『世界樹の迷宮』のディレクター新納一哉氏にインタビュー!
●アトラスの放つ新ダンジョンRPG!
『真・女神転生』や『BUSIN』など、数々の3DダンジョンRPGをリリースしているアトラス。そんなアトラスが、ニンテンドーDSというハードでどんなゲームを作り出すのか? もちろん、3DダンジョンRPGである。それも本格的な、ゲームファンがしびれるような、純粋な3DダンジョンRPGをニンテンドーDSで開発中だというのだ。アトラスの新たな軸となるような、妥協のないRPGを目指して日々開発されているタイトル。それが『世界樹の迷宮』である。プレイヤーの目的はただひとつ、迷宮の最下層へ向かうこと。そのためには、さまざまなトラップ、謎解き、そしてモンスターとの戦闘を乗り越えていかなくてはならない。また、マップを自分自身で描くという要素も見逃せないぞ。自分自身の手でマップを作り、攻略法を見出し、仲間たちとともに迷宮に挑むのだ!!
そんな『世界中の迷宮』について、週刊ファミ通7月14日増刊号(2006年6月30日発売)では、ディレクターの新納一哉氏にインタビューを敢行した。そのインタビューの中で語られつつも、誌面では掲載しきれなかった内容を、ファミ通.comで一挙に掲載していくぞ!!
新納一哉 |
――本作での新納さんの役割というのは?
新納一哉(以下、新納) 企画を一から立案しました。企画書を書き、仕様書を書き、お話も決め……、という感じで社長兼社員みたいに(笑)、ほぼ全部決定をしています。僕がもともとデザイナー上がりの人間なので、ビジュアル関係も口を出して、自分のカラーがかなり出たゲームになってしまいました(笑)。
――本作のコンセプトは?
新納 コンセプトは根が深いんですけども、まず第一に、わかりやすいものを作りたいという気持ちがありました。ニンテンドーDSになって、ある程度まで余計な、瑣末なことを入れなくても許されるという環境になってきたので、ムービーやお話、イベントというものを、けっこうバリバリ削って、"下まで潜っていくことが目的である"ということをユーザーさんにわかってもらう。さらにそのあとに、こちらで障害を用意して、プレイヤーを下に行かせないためのギミックを練る。つまりユーザーさんは、それをクリアーして"下に潜っていけばいい"ということだけを考えていればゲームが成立するというものにしたいんです。いまのゲームはお話がベースで、たとえば「何とかの国が燃えているぞ」って言われたら、「そっちに行かなきゃいけないのかな? よくわかんないけど」みたいな雰囲気で移動する。しかも、そのときにゲームを中断してしまった場合は、それ以降は、続きを始めようとしても(内容を)忘れてしまっているんですよね。「つぎは何するんだったっけ?」って。そもそも火事だからって向こうの国に行く理由がわからない、ということすらありますし。だから、まず"潜れ"ということだけを提示して、わかりやすいゲームにしたかった。ニンテンドーDSというのは、比較的そういうゲームが許される土壌にあるので、まず1回リセットしてみたいなって思っています。
――なるほど。
新納 あと『メガテン』(※1)チームでよくあるんですが、最近お話に引きずられて、作りたいダンジョンとかギミックが作れないということがすごくあったんですね。そういうときにみんなが言うのは「ふつうのダンジョン作りてぇ!」とか、「ふつうのダンジョンを遊ばせてみたい」っていうことなんですよ。じゃあ一から、3DダンジョンRPGをピュアにもう1回作り直してみたらどうなるんだろうと。『ウィザードリィ』(※2)を、いま我々がイチから考えたら、どういうゲームになるのかなという話をしたところから始まった企画です。
――昔ながらのユーザーさんが喜ぶような内容になりそうですね。
新納 そうですね。喜んでいただければと思っていますし、逆にいまのユーザーさんにも「こういうわかりやすい遊びってあったんだ」ということが、伝わるといいかなと。
――ダンジョンも相当こだわって作られているんですよね。
新納 ちょっとだけ内容を言うと、ダンジョンを昔風にしてあるというか。"いま風"の自然な感じのダンジョンではなくて、ここはギミック部屋、ここは細い通路がつながっている場所、みたいに、わかりやすい感じにしています。この作品は、森がテーマなんですけども、あえて四角い部屋などを作ったりもしています。ビジュアル的には変かもしれませんが、ゲーム的にはアリかな、と思って。
※1:アトラスの人気RPG『真・女神転生』シリーズの略称 |
――戦闘のバランスが、かなりきびしめになっているということですが?
新納 はい(笑)。それはですね、まずボタン連打してクリアーできるゲームというのが、アトラス的にはあまりおもしろくないということがひとつ挙げられます。あとは、『カドゥケウス』から得た教訓なんですけれども、最近ユーザーさんに対して(開発側が)「簡単にしないとわかんないよね」と考えている傾向があると思うんですよ。そうではないんですよね。『カドゥケウス』なんかは、いままでぜんぜんゲームをしていなかった主婦の方から、「わからないことも多かったけど一生懸命がんばってクリアーしました」というメールが来ていたりするんですよ。それを考えると、ゲームのシステムがわかりやすく伝わるように、こちらで工夫しておけば、難度自体は高めにしても大丈夫じゃないか、と思うんです。やっぱりゲームなので、"クリアーさせてもらう"というよりは、"自分の力でクリアーする"というほうが正しいのかなと思うので、今回はちょっときびしめのゲームバランスにしていますね。まぁ『メガテン』シリーズは全部そうなんですけどね(笑)。そういったアトラス的な雰囲気は残していこうと思っています。逆に、そういう部分がなければアトラスのゲームというのは、もうなかったのかなぁという気がするんですよね。『メガテン』などもそうですけど、あれがホントにボタン連打でクリアーできるようなゲームなら、もうユーザーさんは誰もいなかったんじゃないかなぁ、と思います。
――スキルというのはどういったものなのでしょうか?
新納 MMORPGでスキル制のものが多いじゃないですか。たとえば回復役にしても、回復力を上げるのか、防御力を上げるスキルを極めるのかみたいな、たくさんのスキルがある中でカスタムするというのが楽しいんですよね。だから、今回はその方向性でやってみようと。たとえば、火の攻撃をしてくる敵がいた場合は、火炎防御能力を上げたキャラを作れば楽に倒せるけども、それ以外のキャラなら、そもそも火を食らうまえに倒し切れるような能力を上げようとか、攻略法がひとつだけではなく、たくさんあってもいいかなと思います。シビアな戦闘バランスを崩すための要素として、自分でカスタムして考えられる攻略法をいっぱい増やしたかった、というのがスキル制にした最大の理由ですね。あとは、今回『メガテン』にはないスキルを出したかったので、かなり特徴的な、個性的な名前のスキルを一から考えて入れています。全職業につき20種類ぐらいスキルがありますね。
――たしかに、特徴的なスキル名が多いですよね。エクスタシーとか(笑)。
新納 (笑)。"エクスタシー"というスキルを持っているダークハンターは、鞭を使う職業なんですが、このゲームに登場する"封じ"という特殊スキルの使い手です。たとえば、頭をそのスキルで攻撃し続けると、頭が"封じ"られて、声や目を使う敵のスキルが使えなくなるとか。腕を"封じ"れば武器が振れなくなりますし、足を"封じ"れば"すばやさ"に係わるスキルは使えません。そういった全3ヵ所の部位を封じた状態を"イモムシ"と言うのですが、その"イモムシ"状態の敵を鞭で叩いて、通常の数倍のダメージをたたき出すのが"エクスタシー"です(笑)。
――なるほどー。全部封じて、エクスタシーで攻撃すると、相当なダメージに。
新納 なりますね。そういうダメージを係数掛けするような強力なスキルも多いので、今回はそれもふまえた敵のHPを設定しています。ふだんは50とか100ぐらいのダメージで戦っているんですけど、ボス戦とかになると1000とかっていうダメージが行き交う戦闘をやってみたいなと思っていますね。
――それは爽快感があって楽しそうですね。
新納 HPの上限は999なのに、やり取りしてるダメージは1000超えてるっていう(笑)。破綻してるだろって。そういうところのいい加減さというか、"ゲームとしてのあいまいさ"がほしいですね。最近だと、HPの上限が1000だったら、「1000以上のダメージが出るのはおかしいでしょ?」ってデバッガーから意見が挙がってきて、「じゃあ直そうか」という話になって、どんどん味が消えていってしまう。こういうところに関しては、味わいとして残したままにしようよ、としてやっています。
――そういうメチャクチャだろ、っていう状況を笑って流せちゃうのが、昔のゲームのよさっていうか。
新納 そうですよね。ただ、「昔のものがいい」という言いかたは自分はあまりしたくないんです。ゲーム業界は、まだまだ歴史の浅い業界で、ユーザーさんに合わせてだんだんいろいろ削って滑らかにしてきた中で、失ってしまった部分がけっこう多いと思うんですよ。実際、そういう流れの中で、夢中になれなくてゲームから離れてしまったユーザーさんも多いと思うので、「その辺は考え直してもいいのかな? とくにニンテンドーDSというハードはそれができるハードだろうな」と思っています。
――イラストの雰囲気が『メガテン』などとはちょっと違いますよね。
新納 そうですね。まずやりたかったこととして、違う路線のものを出してみたいという部分があったので。今回は"緑の森に、かわいいキャラクター"にしました。"にびいろの世界に、渋い一癖ありそうなキャラクター"という従来のアトラスにはないようなもののほうが、チャレンジする価値があるのかなと思っています。とくにこのゲームは、できればアトラスとして、今後も定番にしていきたいという気持ちで用意したものなので、そこは手を抜かず、いい加減にせず、新しいものとしてちゃんとクオリティーを高めていきたいと思っています。
――そういう意味合いもあって、日向(悠二)さんを起用されているんですか?
新納 まわりのゲームが好きな人たちにいろいろと聞いてみると、「日向さんがいい」という意見が非常に多くて(笑)。たとえば、この黒ベタのシルエットを大胆にいれるデザインなどは、日本のゲーム業界ではなかなか見られないし、そういう新しい絵の"かわいさ"は、ギャルゲーのそれとはまた一線を画すかなという意味で、前向きな気持ちでチョイスしました。あと、日向さんがダンジョンゲームが大好きな方だったというのも大きい理由ですね(笑)。運命的なものを感じました(笑)。
――ほかにも豪華な方が参加されていますが。
新納 内部でやってしまうのは簡単なんですけれども、新しい空気が入らないという理由がありまして。ストーリーと世界設計に関しては自分の隣にいてほしい人ですので、小森(成雄氏)にお願いしようとすぐ決めたのですが、その他の方は、かなり悩みました。「この人は知り合いだからお願いしてみようか?」というのではなく、古代(※3)さんも社内では「さすがに頼めないんじゃないの?」という状況だったんですけども、それでも無理やりお願いさせていただいて。今回に関しては自分の好きなって言うのも変ですけど、ベストチョイスの人選で選んだつもりです。
――古代さんにやっていただけるのは、なかなか豪華ですよね。
新納 そうですね。「やっていただけるとメチャクチャうれしいな」という気持ちでお願いしました(笑)。とくにサウンドに関しては、ゲームミュージックっぽい曲にしてほしいっていうオーダーをしているんです。映画音楽とか、環境音楽っぽい曲ではなく、僕らが子供のころに聴いた、胸ときめくようなゲーム音楽を鳴らしたかった。曲が聴きたいからゲームをやる、なんていうこともありましたよね。一時期、"ゲームミュージックブーム"というのがありましたが、「なんで突然そのブームは消えちゃったんだろう?」と考えると、やっぱり音源が豪華になってきて、ふつうの曲といっしょになってしまうと、ゲーム音楽である必要がないからなのかな、と。ですから、今回PC-8801(※4)のFM音源をサンプリングして使ってもらっているんです。
――へぇ〜(笑)。
新納 もちろん、それだけの音色だとつまらないので、ふつうのいい音源にプラスで、ベースの部分を88の音源にしたり、必ずその音を混ぜて作ってもらって、ゲームミュージックっぽさを強調してもらおうかなと。
――その曲がくり返しくり返しになっていくと……。
新納 自分の中に刷り込まれていくっていうね(笑)。そのゲーム音楽の刷り込みも含めて、自分のゲームのコンセプトである"思い出に残るゲーム"を作っていきたいんです。
――思い出に残る?
新納 そのときの評判や、話題のある作品というよりも5年さき、10年さきでも、仲間と笑って喋れるゲームがいいなと思っています。だから、ある意味、王道からハズした部分とか、"エグみ"というのを残していきたいなと思っています。ゲームというのは文化なので、10年後に「あんなゲームがあったよね」と言われるのがいちばん楽しいのかな、と思います。どんなに売れて、どんなに大作だとしても、「忘れちゃったよ」というゲームじゃ少し寂しいかなと。
――そうですよね。
新納 あと、これも『カドゥケウス』のときの経験なのですが、あの作品はいまだに攻略の方法に関する議論がインターネットで盛り上がっているんです。それが開発者として、とてもありがたいですし、本当にうれしいんですね。ゲームとして売ってる以上、ゲームの話をしてほしいですから、これもそんなゲームになるように調整していきたいな、と思います。そういう意味で、工夫した部分を例に上げると、戦闘中にターン数が表示されるんですよ。たいしたことないし、「それが何?」というところだと思うんですけども、じつはこれ、ちゃんと意味があるんです。このゲームはスキルのカスタムが大きく戦闘に影響するんですが、たとえばふつうのプレイヤーの想定で50ターンぐらいかけないと倒せないようなボスがいたとして、それを「オレはスキルを駆使して3ターンで倒したよ」ということで盛り上がってほしいな、と思っています。いまよくあるのは「10分で楽勝」っていう感じの話題ですが、それって曖昧すぎますよね(笑)。であれば、ターン数を表示して、はっきり確認できたほうがいいじゃないですか。「おまえそんなこと言うんだったら、写真に写してみろよ」ということもできますし(笑)。そこを明確に言えるというのがいいかなって。ユーザーさんにそういう話題をしてほしいな、という意味で、工夫しているということですね。「オレはこうやってクリアーしたよ」っていうことをみんなで話してほしいゲームです。
※3:古代祐三氏。『イース』や『ソーサリアン』など、数々の名作ゲームの音楽を担当 |
――ニンテンドーDSならではの要素というのは?
新納 基本的には手描きダンジョンという部分ですね。
――操作性の部分もかなりこだわられているとか。
新納 工夫しましたし、手描きダンジョンに関しましても、タッチスクリーンがあったからつけたシステムではないんです。社内で『ダンジョンマスター』(※5)の話が出たときに、「マップ書いたよね」という話や、「マップが宝物だった」というような話を聞くんですよ。マップを書くからこそ自分の思い出になった、という部分が大きかったので、思い出に残るゲームを作りたい自分としては、手書きマップをぜひとも搭載してみたかった。タッチペンのハードが出て、「やっと実現できた!」という感じです。さすがにコントローラーで手書きマップを描くのは面倒ですから。ただそれでも、このシステムで行こうと決めるまでにかなりの悶着がありました。実際タッチスクリーンをやめて、オートマップでもやろうという時期もありました。けれども、タッチスクリーン上で快適に書けるようになって、「手描きマップどうなのよ?」と言っていた人も、「書き始めたら止まらないね」という感じになってきて、じゃあ手描きマップで行こう、と。担当のプログラマーさんには悪いですが、ホントにぎりぎりまで悩みました。
――昔は方眼紙にマップを書いていた人もいましたからね。
新納 書くことも楽しいし、書きながらプレイすることで自分でクリアーしているという実感が沸くかな、というのがありますね。いまのゲームは実感が沸かなくて。マップも自動でできていくし、「弱点情報はいつでも聞いてくれ、すぐに教えるから」みたいな状態になっているし。そうすると、「オレって何してるんだろう」と思ってしまう。「こんなんだったら攻略本最後まで読んじゃえばいいんじゃないの?」って。そうはならないような作品にしたいですね。
――自分で書いてプレイするということでの実感もあると思いますが、クリアーして、1年とか2年経ったあとに、引っ張り出してきてプレイしたときに、「これ自分で書いたマップだよ!」という感動みたいなものもありそうですよね。
新納 そうですよね。久々にやってみたら、マップがちょっと違っていることを発見したりして(笑)。「オレ、間違えてマップ書いてんじゃん」みたいな。そういう出来事があってもうれしいな、と思います。このゲームは、マップの中にもふんだんに小さいイベントを用意しているんです。たとえば花畑があったら虫がわいていて、手を出すと刺されるみたいな。そんな小さなイベントがいっぱいあるので、そういったイベントを、マップを埋めながら捜していくのも楽しいと思います。
※5:’87年にアメリカのFTL GAMES社が開発・発売したダンジョンRPG。日本でもPCやスーパーファミコンなどで発売された |
――f.o.e.という徘徊型のモンスターもいるそうですね。
新納 ランダムエンカウントの、ふつうの戦闘もあるんですけども、画面上をウロウロしている、いわゆる見える敵というのがこのゲームにはいるんです。自分が歩いたマップの地点だけ、その敵を感知することができるんです。全マップを踏破すれば、この敵がたくさんいることがわかるんですよ。こいつらは生態系を持っていて、マップ内を巡回しているんですね。で、戦闘中でも1ターン経てば、1歩動いてくるんですよ。
――近づいてくる!?(笑)
新納 ええ(笑)。6匹に囲まれた状態で戦闘が5ターン経過したりすると、どんどんどんどん戦闘に参加してくる。さらに、ターンが経てば経つほど、ほかのf.o.e.も集まってきて……という。
――それは緊張感がありますね。
新納 そうなんです。もっとヒドいと、階段を下りたら、すでに自分の後ろにモノスゴイ強い敵がいるという状況とか(笑)。自分はコイツを振り切りながら1歩1歩進んでいかなくちゃいけないんですが、そこで敵がエンカウントして戦闘が始まったりする。一歩後ろには強敵が追ってきているので、すべての戦闘を死ぬ気で1ターンで終わらせないと、追いつかれて殺されます(笑)。そのへんの表現は、上の画面で戦闘シーンを表示して、下画面でマップを表示する、という2画面のニンテンドーDSだからこそできるシステムですね。
――てっきり、f.o.e.は巡回しているだけで、うまくやり過せばいい敵だと思っていたんですけども。
新納 巡回だけではなくて、AIでしっかり動かしていますね。視界で反応するとか、音で反応するとか、直線上に並ぶと反応するとか、何らかのトリガーを踏むと反応する。たとえば肉を持っていると襲ってくる狼がいたり、いろんなギミックが仕掛けてあるんです。そこも肉をあえて持って全部倒して進むプレイヤーがいてもいいかもしれないし、効率よく進みたいプレイヤーは、肉を捨てて狼を避けて進めばいいし。このゲームは1階1階が、面クリアー型のゲームみたいは雰囲気になっていて、「やっと2面が終わったよ」みたいな、そういう雰囲気で遊べると思います。1度、その面をクリアーしちゃえば、方法はわかっているんで、つぎは簡単に突破できるという感じですね。
――仲間はギルドで集めるんですか?
新納 自分で作って、ギルドで仲間にするという形ですね。
――全キャラ自分で作るんですか。
新納 そうです。9職業(※6)の中から自分で作成して。ギルドに行くと冒険者登録や、パーティー編成ができるんです。登録するときは職業を選んで名前を入れて、という感じで。パーティー編成の場合も、作ったメンバーの中から選んでいく。
――何人でも登録できるんですか?
新納 20名まで登録できます。だから遊びかたの想定としては、炎の属性ばかり強く育っているキャラクターもいれば、ほかの属性ばかり育てているキャラクターもいて、要所要所で臨機応変に使い分けてプレイする、という形ですね。
――ここの敵を倒すにはコイツがいないとキツイな、みたいな。
新納 そうですね。ただ、そういうシステムはユーザーさんってけっこう嫌がるんですよ。「ふだんメインでやっているパーティーがいるのに、なんで入れ替えなきゃいけないの?」って。そのいちばん大きな理由は、育て直すのがめんどくさいということなんですけど、今回のゲームは、f.o.e.などもいますので、稼ぎポイントを見つけるとやたらと稼げるようになるんです。だから作り直しがすごく楽だし、5人の中にひとり弱いキャラクターを入れて、そいつをみんなで守りながらすぐに高レベルにするということが可能なバランスにしたいと思っています。だからそこを嫌がらないでやってほしいなと思いますね。
――なるほど。
新納 パーティーメンバーが5人になったのも経緯があって、最初はホントは6人だったんです。ただ、6人だといつも磐石なパーティーが作れてしまうんですよ。それを5人にすると、何かひとつ足りない(笑)。回復役を入れたはいいけど、魔法使いがいないな、みたいなことがたくさん起きて、ただそういう状況でも、ほかのキャラのスキルを工夫すれば何とかなるというバランスにはしてあるんですね。そこの"物足りない感"をキャラの入れ替えで補ってもらえないかなと思っています。ただ、もちろんバランス型のパーティーにしていたら最後まで行けないのかというとそうでもなく、ちゃんと最後まで行けるようにはします。そういった必要以上の工夫は、強要するのもひどいかな、と思うので。
――職業の名前も独特ですよね。
新納 ここも新しい感じにしたいっていうのがありまして、カースメーカーなんていままでなかったんじゃないですかね。
――あとはブシドーとか。サムライじゃないんだ? って思いました(笑)。
新納 みんなサムライがイヤだって言うんで(笑)。サムライって言うと『ウィザードリィ』だよね、ということで、そこでちょっとひねりました。あと今回すごくこだわったのは、ナイトではなくパラディンにしたところなんですね、ナイトっていうと日本のRPG風表現なのですが、今回は翻訳風にやってみたいということがあったので、聞いたことがある程度の海外風味にしています。
――聞かないわけではないけど、独自の部分が出ている。
新納 そうですね。聞いてもわからないような名前はやめようということでつけていますから。わかる範囲でひねったというところですね。
※6:9職業 |
|
▲ソードマン |
|
▲レンジャー |
▲パラディン |
▲メディック |
▲アルケミスト |
▲ブシドー |
▲ダークハンター |
▲バード |
▲カースメーカー |
――ニンテンドーDS用ソフトということなので、通信を使った遊びというのは?
新納 残念ながらそれはありません。通信して遊ぶこと自体をおもしろくしているゲームであれば、やる意味もあると思うんです。ただ、3DダンジョンRPGで、通信ではない、ひとりで遊ぶ部分を強調しているゲームですので、今回は見送りました。ただ、通信ではないんですが、パスワードを発行して、つぎのゲームにキャラクターを持っていこうという試みを用意しています。それは、このゲームの『2』であるかもしれないし、まったく違うゲームでもいいんですけども、お気に入りのキャラクターを、"このゲームはクリアーしたよ"という称号といっしょに違うゲームに持って行けるのが、おもしろいかなと。
――『2』に引き継げるというとわかるんですけども、別のゲームっていうのはスゴいですね。
新納 難しいところなんですけども(笑)。たとえばファンタジーアクションのゲームにキャラクターを持っていったりするのはアリかなと思いますし。
――最後に、読者の皆さんにひと言メッセージをお願いします。
新納 自分としてはいちばんわかりやすくて、いちばん遊びやすい、楽しみやすいゲームを作ったつもりなので、ダンジョンRPG好きとか、RPG好きの方にはぜひ遊んでいただきたいなと思います。"遊ばされるゲーム"ではなくて、"遊ぶゲーム"になるということを大事にしていきたいと思って制作をしています。
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