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ポケモン石原恒和氏が語る、”究極”の『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』の秘密に迫る!

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●ポケモンの育ての親である石原恒和氏のインタビューを、ファミ通.comでも公開!!
 

 ついに2006年9月28日に発売となる、シリーズ最新作『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』(以下、『ダイヤモンド・パール』)。週刊ファミ通9月15日号に掲載した、株式会社ポケモン代表取締役社長、石原恒和氏のインタビューを、ファミ通.comでも公開。ほかでは聞けない、貴重な話がたっぷり詰まったインタビューは必見だ。"究極"と銘打たれた最新作にかける熱い想いを語っていただいたぞ。

 

石原恒和氏

元クリーチャーズ代表取締役社長で、現ポケモンの代表取締役社長。『ポケモン』シリーズの育ての親として、ゲームフリークの田尻智氏とともに活躍している。

 

究極のポケモンシリーズとしての集大成

 

──『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ダイヤモンド・パール』の発売が、2006年9月28日と迫ってきました。育ての親である石原さんとしては、現在どのようなお気持ちでしょうか?
石原恒和氏(以下、石原) 『ポケットモンスター エメラルド』を発売してから2年、そのもととなっている『ルビー・サファイア』からはもう4年も経っているんですよね。首を長くして待っているファンの方たちには、今回の『ダイヤモンド・パール』は待った甲斐があるソフトだと思います。そして、ゲームボーイ版の第1作目『赤・緑』からつき合ってくださっている方たちや、さらに今作から初めてプレイしようと考えている方たちにも、"究極"の『ポケモン』ですよと自信を持って言える作品になっていると考えています。
──具体的に"究極"のポケモンソフトとは、どのようなものを指しているのでしょうか?
石原 ニンテンドーDSで発売する『ポケモン』シリーズの"集大成"にしたい、という気持ちがまずありますね。『赤・緑』のころから比べると、登場するポケモンの数も増えてきているので、もちろんそれらを全部まとめあげたいという意味も含んでいます。『赤・緑』で151種類、『金・銀』で100種類追加され、さらに『ルビー・サファイア』では380種類以上になっています。今回の『ダイヤモンド・パール』でも非常にたくさんのポケモンが登場する予定です。通信をたくさんすることで登場するポケモンを始め、まったくの新ポケモンもいますが、進化のバリエーションという意味で、過去に登場したポケモンたちが新たな進化を遂げることもあります。「こいつは進化しないのかな?」と思っていたようなポケモンたちが、「こんなふうに進化するのか!」と。これまで慣れ親しんだポケモンも、『ダイヤモンド・パール』に連れてきてみて、初めて「ああ、そうなるのか!」と感じることができると思いますよ。これまでの『ポケットモンスター』シリーズで集め、育てたポケモンたちの思い出なども、全部『ダイヤモンド・パール』に持っていけます。概念的なことに加えて、中身として本当に集まるという意味での"集大成"にしたかったのです。みなさんで探求していただいて、新たなポケモンの進化を楽しんでほしいですね。

 

 

 

好調なDS人気を『ダイヤモンド・パール』がさらに後押し!

 

──いままで集めたポケモンたちを、最新作に持っていって遊ぶユーザーだけではなく、『ダイヤモンド・パール』から始めて、逆に過去のソフトをプレイするユーザーもいるかもしれませんね。
石原 そうですね。この『ポケモン』シリーズの特徴のひとつに、"いかに初心者に対してわかりやすく説明できているか"、という課題があります。『赤・緑』のパワーアップ版である『ファイアレッド・リーフグリーン』が、いい例で、初めてプレイする人たちがちゃんとその世界に入り込め、さらにいままでの作品を知っている人たちも、深く広く遊ぶことができるようになっています。両方のユーザーが楽しめる要素を持ち、なおかつ各シリーズひとつひとつが閉じた世界ではなく、いろいろなものとつながっている"遊び"なのです。
──たしかに『赤・緑』の当時から、通信ケーブルを使った"遊び"は斬新でした。昔はゲームと言えば、そのゲームの中で楽しむ、いわば閉じた世界が当たりまえでした。
石原 ゲームソフトも時代によって、遊びかたが変わっていきました。『赤・緑』が発売された10年まえ、ゲームの中で楽しむのはもちろん、それとは別に通信ケーブルを使った外で"遊ぶ"楽しさが生まれました。それから10年経った現在では、ゲームの遊びかたや通信手段に新たな変化が生まれてきています。この遊びかたに関して言えば、まずゲームの中で思いっきり遊ぶ"深さ"に違いが出てきていると思いますね。ネットにアクセスしていろいろな情報を見つけたり、友だちと携帯電話を使って気軽に話したり……。10年まえでは考えられなかった、さまざまな情報の収集手段が当たりまえのようにあります。それらの手段とともに、ゲームのライフスタイルも変わってきている。それらの変化を経て、ニンテンドーDSが登場したことにより、通信の遊びと、過去のシリーズを引き継いできた"集大成"と言われる新たな遊びを結びつけ、すべて『ダイヤモンド・パール』に詰めることができたんです。
──なるほど。究極のシリーズである『ダイヤモンド・パール』だからこそ、ニンテンドーDSで発売する意味もあるんですね。
石原 2006年8月1日の時点で、ニンテンドーDSの累計販売数が1000万台を突破したと報道されました。この記事が掲載されるころには、1100万台に達していると思いますし、さらに『ダイヤモンド・パール』が発売される9月末では、さらに販売台数を伸ばしていると思います。『ダイヤモンド・パール』がこれを加速する好材料になればうれしいですね(笑)。

 

 

『脳トレ』から『NEWマリオ』、そして『ポケモン』へ

 

──ニンテンドーDSの登場によって、いままでゲームで遊んだことのないような新たなユーザー層が増えてきています。『ダイヤモンド・パール』は、そのような人たちにとって、どのような位置づけでありたいと考えていますか?
石原 ニンテンドーDSが1000万台を越えるようなハードに成長した理由として、いまおっしゃった新規ユーザー層、いままでゲームをプレイしなかった人たちが遊んでくれていることが第一にあると考えています。それはまさしく、任天堂の戦略が当たったということだと思います。まず、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』の登場によって、新しい遊びかたやニンテンドーDSというデバイスに接する、いままでになかったライフスタイルを確立することができました。時間が空いているときに、ちょっとクイズに答えてみるとか、タッチパネルを使って気軽にゲームにチャレンジしてみるとか……。ライトユーザー層でも、毎日30分はゲームをプレイする。さらに、それをいまでも継続しているような人々が、今度は『NEWスーパーマリオ』に接してきているんです。20年まえに『マリオ』をプレイしてきた世代のように。そしてアクションゲームを堪能したユーザー層が、つぎに本格的なRPGを遊んでみたいと思い始めたときに、ぜひ、『ダイヤモンド・パール』をどうぞ! という感じでプレイしてみてほしいですね。
──なるほど。初めてのRPGとしては、まさにうってつけですね。
石原 ええ、それにニンテンドーDS本体の新機能を存分に楽しむのにもオススメです。ゲームボーイアドバンスのポケモンをダブルスロットで連れてくるという使いかたや、タッチスクリーンによる直感的な操作感、Wi-Fiによって行われるポケモンの交換や対戦など、ニンテンドーDS本体の機能をかなり使いこなしています。『赤・緑』時代は通信ケーブル、『ファイアレッド・リーフグリーン』時代は無線通信。そして『ダイヤモンド・パール』ではネットで通信できる。その時代時代で、最先端の機能を取り入れてきましたからね。

 

『ポケモン』のためのWi-Fiコネクション!?

 

──任天堂の岩田社長が、「『ポケモン』を最高の形で爆発させるために、Wi-Fiコネクションを続けてきた」とおっしゃっていました。
石原 Wi-Fiコネクションは『マリオカートDS』や『おいでよ どうぶつの森』など、いろいろな形で使われてきています。そのようななかで、岩田さんとは「Wi-Fiコネクションを使って究極的な形で『ポケモン』を遊んでもらいたい」と話してきました。日本で『ダイヤモンド・パール』を発売したあとで、続けて北米版や欧州版の発売を検討しています。そのときに、より大きな力としてWi-Fiコネクションの真価を発揮できると考えています。日本だけではなく、全世界の人たちとポケモンを交換したり、バトルを楽しめるようにしたいと思っています。たとえば、ピカチュウは英語でもPIKACHU(ピカチュウ)ですけど、ヒトカゲは英語名になるとCHARMANDER(チャーマンダー)となるんです。その場合、アメリカのユーザーとポケモン交換したときに、どのように表示されるのか? とか、海外のユーザーがつけるポケモンのニックネームはどうなるのか? とか。日本語だけではなく英語やドイツ語など、さまざまな言語との互換を考えています。Wi-Fiコネクションを通すことで、世界共通のポケモン交換や対戦ができれば、まさしく、"究極"なのではないかと思いますね。さらに、ともだちコードを交換することで、IP電話のようにボイスチャットで会話することもできます。ゲームの中でお互いの声をリアルタイムで送り合う技術は、子供たちにとっては新しい体験になると思いますよ。

 

 

ゲームだけでは終わらないポケモンワールド

 

──『ポケモン』シリーズは、いまやゲームだけではなく、さまざまな展開を見せています。『ダイヤモンド・パール』の発売により、これからも新たな展開が始まっていくのでしょうか?
石原 ゲームソフトからスタートした『ポケットモンスター』シリーズですが、現在ではカードゲームやテレビアニメを始め、映画やポケモンセンターなど、いろいろなものを生み出してきました。最近では、2005年の愛知万博サテライト会場で開催したテーマパーク"ポケパーク"を台湾で開催しています。2006年の6月23日にスタートしまして、現在も大盛況で盛り上がっていますよ。今後も国内外問わず、さまざまな地域でこういった展開をしていきたいと考えています。
──2005年の3月にNECとの共同出資で、"ポケモンラーニング"を設立されましたね。
石原 ポケモンラーニングでは、オンライン教育システムとして2006年の6月から、『ポケモンPCマスター』がスタートしています。これはポケモンを使ったeラーニング(パソコンなどを利用して行う教育)のひとつと考えているのですが、子供たちがパソコンに接するきっかけになればと思い、始めました。すでに入会して勉強を始めている子供も多いのですが、ゲーム機と違ってパソコンというのは覚えなければならない技術が複雑なんです。とくにキーボードは、アルファベットの大文字、小文字を理解して、キータッチのホームポジションを身につける必要もあります。ですが、それができるようになると、速くて正確なタッチタイピングができるようになるんです。子供たちはポケモンで親しみながらゲーム感覚で、どんどん覚えていくので、ポケモンが学習にも役に立つことを改めて実感しています。

 

『ポケモンPCマスター』とは、株式会社ポケモンとNECが共同出資で設立した、ポケモンラーニング株式会社が提供するオンライン上の教育サービスのことだ。

 


盛況なスタンプラリーそしてWiiでの新作は?

 

──もう終わってしまいましたが、2006年もJRのスタンプラリーは盛況だったようですね。駅の中を楽しそうに子供たちが走り回っていました。
石原 毎年、夏休みの期間に開催しているのですが、今年は去年よりもさらに難度が上がっているんですよ。制覇しなければいけない駅の数が毎年増えているのですが、今回はついに98駅にまで達しました。親子で参加できる夏休みの企画として、全部の駅を制覇する達成感はかなり大きいようで、毎年1万人以上の家族づれが参加してくれています。それとは別ですが、ポケモンオリジナルのSuicaイオカードも発売しました。10万枚作ったのですが、6日間ほどで売り切れてしまったようです。それを買い求める行列とスタンプラリーが重なった駅では、ものすごい混雑ぶりになってしまったと聞いています(笑)。
──今年の冬に発売を予定している任天堂の次世代機、Wiiですが、その対応タイトルのひとつとして『ポケモン バトルレボリューション(仮題)』が登場するということですが……。
石原 まだ詳しく話せる段階ではないのですが、WiiとニンテンドーDSが連動する最初のソフトになる予定です。新世代の機種であるWiiだからこそ、『ポケモン』だからこそできる遊びかたを、このソフトで示すことができたらと考えています。現在開発中ですので、楽しみに待っていてください。
──ありがとうございました。

 

※ポケットモンスターオフィシャルサイトはこちら

 

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