめるようにした。つまり家庭用ゲーム機は「そのときどきの流行を取り入れてきた」と解説。各ゲーム機もオンライン機能が備わっており、すでにダウンロードしてゲームを購入したりといった決済環境はある。ソーシャルゲームのようなゲームを展開することも十分に可能なのだ。「あとはプラットフォーマーの決断次第」とし、近々、家庭用ゲーム機にもソーシャルゲーム型のビジネスモデルで展開するサービスが導入されのではと予想する。
最後にまとめとして、「2010年上半期、ゲーム産業は縮小しました」と語り、ただニンテンドー3DSが出ることで、「数字を落としたゲームハード市場は盛り返しを見せる」。だが、市場トータルで右肩上がりになるまでにはいたらないのではないかとしつつも、「ですが」とひと呼吸置いて、次のように述べた。「2004年の前まではコアゲームだけしかいない市場でした。そこはいまプレイステーション3とXbox 360が主戦場としているユーザー層です。ニンテンドーDSとWiiが発売されてゲーム人口は一気に広がりました。そのゲーム市場にiPhoneやiPad、Androidといったスマートフォンが登場し、家庭用ゲームとは違う市場を築き、さらに、それらを飲み込むように、無料ということを武器にソーシャルゲームというジャンルが大きく育ちました。すでにPC、家電、携帯電話、スマートフォンすべてを切り離して考えられなくなってきています。ただ、それらの層を家庭用ゲーム機のプラットフォーマーが狙わないはずはない」と語り、そのときどきの流行を取り入れてきた歴史からも、ハードメーカーも新たな一手を打ってくると予想。
今後は、「すべてがごちゃまぜになる時代」。ゲームコンテンツを扱う産業のトータルでは「右肩上がりの成長になっていくのではないでしょうか?」と結論を述べ、今回の講演を締めくくった。
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