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本格FPS『N.O.V.A.』誕生秘話から探るゲームロフトのiPhoneアプリ戦略とは?
【iPhoneアプリの開発現場から】

2010/2/1

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●Appleの発表会でもピックアップされた超大作

 

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▲ゲームロフトのパリ本社で、『N.O.V.A』を開発したアルノー氏。

 現地時間2010年1月27日にアメリカで開催されたカンファレンスで発表されたタブレットマシン“iPad”。iPhoneやiPodシリーズの流れを汲む新たなマシンの登場に国内外で大いに盛り上がったのは、記憶に新しいところ(その模様はこちら)。世界中が注目するカンファレンスのプレゼンテーションで、ゲームアプリを紹介する際に採用されたのがゲームロフトの『N.O.V.A.-Near Orbit Vanguard Alliance』(以下、『N.O.V.A』)だ。本作は2009年12月に日本でも配信がスタート。Xbox 360などで発売されている『Halo(ヘイロー)』シリーズを彷彿とさせる本格的なFPS(ファーストパーソンシューター)ということで、瞬く間にランキング上位に上りつめた。今回そんな『N.O.V.A』を開発したゲームロフトのアルノー氏に直撃インタビューを敢行。開発秘話や今後の展開などについて聞いた。

 

【N.O.V.A.-Near Orbit Vanguard Alliance】
■配信中 ■800円[税込]

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▲家庭用ゲーム機のFPSと言っても過言ではないほどの3Dグラフィックとサクサク感が魅力の『N.O.V.A』。ライフルやマシンガンといった多彩な武器が登場するほか、ステージ構成なども秀逸。iPhoneアプリの中でトップクラスのゲームだ。

ダウンロードはこちら(App Storeにつながります)

 

−−日本のApp Storeレビューで☆×4という非常に評価が高い『N.O.V.A.』ですが、いつごろから開発が始動したのでしょう? 開発陣の規模、人数は?

 

アルノー 『N.O.V.A.-Near Orbit Vanguard Alliance』のようなビッグプロジェクトの場合は丸一年かかります。主体となるチームの規模は20名以上で、そのほかにもサウンドデザイン、CG、ローカリゼーション、デバッグなどに10数名の人間が開発の最初から最後まで関わっています。

 

−−日本ではニンテンドーDSやPSPなどのモバイルゲーム機で、FPSは主流ではないジャンルです。なぜiPhone/iPod touchというモバイル端末で、あえてFPSにチャレンジしようと思われたのでしょう?

 

アルノー iPhone/iPod TouchはFPSに向いていないと一般的に思われていましたが、ゲームロフトではそうは思いませんでした。これまでの開発経験を生かして、本格的なアクションゲームをさらに楽しく改良し、正確なゲームプレイを追及することが可能になりました。App Store ではレアなジャンルであったにも関わらず、おもしろそうなアイデアがいっぱい浮かんできたのでチャレンジしてみることにしました。

 

−−配信から約1ヵ月が経ち、国内外で非常に高い評価を得ていますが、手応えはいかがでしょうか?

 

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アルノー 高い評価ありがとうございます! もちろんとてもうれしいです! 昨年9月にApple Special Event September 2009のイベントで『N.O.V.A.』が紹介されたことによって、本作に関して非常に注目が集まりました。『N.O.V.A.』はユーザーやメディアの期待を裏切らず、iPhoneのFPSの代表作といっても過言ではないと思います。Webや媒体、App Storeランキングでは非常に高い評価をいただきまして、もちろん満足していますし、誇りに思っています。『N.O.V.A.』は間違いなくクリスマスシーズンでもっとも売れた作品のひとつだと自負しています。
 

−−スケールの大きい世界観、ゲームシステム、ステージなど、ニンテンドーDSやPSPにひけをとらないクオリティーのゲームに仕上がっていると思います。『N.O.V.A.』はやはりiPhoneだからこそ実現したゲームなのでしょうか? また、開発するにあたってiPhoneだからこそ注意した点はありますか?

 

アルノー iPhoneでは、その高品質ディスプレイ、大容量のCPU、開発者フレンドリーなOSおよびSDK、マルチタッチスクリーンによって直観的かつ正確な操作が可能になり、さらに、3GSのパワーが加わり、かなり高度な技術の可能性を秘めています。毎年ハードウェアの質を向上するというアップル社の戦略は、ゲームロフトにとっても常に最新技術に挑戦する機会をもたらし、それと同時にユーザーを驚かせ、満足させるチャンスでもあります。現在、私たちはすでにこのデバイスでたくさんの経験を重ねてきました。新しいプロジェクトをスタートすることは、技術、ゲームプレイ、グラフィックの面で新しいチャレンジであり、ユーザーを驚かせることが大切です。過去の経験により、iPhoneゲームの開発に関する知識やスキルを身につけることができ、それを受けて、いいゲームが生まれたのだと思います。『N.O.V.A.』はす速く激しいゲームプレイ、美麗なグラフィック、また数多くのステージ、さまざまなロケーション、マルチプレイヤーモードのような豊富なコンテンツによって、いろんな楽しみ方があります。iPhone特有のマルチタッチスクリーンを利用してゲームを開発し、視点を変更しながら銃を撃つといったほかのデバイスでは存在しないゲームプレイを生み出すことに成功しました。

 

−−いち時期、日本のiPhoneゲーム市場では『N.O.V.A.』のような大作ゲームよりもシンプルなカジュアルゲームが主流でした。しかし、『N.O.V.A.』は大きな成功を収めています。何が成功の要因だったと分析されますか?

 

アルノー iPhoneゲーム市場における幅広いジャンルで、それぞれを代表するようなゲームを出すことがゲームロフトの目標です。『モダンコンバット:サンドストーム』のようなリアルFPS、『N.O.V.A.』といったSFタイトル、『アスファルト5』のようなアーケードレースゲーム、カードゲームの『UNO』、『GTレーシング:モーターアカデミー』のようなレーシングシミュレーションゲームなど、すべてのカテゴリーにおいてベストのゲームを提供するのがゲームロフトの目的です。カジュアルゲームが主流であってもゲームロフトの高質タイトルをプレイすれば、カジュアルゲームにはないまったく別の魅力を体感できることが成功の要因ではないでしょうか。

 

−− バーチャルパッドとスライド操作を使ったインターフェースが非常にしっくりきます。また、照準もセミオートのような感覚で、すごくプレイしやすい印象があります。iPhoneはボタンがない分、操作性がゲームの評価を大きく左右すると思いますが、こういった操作系統はどのように考えられ、生み出されたのでしょう?

 

アルノー これには長い話があるんです! たしかにFPSにはさまざまなメソッドがあると思いますが、FPSプロジェクトを進める場合、人間工学とそれがゲームプレイに与える直接的影響は、とても重要なポイントです。実際、ひとつのプロジェクトが、つぎのプロジェクトを進めるために役立っています。最初に、iPhoneで私たちのシステム(バージャルd-pad+アクションボタン+ スクリーンの上をめくるようにしてカメラを動かす)を試したのは、2008年に『ブラザーインアームズ:アワーオブヒーローズ』を開発したときのことでした。他のゲームのように、Y軸を動かしたりできないことに満足できず、何度も社内でテストをくり返しました。そして何がうまくいって、何がだめなのか、どうしたらもっとゲームプレイがスムーズになるのかが次第にわかるようになり、改良のアイデアが自然と浮かんでくるようになりました。そして、ついにはプレイヤーに「なぜかわからないけれどもスムーズだ」と感じてもらえると、ゲームプレイを可能な限り直感的なものできたということで、そこまで来たら、私たちにとってのゴールであり、満足することができます。だからこそ、私たちは『モダンコンバット:サンドストーム』や『N.O.V.A.』のようなゲームを配信することで、iPhoneでも楽しいFPSが可能だということを証明したかったのです。それに、『N.O.V.A.』では、ひとりひとりが理想の操作設定をできるようにインターフェースを自在にカスタマイズすることができるんです。

 

−− オンラインマルチプレイも快適に遊べます。iPhone向けのFPSというジャンルでオンラインマルチプレイを実装するのはかなり大変だったのではないでしょうか?

 

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アルノー マルチプレイヤーモードは私たちにとっても挑戦でした。私たちは、『N.O.V.A.』をさらに楽しむためのモードとして、マルチプレイを本作の重要な要素としてとらえていました。ですから、マルチプレイでは、ゲームはよりスムーズになっていますし、さらに、激しいPvP (プレイヤー対プレイヤー)によって戦闘はオフラインとはまったく異なったものになります。もともと、何を目指しているか、明確なアイデア(全体的ゲーム速度、武器のバランス、各マップの特徴など)を持っていたので、それほど、開発は難しくはありませんでした。すべてのユーザーがもっているデバイスやネットワークにかかわらず、最適化されたゲームプレイが楽しめるように、QA(品質管理)には非常に注意を払いました。
 

−− ゲームロフトでは『N.O.V.A.』以外にもたくさんのアプリが配信されています。これだけたくさんのアプリを配信できる秘訣は何なのでしょう?

 

アルノー とくに秘密はないと思いますよ(笑)。ゲームロフトはダウンロード配信型ゲームで、業界をリードしています。私たちのゲームはすべて自社内のクリエイションチームが開発しています。ゲームロフトでは、世界中で3500人を超す才能あふれる人たちがゲームの制作に携わっているんですよ。

 

−− iPhone向けアプリはすでに10万アプリ以上、その数は2010年にますます増えることが予想されます。そのなかで『N.O.V.A.』のように成功を収めるために、開発する側として何が必要だと思いますか?

 

アルノー 先ほど申し上げた品質とコンテンツのレベルに加えて、ひとつひとつで見るとごく小さなグラフィック、ゲームプレイやコントロールなどのわずかな部分を調整することで、全体としてスムーズで楽しいゲーム体験が可能になります。また、大事なのはApp Storeに何個のアプリが出ているのかを知ることではなく、すばらしい品質とコンテンツを実現するために必要な目標の数々を知ることです。それに、何より、配信されているすべてのアプリがゲームというわけではありませんから。また、ユーザーは無料アプリと有料アプリを完璧に区別しているように思います。

 

−− iPhone向けアプリ市場の魅力は何だと思われますか? 逆に不満点や「こうなってほしい」という希望はありますか?

 

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アルノー 第一に思うのは、ユーザーと開発者の両方にとって非常にシンプルだということです。ひとりのユーザーとしては、ブラウズもしやすく、ゲームの詳細を見たり、アプリをダウンロードするのも簡単です。開発者としては、アプリの容量制限がないことは非常にうれしいことです。普通のモバイルゲームであれば、600キロバイトから1メガのあいだでなければなりませんが、iPhoneでは300メガのゲームを配信することも可能です。そして何より、ユーザーからのレーティングやレビュー、逆に開発側のアップデートが可能なこともエンドユーザーとのやりとりを非常にスムーズにしています。
 

−− 2010年はどのようなアプリを発表される予定なのでしょうか? また、『N.O.V.A.-Near Orbit Vanguard Alliance』の次回作の構想などはあるのでしょうか?

 

アルノー まずは、何週間後かにリリース予定の『GTレーシング:モーターアカデミー』をはじめ、ゲームの開発に専念します。まだ、決まってはいませんが、『N.O.V.A.』の続編も出るかもしれません。

 

−− 日本のiPhoneユーザーに向けてメッセージをください。

 

アルノー 私たちのゲームが、ゲームの国、日本で高く評価されていることを非常にうれしく思います。それに、日本ではFPSはもっとも人気のあるジャンルというわけではないと思うので、FPS大ファンの私としても、とてもうれしいです。みなさんとオンラインで遊ぶのを楽しみにしています!

 

ダウンロードはこちら(App Storeにつながります)

 

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