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『テイルズ オブ ヴェスペリア』開発者インタビュー全文掲載!!

2008/3/21

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●週刊ファミ通を読んだ人も注目!

 人気RPGのシリーズ最新作『テイルズ オブ ヴェスペリア』(以下、『ヴェスペリア』)。週刊ファミ通2008年3月28日号では、本作のプロデューサーを務める郷田努氏と、クリエイティブプロデューサーを務める樋口義人氏にインタビューを敢行した。ここでは、誌面の都合で掲載できなかった部分を含め、そのときに行われたインタビューを全文公開。すでに公開中の、映像インタビューと合わせてチェックしよう。
 

プロデューサー
郷田 努
Gouda Tsutomu

クリエイティブプロデューサー
樋口義人
Higuchi Yoshito

 

――タイトルの『ヴェスペリア』に込められた意味は? "Vesper"には、宵の明星などの意味がありますが……。

樋口義人(以下、樋口) 主人公のユーリがギルドを作るのですが、その名前が"ブレイブヴェスペリア"と言います。このギルドに所属する主人公たちが、その世界における星のような存在になっているというところから名づけました。それに限らず、ゲーム中に"ヴェスペリア"という単語は何度か出てきますよ。

――ロゴの背景にある紋章のようなマークは?

樋口 いろいろな意味があるのですが、真ん中のマークは星を意味しています。それを囲む輪は、ゲーム中に出てくる結界を表しています。そして、この結界を発生させる装置があるのですが、このマークはその装置の象徴的なデザインにもなっています。

――本作のテーマ、"「正義」を貫き通すRPG"に込められた意味は?

樋口 これまではカイルやルークのように、内面的な成長を描いている作品が多かったのですが、今回の主人公は完成された人格を持っていまして、どちらかと言うと内面的な成長要素は薄いんですね。主人公は、仲間の成長を促すといったような立場なんです。そんな主人公の性格から、当初は"信念を貫き通すRPG"にしようと思ったんです。だけど、ちょっとしっくりこなくて(笑)。そこで、今回のターゲット層を考えると、ストレートなほうが受け入れられるのではないかと思って、あえて"正義"という単語を入れたんです。正義って、人それぞれあるじゃないですか? 一般的な正義ではなく、その人にとっての正義を貫く。そんな話にしたかったんです。

――単純に、勧善懲悪のストーリーにはならない感じですね?

樋口 じつは、時代劇的な要素を入れていまして、それが『テイルズ オブ』シリーズとしては新しいと思います。悪いヤツをバッタバッタと倒していく、痛快な物語が楽しめますよ。もちろん敵側も、人によっては戦う理由を用意しています。

 

――制作はテイルズスタジオとのことですが、どのへんのメンバーが参加されているのでしょうか?

樋口 『シンフォニア』と『アビス』を手掛けたチームです。じつは、今回のシナリオライターは、『シンフォニア』の方と違うんですね。そこで、あえて『シンフォニア』のスタッフということを言わなかったんです。

――アニメーションムービーは、もちろん用意されていますよね?

樋口 プロダクションI.Gにお願いしています。オープニングムービーも含め、すでに制作は始まっていますので、お見せできる日は近いと思います。

――ボリュームはどれくらいに?

樋口 シリーズ過去最大のボリュームになっています。当然、CGによるイベントシーンも入っていますが、それも過去最大級ですね。

――オープニングムービーと言えば楽曲が気になりますが……。

郷田努(以下、郷田) この作品のために一から楽曲を作りたいという考えがありまして、まず誰にしたらいいのかというところから協議しました。すでにアーティストは決まっています。日本人のアーティストなのですが、名前を聞いたらいろいろな意味でビックリされると思いますよ。

――楽曲は『ヴェスペリア』のための書き下ろしになる?

郷田 この作品のために作られた楽曲になります。『ヴェスペリア』は海外でも発売しますが、海外版の楽曲も同じアーティストが歌います。

――海外版の歌を?

郷田 そうですね。『テイルズ オブ』シリーズとしては、初の試みになります。
 

 

――開発はいつごろから始まったのですか?

樋口 じつは『アビス』の開発中に、ハイデフ表現の基礎研究が始まっていたんです。その後、2005年末あたりに、その研究に『テイルズ』を乗せるという話が上がってきたのですが、じつはこのころ、収益性を考えた場合この製品は「旧世代機でやるべきだ」と上層部に言ったことがあったんです。しかし、ブランドの将来性を見なくてはいけないと説得されまして……。なるほどと思い、当時で言うところの次世代機で作ることを決めました。

――本格的な開発がスタートしたのは?

樋口 2006年の5月くらいからです。そのあと8月くらいに、ハイデフでマップをすべて作ると、これくらいの作業量になるという結果が出たんです。そのとき思ったのが、我々手描きのテクスチャー貼りにとっては、作業が殺人的で……。しかし、マップを減らしてゲームのボリュームを維持するには、同じ場所に何回も行かせることになってしまう。そういうゲームにする覚悟ができなくて、スケジュールと予算を会社に交渉しました。結果的には、『アビス』とほぼ同じボリュームになっています。フィールドマップもありますし、いままでの『テイルズ オブ』シリーズの構造と同じような内容になっていますよ。

郷田 ハイデフ環境のRPGでここまでやっているのは、いまのところほかにないと思いますね。日本を代表するRPGの中で、ハイデフ作品としていちばん最初に世に出ていくのは、この作品であると自負しています。

――本作の解像度は、すべて1280×720になるのでしょうか?

樋口 アニメーションムービーも含め、画面サイズはすべて1280×720になります。
 

 
――今回、Xbox 360で初めて開発をしてみての感想は?

樋口 マイクロソフトは、開発しやすい環境を作ってくれているなという印象を受けました。たとえばネットワークや"実績"などに関して、ソフト側でいじる必要がほとんどないんですよ。マイクロソフトに質問を投げかけても、レスポンスはすごくよかったですしね。海外を意識した場合には、多く普及していますしね。

――ネットワークという話が出ましたが、今回はオンラインに対応する?

樋口 要望をいただいてはいますが、バトルシーンでキャラクターをみんなで操作するというのは、今回あきらめました。Xbox 360での開発が初めてとなりますので、あまり新しいことにチャレンジするべきではないと考えたんです。その代わり、戦闘のヒット数やミニゲームのランキングを作ったり、友だちの現在のプレイ状況がわかるようにするなど、Xbox 360ならではのことはやっています。

――オフラインでの多人数の戦闘は?

郷田 それはもちろんできますよ。

――ダウンロードコンテンツの対応は?

樋口 パッケージのタイトルで、何かを買わないとクリアーできないようにはしたくないんです。たとえば、時間がないけどこのアイテムが欲しいというような人のために、マーケットプレイスでアイテムを販売はする可能性はありますね。あくまでお客様に対する救済措置のような位置づけになります。

郷田 マーケットプレイスでアイテムを買わないと、コンプリートが難しいようなバランスにはしていません。全体的な難易度は、これまでのシリーズと同等になっています。

――プレイステーション3での発売予定は?

樋口 『シンフォニア』のときには、あまりにゲームキューブに特化していたので、プレイステーション2への移植の際、フレームレートを下げるなど、かなり工夫をしたんです。プレイステーション3はとても高性能なので、そういう意味では同じものを再現できると思います。ただ、発売ということになると、まだ何とも言えません。

――発売はいつくらいを目標に?

樋口 2008年です。年内発売を目標にしています。

――ということは、開発が3年弱くらいですから、かなり早いですよね。

樋口 『シンフォニア』から同じチームで開発しているというのが大きいですよね。コミュニケーションも最初から取れていますし。そのへんは、かなり楽だと思います。
 

 

――"エアル"と"魔導器(ブラスティア)"は、いったいどのようなものですか?

樋口 エアルは、わかりやすく言えば万物の源なんです。エアルがなければ生きてはいけないのですが、度が過ぎると毒になってしまう。エアルを浴びすぎた魔物が、凶暴化してしまったりとか……。それをうまく制御するために必要なのがブラスティアになります。たとえば、水を汲み上げている水道もブラスティアになります。ブラスティアには、宝石のような"魔核(コア)"と呼ばれる物がついています。このコアは古代の遺跡などから発掘された物なのですが、それに特殊な"術式"を刻み込んで台座にはめることで、効果が発揮されるんです。

――コアがなければブラスティアは動作しないんですね。

樋口 コアは大小さまざまなものがあるのですが、それを制御する術式の内容でブラスティアの効果が変わってきます。あと、戦える人と戦えない人の差は、戦闘用のブラスティアを保持しているかどうかの差となります。ユーリは戦闘用ブラスティアを左手首につけていますが、その形はさまざまな種類があります。

――戦闘用ブラスティアには、どのような機能が?

樋口 たとえば、"攻撃回数アップ"というような"スキル"が備わった武器を装備して戦っていくことで、戦闘用ブラスティアを通して、使用者がスキルを習得していくんです。習得したスキルは使用者が持ち続けるので、武器を替えてもそのスキルを装備することができるんです。

――パーティーメンバーは、戦闘用ブラスティアを持っている?

樋口 持っています。この世界で戦っている人は、全員戦闘用ブラスティアを持っていると思っていただいて間違いないと思います。意外とありふれたものなんです。

――店に売っていたりする?

樋口 売ってはいませんが、大きなギルドに入るともらえたりするでしょうね。

――ブラスティアと術式は、現代の人が作れるのでしょうか?

樋口 術式は一生懸命研究している人たちがいます。そういう人たちがたくさんいる街もありますよ。
 

 

――『ヴェスペリア』の世界は、結界が特徴的ですよね。

樋口 今回の世界では、街ひとつひとつが結界に覆われているんです。外には魔物がいて、一般の人は戦う術がないので外に出れない。魔物が襲ってくるのは理由があるのですが、襲われないように結界を張っている状態ですね。『デスティニー2』でカプセルに覆われた街があったと思いますが、それに近い感じです。

――結界に覆われた街が、点々とある状態なんですね。

樋口 この世界では、生まれたところから人が出るということは、ほとんどありません。研究者や貿易商など、一部の人は出ることがありますが、そういう人たちは冒険者を雇って移動をしているんです。だから、この世界にはギルドが存在しているんです。

――街から街への移動は、一般の人はしないけど、主人公たちは当然することになるわけですね。

樋口 騎士団など、武装した人たちは移動をしますが、一般の人はすることはないですね。

――結界は、どのくらいの範囲まで効果があるものなのですか?

樋口 ひとつの結界で数万人単位の街全体を覆うことができます。もちろん、設定上の話ですけどね。ちなみに、光の輪のようなものを含めた、見えないバリアのようなものが結界となります。

――結界は、ブラスティアで作り出している?

樋口 街の中心に剣のような尖ったものが見えると思いますが、厳密に言うと、これが結界を作る"結界魔導器(シルトブラスティア)"になります。この世界で結界がない街は、すごくイレギュラーなんです。

――中には結界がない街も……?

樋口 あります。基本的にこの世界の住人は、生まれたときから街が結界に覆われていて、その中で生活をしていくことになります。ですから、海を見たことがない人も存在しています。

――人々は、いつから結果が存在しているのか知らないのでしょうか?

樋口 一部の人しか知りませんね。なぜ結界があって、なぜ世界がそういう状況になっているのかということを知る種族がいるんです。この種族が物語のカギを握っています。

 


――ハルルは、主人公たちが序盤に行くことになる村なのでしょうか?

樋口 スタート地点から距離としては離れていますが、最初のほうに行くことになる村です。

――ハルルの村にある巨大な樹のようなものは何でしょうか?

樋口 これが、この村の結界を作っているシルトブラスティアです。同じブラスティアでも、いろいろな形があるんですよ。
 

 

――画面に、ブラスティアが遺跡から発掘されるという表現がありましたが、この世界には旧文明のうようなものが存在する?

樋口 ブラスティアがなぜ昔からあるのか、そして何に使っていたのか……。これらは、物語の中盤以降に明かされることになります。

――主人公が冒険に出た理由にも絡んでくる?

樋口 主人公はあくまで、身の回りで困っている人を助けることがいちばん重要だと考えているんですね。主人公は、帝都ザーフィアスの市民区と呼ばれている下町に住んでいるのですが、ひょんなことからヒロインのエステルと出会うんです。

――序盤のストーリー展開は?

樋口 ある日、下町の水道を制御しているブラスティアのコアが盗まれてしまうんです。水が溢れてしまって、みんな困っている。そこで、盗んだ犯人を捜そうというところから、物語はスタートします。その過程で主人公たちは街の外に出ることになり、徐々に世界に危機が迫っていることを知ることになります。

――ブラスティアの種類はどのくらいあるのでしょうか?

樋口 大きなカテゴリーに分けると5〜6種類くらいですね。それぞれが"○○ブラスティア"というように名前がついています。

――武器のブラスティアにも総称が?

樋口 "武醒魔導器(ボーディブラスティア)"と言います。『アビス』のときの"第七音素"(セブンスフォニム)などで味をしめちゃって(笑)。今回も、漢字で表現しているものがけっこうあるのですが、『アビス』が好きな人にはうれしい要素かもしれないですね。

――同じように、ほかのカテゴリーのブラスティアにも、すべて漢字が使われているわけですね。

樋口 はい。ちなみに、今回は画面の解像度が高いので、漢字にルビが振りやすかったですね(笑)。でも、小さめのブラウン管でもルビは読めるようにしてあります。

――画面にありましたが、"ソーサラーリング"もブラスティアのひとつ?

樋口 そうですね。ソーサラーリングは、この世界にはあまりないのですが、これまでのシリーズ同様、仕掛けの解除などに使います。シリーズおなじみの要素が楽しめますよ。

 


――この世界の国は、いくつかに分かれている?

樋口 国はひとつです。『アビス』のときのように、国と国との対立はありません。戦争が起こっているわけではなく、いちおう平和なんです。しかし、仕切る集団がひとつであった場合、必ず腐敗が起こるじゃないですか。そういったところを、今回の作品で描いています。この体制に不満を持った人たちがギルドを作ったんです。

――ギルドはいくつくらい存在している?

樋口 ギルド自体は無数にありますが、世界には5つの大きなギルドがありまして、それらを総称して"ギルドユニオン"と呼んでいます。ちなみに、帝国に不満を持った人たちがギルドに入っているわけですから、ギルドどうしの対立はほとんどありません。

郷田 主人公たちに対立する勢力というのもありますので、勢力図としては若干複雑かもしれないですね。

樋口 話としてはストレートに描いていますので、理解しにくいという印象はないと思いますよ。

――主人公たちのギルド、ブレイブヴェスペリアの位置づけは?

樋口 ギルドと言ってもすごく小さい、パーティー程度のものです(笑)。「ギルドを作ったらカッコイイよね」みたいなところから始まった感じですから。ユーリを含め、いっしょに冒険する仲間は、全員ブレイブヴェスペリアに所属しています。

――ギルドユニオンの中には入っていないわけですね。

樋口 ギルドユニオンに入っているギルドは、相当大きなギルドですから。この世界には、たくさんのギルドがあるんです。ひとりでもギルドと名乗ればギルドになれちゃうんです。

 


――今回の戦闘はどのようなシステムに?

樋口 基本的には、『アビス』の"FR-LMBS"の延長になります。劇的に変わってはいませんが、安心感はあると思います。今回の戦闘システムは"EFR-LMBS"(エボルブドフレックスレンジ リニアモーションバトルシステム)と呼んでいて、フレックスレンジの細かいところを改善し、追加要素を入れているのですが、その新要素のひとつにザコを一撃で倒せるシステムがあります。

――それはどのようなシステムでしょうか?

樋口 敵に、あるパラメーターが設定されているのですが、それを減らせばHPがいくらあっても一撃で倒せるんです。それをやるためには、当然同じ敵を狙っていくことになりますが、そこにフリーランで移動させる意義を持たせています。『アビス』では、発生した"FOF"(フィールド・オブ・フォニムス)という円陣に移動することにフリーランの意義があったのと同じ感覚ですね。

――これまでのシリーズをプレイしている人なら、違和感なくプレイできそうですね。

樋口 そうですね。ただ、ハードの性能を使わせていただいているところがありまして、戦闘中に出てくる敵の数は、これまでのシリーズに比べて格段に多くなっています。『アビス』では、4体くらいまでしか同時に出なかったのですが、今回は小さい敵だったら7、8体出てきますし。あと、いままで出せなかったような巨大な敵も登場します。エフェクトもキレイになっていますよ。

――それは楽しみですね。

樋口 今回は、戦闘システムそのものより、戦闘準備の方に力を入れたバランスになっていて、かなり本格的な武器の合成要素を用意したんです。フィールドで集めた素材と武器を合成することで強力な武器が生み出せますし、スキルを習得するためにも武器集めがかなり重要な要素になります。

――ユーリとエステルは、それぞれどんな戦いかたをする?

樋口 ユーリは剣や斧で、エステルは剣やワンドを使って戦います。

――ユーリは、これまでのシリーズと同じような剣技を使って戦っていくことになる?

樋口 はい。すでに公開してるムービーで、使っていますけどね(笑)。エステルのほうは、簡単に言えば魔法剣士ですね。彼女は、ある事情により帝国に軟禁されていて、またある事情により教育を受けているんです。その教育の過程で、剣の使いかたも教え込まれたんです。ふつうに、剣士として戦えるくらいの実力はあるのですが、加えて治療術も使えるんですね。

――エステルの使う治療術は、エアルと関係があるのでしょうか?

樋口 あります。基本的に術は、ブラスティアがあれば使えるんです。

――エステルは、バランスのいいキャラクターのようですね。

樋口 回復専門ではなく、前に出て戦えるキャラクターになっています。

 


――城内のシーンの画面の女性が、軟禁されているときのエステルですね?

樋口 序盤のワンシーンですね。このシーンは、城内にユーリが潜入したときに、たまたま遭遇した感じです。ふたりの出会いのシーンになります。エステルは城から出ることができないので、とにかく外の世界に興味があるんです。本ばかり読んでいたので、知識だけはあるのですが……。ゲーム中、急にウンチクを語り出すシーンが、けっこうおもしろいと思いますよ。吹き出しが四角くなっているのが、エステルが説明口調のときになります。吹き出しを使った表現というのは、『テイルズ オブ』シリーズで新しい挑戦になりますね。

――「行ってきます」と言っているシーンは?

樋口 街から出るときに、下町のみんなに言っているんですね。旅立ちのシーンになります。彼女は、出会って少ししか経っていないのに、気軽に挨拶しちゃうような自由奔放な性格なんです。

――しっかり者のユーリとは、バランスが取れている感じですね。

樋口 天然なエステルのせいでマズイ状況になってしまうことが何度かあるのですが、そのたびにユーリは叱っていくことになります。ボケとツッコミのような関係に近いかもしれないですね。

――ユーリは、まるで保護者ですね(笑)。

樋口 さきほど言いましたように、成長するのはユーリではなく、エステルを含めた仲間たちなんですね。

――腹ごしらえに関して話しているシーンがありますが、やはり"料理"に関係している?

樋口 当然、料理はあります。ここは、料理のチュートリアルになります。たとえば『デスティニー2』は、料理をしないと難しいというバランスになっていたのですが、今回は『シンフォニア』、『アビス』と同じく、料理をすれば楽になるよ、というバランスにしています。

――ユーリとエステルが本を読んでいるシーンがありますが、この本はモンスター図鑑?

樋口 そうですね。これも、モンスター図鑑のチュートリアル的なシーンになります。『アビス』のときは時間の都合で入れられなかったので、つぎは入れたいと思っていたんです。Xbox 360の"実績"にも絡んできます。

――ほかにも、シリーズおなじみの"スキット"システムは……?

樋口 おなじみのシステムはすべて網羅していますよ。いい意味で"いつもどおり"なシステムになっています。

 


――ユーリが連れている生き物が非常に気になりますが……。隻眼ですし、キセルもくわえている。

樋口 それにはすべて理由があるんです。

――これは犬でしょうか?

樋口 最後まで犬です(笑)。こう言っておかないと、最後に人間になるんじゃないかって期待する人もいると思いますので。この犬は、自分のことを犬とは思っていないんです。しかし、人間でもないと思っている。"自分"という特殊な生き物だと思っている、勘違いなところがあるんです(笑)。

――パーティーのマスコットキャラクター的な存在なのでしょうか?

樋口 じつはこの犬は、正式なパーティーメンバーなんです。ちゃんと戦いますよ。

――戦闘でプレイヤーが操作することも?

樋口 可能です。じつは、犬を操作できたらおもしろいよね、というところからこのキャラクターはスタートしたんです。そのためにいろいろ設定を考えたのですが、それがうまく物語にハマったと思います。

郷田 冗談でジャンル名を"犬と旅をするRPG"とか言っていましたし(笑)。

――最初から最後まで、犬と冒険ができてしまう。犬好きにもたまらないRPGですね。

樋口 戦闘では使い勝手がよくて……、打たれ弱いけど攻撃力が高いんです。強すぎるんじゃないかと、ちょっと現場で問題になっているんですけどね(笑)。

――犬はキセルを武器に戦う?

樋口 剣を口にくわえて戦います。背中に背負った剣をどうやって抜くんだ、というツッコミが入りそうですが(笑)。

――"魔神犬"とかいう技を使いそうですね。"剣"ではなく"犬"という字の。

樋口 鋭いですね。そう言われると、やってよかったなと思います。ふつうそうしますよね(笑)。

 


――少年とゴーグルを頭にかけた女性は仲間でしょうか?

樋口 パーティーメンバーですね。序盤から仲間になります。

――パーティーメンバーは、最終的に何人くらいに?

樋口 これまでのシリーズと同じくらいのボリュームになりますね。

――ゴーグルの女性が、何かに向かって作業をしているようなシーンがありますが……。

樋口 女性が向かっているのは、術式を入力、もしくはどのような術式が彫られているのかを解読できる端末になります。

――パーティーに彼女がいれば、術式の入力や解読が行えるわけですね。

樋口 この世界でこういうことができる人は少ないですけどね。彼女は希有な存在なわけです。

 


――今後の『テイルズ オブ』シリーズは、基本的に3Dになっていく?

樋口 2Dにすると、3Dよりも見せるのが難しいという作り手側の事情もありますが……。私見ですが、据え置き機の『テイルズ オブ』シリーズは、3Dになっていくでしょうね。もちろん、携帯ゲーム機や携帯電話では、2Dの流れは消えないと思います。

郷田 どのハードで何をやっていくのかとういう選択になってくると思いますね。

樋口 『レジェンディア』は、見た目は3Dですが、戦闘など中身は2Dでしたからね。

――最後に、ファンに向けてメッセージを。

樋口 プレイステーション2をお持ちでしたら、まず『アビス』をやっていただければ、肌に合うかどうかわかっていただけると思います。個人的な見解ですが、『アビス』というのはひとつの到達点だと思っているんです。『ヴェスペリア』は、『アビス』の全体の構造を持ってきたような形になっているんです。『テイルズ オブ』シリーズは、戦闘はアクションになっているので飽きにくく、話もわかりやすくなっていますので、Xbox 360のユーザーの方にも楽しんでいただけると思います。深く考えずにプレイしていただきたいですね。

郷田 『テイルズ オブ』シリーズがこれまで支持されてきた理由は、ほかのRPGとちゃんと差別化されているという点だと思うんです。僕が思うに、『テイルズ オブ』シリーズは"アニメRPG"なんです。まさにそのアニメRPGが、今回の作品で実現できると思います。Xbox 360のユーザーさんは、こういうテイストのゲームをあまりプレイしたことがない人も多いかと思いますが、画面もキレイですしボリュームもありますので、満足していただけると思います。アクセスも速いですから快適ですよ。樋口にプレッシャーをかけているんですけどね(笑)。ぜひ遊んでみてください。 

 

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