『ビューティフル塊魂』のビューティフルインタビュー!
●『ビューティフル塊魂』の生みの親に直撃!!
塊を転がして、モノを巻き込み大きくしていく『塊魂』シリーズ。その最新作である『ビューティフル塊魂』は、プレイステーション3とXbox 360で発売予定だ。週刊ファミ通5月4日号では、本作のディレクターを務める森脇淳氏にインタビューを敢行! なんで"ビューティフル"? なんで次世代機? など、『塊魂』ファンに代わって、素朴な疑問をぶつけてきた。ここでは、そんなインタビューの一部始終を公開するぞ!!
森脇 淳 with 王子 |
1965年7月5日生まれ。古くはPCエンジン版の『オーダイン』、最近ではPSPの『僕の私の塊魂』など、多くの作品に携わる。社内ではメガドライブの『レッスルボール』に関わったということで、崇拝されているそうな。 |
――今回は『ビューティフル塊魂』ということですが、どれくらいビューティフルになっているのでしょうか?
森脇淳(以下、森脇) いや、あの、「ビューティフル」って言いたかっただけで……。
――ジャンルも"ロマンチックアクション"から"ロマンス&ビューティー"になっていますので、すごくビューティフルになったのかと。
森脇 とりあえずビューティフルには"すばらしい"とか"ステキ"とかいう意味もあるんで……。まあ、これはあとで考えたコジツケで。ただ、きっと王様は地球の言葉の中でビューティフルっていう言葉は好きだろうなぁと思ったんです。
――画面はいちおうビューティフルになっているけど、さほどビューティフルさにはこだわっていない?
森脇 そうですね。画面は当たり前のようにビューティフルになると思いますので。
――塊のビューティフルさを競ったりするような要素は?
森脇 いや、そういうわけでもなく。
――ゲームのシステムにも絡んでない?
森脇 本当に語感だけで。ロゴのデザインを考えながら、「『ビューティフル塊魂』ってちょっといいなぁ」と思っただけなんです。
――当社比で言うと、プレイステーション2版に比べて何倍くらいビューティフルなんでしょうか?
森脇 HDのテレビで見れば相当ビューティフルですね。縦横倍密度なんで4倍? ただ、これまでの『塊魂』の画面イメージも大切にしたかったので、アラがクッキリと見えてしまうところを描き直したり、逆に、リアルになりすぎないように調整するのが、けっこうたいへんでした。
――画面の美しさの違いは、パッと見てもわからない?
森脇 そうかもしれませんね。本当はすごくビューティフルになってるところを、あえて前面に押し出さない、隠れた美学とでも言いますか……。
――では、モノの四角い感じは健在ということですね。
森脇 健在です。あえて丸いモノは作っていません。
――リアルなモノが塊にくっついっていったら嫌だなと思ってました。
森脇 もちろん、社内でもいろいろな意見があったのですが、どうも『塊魂』っぽくないだろうと思ったので、四角い感じのままにさせてもらいました。今後、新作を出すことがあったとしても、このままでいくんじゃないかと思います。
――ハードが進化したことによって、マップはどのようにビューティフルになったのでしょうか。
森脇 これまでは道にガードレールをつけたりしただけでポリゴンオーバーしていたのが、今回は気にせずに済むのは大きいですね。おかげで、臨場感がちょっと出ているんじゃないかと思います。あと、これはまだ実験中なんですが、音声はサラウンドを採用しようと思っています。臨場感も微妙になんですけれどビューティフルに……。
――塊の右側についたか左側についたかで、音の聞こえかたも違ってくる?
森脇 そうですね。あと、後ろから何かが近づいてくれば、音も後ろから聞こえてきます。
――後ろから音が聞こえてきたから、くっつけようとか……。
森脇 逆に逃げようという判断もできますね。
――これまでと違ったタイプのマップは増えていますか?
森脇 これまでは日本を意識していたのですが、本作ではヨーロッパみたいな町並みも入れています。それも、日本人から見た変なヨーロッパ。僕らがベタに考えるヨーロッパってこんなのかな、というのを作りました。
――ということは、「塊的な我が国はどうなっているんだ?」みたいなものがわかったりする?
森脇 塊的アメリカとか、塊的フランスとか……。王様のフィルターを通したら、あんたたちの国はこうなるよっていうのが表現されていると思います。
――本作のストーリーは?
森脇 王様が失敗して王子が尻拭いというところは相変わらずで(笑)……。
――マップは、いつもどおり小さいところからスタートする感じでしょうか?
森脇 どう言ったらいいのかな? 逆マルチとでも言いますか。スタートはいくつかに分かれしてまして、その中のどこかからスタートして、最終的には大きな宇宙が舞台になるという感じです。
――今回も宇宙で転がせるんですね?
森脇 そうですね。プレイステーション2版でもあったのですが、宇宙は少し違う感覚でおもしろかったので、今回も宇宙空間は入れようと思ってます。
――最初はアステロイドくらいから、最終的には星座を巻き込むくらいまで塊は大きくなる?
森脇 宇宙に出るときは、王様は地球では物足りなくなってる状態なので、最初からデカイ塊で、巨大なロケットとか人工衛星は、簡単に巻き込めちゃうかと思います。割りと早い段階で、月ぐらいなら巻き込めると思いますね。最終的には太陽どころではなく、巨大な星座も巻き込めるようになりますよ。
――巻き込めるモノはいろいろありましたが、本作では種類が増えていますか?
森脇 新しいマップに合うようなモノが必要ですので。これもベタに僕らが思うヨーロッパ風なモノを増やしています。あと、ポリゴン数のこともあっていままで遠慮していた昆虫とか特殊車両とか、関節の多いモノも増えています。
――前作でも1000を越えるような種類がありましたよね。
森脇 そうですね。1400近くいってたと思いますね。
――1400から、さらに増えているということですか?
森脇 前回までのモノは基本的に全部出していますので。かなり増えていると思います。
――これまでにあったお相撲さんのように、今回も変わった形の塊は出ますか?
森脇 とりあえず、あるとだけ言っておきます。
――塊は丸だけじゃないんですね。
森脇 あります! ビューティフルなモノを転がします(笑)。
――第1作目に登場した"星野一家"は、今回登場しますか?
森脇 これまでのシリーズに登場したモノは全部使うので、どこかに出てくるはずです。ただ、今回はストーリーに絡んではいないですね。今回のストーリーは、王様と王子の関係にスポットを当てていますので。
――1作目から時間の流れはあるのでしょうか?
森脇 まぁ、基本的にはないですよね(笑)。まぁ、どちらかと言えば進んでるかな。
――本作は、時間軸的にはいちばんあとということなる?
森脇 そうですね。
――ということは、王子は成長している? 身長は?
森脇 残念ながらしておりません!
――プレイステーション3とXbox 360の2機種で発売することにした理由は?
森脇 単純に新しい機械にチャレンジしたいというのは、僕らの欲求としてあるんですけどね。実際、ハードの値段が高いので、どちらかしか持っていない人もたくさんいると思いますので。
――ハードの選択肢として、Wiiはなかったんでしょうか?
森脇 ありますよ。もちろんPCもありますし、あらゆるハードにあります。
――Wiiで、今後『塊魂』を発売する可能性は?
森脇 コントローラーがかなり特殊なので、そこをどうクリアーするかが大きな問題ですね。
――Wiiだと、別のゲームになってしまう?
森脇 違うゲームにはしたくないんですよね。同じテイストにしようというのが、僕らの方針なんです。しかし、同じテイストにするにはどうすればいいのか、そう簡単にアイディアが出てくるわけではないので。それが解決するまで、ちょっと時間が掛かるかなぁ。ほかにも、PC版ならキーボードとか、ニンテンドーDSのタッチパネルとか、いろいろなインターフェイスにチャレンジしていきたいと思っています。
――操作はプレイステーション2版を継承している?
森脇 そうです。はい。
――新しいアクションが増えたりは?
森脇 えーと、増えたかな。これまでの操作はいっしょです。オンラインはいろいろ仕掛けを考えていて、そのへんで操作が増えるかな?
――Xbox 360のコントローラーでの操作はどうなる?
森脇 Xbox 360は、ふたつのアナログスティックの位置が若干上下ずれているので、プレイステーション2でプレイしたことがある人は違和感があるかもしれません。なかなかまっすぐ進めなかったりするかもしれませんが、あえて乱暴な言いかたをしますと、「そんなに正確にまっすぐに進みたいか、お前は!」って感じですね。
――きっちりまっすぐに進む必要がないってことですね。このゲームは。
森脇 とまぁ、乱暴な意見もありましたが(笑)。実際やってみると、すぐ慣れてしまいますよ。操作していても、「あ、ずれてる」ってわかるんですけど、やってみたらそんなに関係ないと思います。
――1面くらい遊べばすぐに慣れる感じですか?
森脇 ……2面くらい遊べば。
――操作性以外に、両機種版に違いはありますか?
森脇 本作はオンラインに対応していますが、Xbox LIVEとプレイステーション3の通信って若干違うんですよ。僕は専門外なのでよくわからないのですが。もしかしたらそこで、接続のときのイメージというか、プレイ感覚に違いが出ててくるかもしれませんね。
――他機種間でオンラインで遊ぶことは難しいですか?
森脇 そうでしょうね。知らないですけど。なんかIDがどうとか難しいこと言われて、すぐ引き下がりましたから(笑)。
――Xbox 360とPCは実現可能ですよね。
森脇 PCもXbox 360もプレイステーション3も全部持っている人は少ないと思いますが、どれかひとつは持ってるという人は多いと思いますので、将来的にはチャレンジしたいですね。
――Xbox 360版とプレイステーション3版で、違うステージが入るということもない?
森脇 多分ないと思いますよ。
――では、両方買うというよりも、どっちか買ってほしいという感じですね。
森脇 えーと、商売的には両方とも買ってほしいと思ってるので、何かちょっとした仕掛けはするかもしれません。
――パッケージ違いのような?
森脇 かもしれないですね(笑)。
――オンラインでは、どのような遊びができますか?
森脇 単純に、同じフィールド内でプレイヤーが転がして、どっちがたくさん巻き込んだかというルールで遊べます。通信はとくに海外から要望が強くて、ぜひということもありましたから。オンラインでこのような対戦は楽しめるのですが、僕らが本当にやりたかった『塊魂』は勝ち負けではなく、ゆったりと、のっぺりとしたところでダラダラと過ごすというか……。オンラインで"ロビー"ってありますよね。ゲームを始めるまえに、みんなが集まる場所。そこでいろいろできたほうが、『塊魂』っぽいと思うんです。
――ロビーでも塊を転がせたり?
森脇 転がすというか……、勝った負けたが関係ないゲームっていろいろあるじゃないですか? コミュニケーションの一環として、ロビーで何か遊べるようにしたいんです。鬼ごっこみたいなものとか。もちろん勝ち負けがあって、ランキングに影響する勝負もロビーに用意したいですね。
――ほかにもオンラインでは、いくつかのルールで遊ぶことができる?
森脇 はい。いくつかルールは用意していますよ。
――オンラインでは、最大何人同時に遊べますか?
森脇 最大4人になりそうです。
――オンラインで集まる場合、モデルやアクセサリーを好きなモノに変えられますよね?
森脇 そうなんですよ。ゲーム中、新しいモノを手に入れた人って、人に見せたいと思いますよね。その自慢の欲求を何とか満たしてあげたいなと。そういう情報をオンラインで交換してもらえればと思います。対戦よりも、よっぽどやってほしいことはコミュニケーションなんです。
――アクセサリーを、ダウンロードで買えたりは?
森脇 検討しておきます! 要望が多ければ、ぜひ実現したいと思います。
――エターナルモードは今回もありますか?
森脇 ありますよ。エターナルモードがないと、コレクションがコンプリートできないと思いますので。このモードが、ある意味いちばん『塊魂』っぽいかなって感じるんですよね。時間制限もなくて転がせるだけ転がせるという、大らかなところが僕も好きなんです。
――新モードはありますか?
森脇 気楽に遊べるようなモードを新たに考えています。
――イトコやハトコのデザインはどういう風に決まるのですか?
森脇 社内でコンペがあるのですが、デザインは基本的にひとりにやってもらっています。
――これまで、仲間のキャラクターは何人登場した?
森脇 PSPの段階で、王子含めて48人でしたね。今回、その48人は全員登場します。
――イトコとかハトコとか、キャラクターの分類がいろいろありますが……。
森脇 1作目の仲間は"イトコ"、2作目は"ハトコ"、PSP版では"ルーキー"という呼びかたをしていたんです。今回、いろいろ呼びかたを考えたのですが、面倒くさいんで全部合わせて"メイツ"という呼びかたにしちゃいました。これまでのイトコやハトコも、全員メイツになります。しかし、王子とのイトコ、ハトコとかっていう関係性が、なくなったわけではないですけどね。今後、続編が発売されたときも、メイツでいきますよ! どれがハトコとか、こっちもわからなくなるんで(笑)。
――新キャラクターのマグも、メイツのひとりになる?
森脇 そうです。はい。
――マグは、イトコとかハトコとかっていう関係性は?
森脇 わからないです。似てるからあるんじゃないかと思うんですけどね。まあ、イトコ、ハトコも怪しいですからね。おそらく、イトコっていう言葉を王様が地球で覚えて、その言いかたがよかったから「じゃ、イトコね」ってなったんだと思います。
――じつは、血縁関係がない可能性が……?
森脇 でも僕は、ほとんどサイズも顔も同じなので、一族なのは間違いないかなと思っています。はっきりしてるのは、みんな仲がいいということくらいです。
――ちなみに、メイツたちの頭の中はどうなっているんでしょうか?
森脇 血縁関係があるとしても、割りと突然変異が大きい一族なんで、種族間でそのへんの差はあると思います。頭の中に味噌汁が入ってるヤツもいますし。
――マグはどういったキャラクターなのでしょうか?
森脇 メイツは、みんな同じ顔というのが基本コンセプトとしてあるのですが、毎回何人か変な顔のヤツを入れたいとも思っているんです。それで今回、白羽の矢が立ったのがマグなんです。
――イラストでは、顔にパックマンとチェリーが映っていますが、たとえば"ギャラクシアン"が映ったりすることはあるのでしょうか?
森脇 あるかもしれませんね。もしかしたらメッセージが出たりね。
――メイツは全部で何人くらい増えますか?
森脇 コンペで100人以上アイディアが集まったので、全部出してやろうかと最初は思ったんです。ただ、メイツは画面に全員同時に出したい……。そう思ったときに、ちょっと管理がきびしいかなと……。出せるんですけどね、別に減らさなくても(笑)。あと、新しい『塊魂』が出たときに、また増やしたくなると思うので、我慢して控えめにしたんです。本当にかわいいのだけピックアップしました。
――ビューティフル感があるキャラクターだけ追加した感じですね。
森脇 もちろんです!
――BGMとなる歌には毎回豪華なアーティストが参加していますが、今回も期待できますよね?
森脇 もちろん豪華なアーティストをお願いしました。皆さんが知っているような著名な方に参加してもらってます。
――いままでのシリーズに参加したアーティストで、今回も参加している人は?
森脇 今回は全員、新しい人にお願いしています。人数はだいたい、これまでと同じくらいですかね。
――最後に『塊魂』ファンにメッセージを。
森脇 僕らが気にしていたのは、いままでの『塊魂』とぜんぜん違うゲームにならないようにするということです。新しいハードですし、もちろん新作なので、新しいところが目白押しにしたいという気持ちを抑えて、あえて隠れたところを進化させています。Xbox 360ユーザーの方は、とくに初めて『塊魂』をプレイする人が多いと思いますので。ゲームの作りそのものは、初めての人をすごく意識してますよ。これまで『塊魂』をプレイしたことがない人も、ぜひ遊んでほしいと思います!
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