HOME> インタビュー> 『不思議のダンジョン 風来のシレン3 〜からくり屋敷の眠り姫〜』について語る開発陣のインタビューを全文掲載!
●レベル継続の真相&新要素などを直撃!
道具や敵の配置、ダンジョンの構造が毎回変わるダンジョンRPG『風来のシレン』シリーズの最新作! Wiiで発売される『不思議のダンジョン
風来のシレン3 〜からくり屋敷の眠り姫〜』は、従来のシリーズと違いレベルが継続されるようになっている。これまでは、ダンジョン内でモンスターなどに倒されたりするとレベルや道具などがすべてリセットされてしまうというシステムだったのだが、これを倒されてもレベルが継続するようにしたということ。コアなユーザーは気になる、レベル継続にした理由、そしてそのほか『シレン3』の気になる要素について、同作のプロデューサーでシリーズの生みの親である中村光一氏とプランナーの梅谷博愛氏にインタビューを行った。その全文をここに掲載する!
|
プロデューサー |
チュンソフト代表取締役にして、本作のプロデューサー。『風来のシレン』シリーズなど、ダンジョン探索型RPGの伝導者だ。 |
ゲームデザイナー |
2003年11月チュンソフト入社。本作ではゲームデザインを担当。代表作は、『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』、『不思議のダンジョン 風来のシレンDS』など。 |
――本作では、レベルが継続されるようになったということなのですが、その理由は……?
中村光一(以下、中村) レベル継続と言っても、ずっと継続というわけではないです。レベルが継続されるダンジョンもあるし、従来のようにレベル1から始まって、アイテムの持ち込みをオーケーにしているダンジョンもあれば、そうではない、まったくゼロからのダンジョンもありますので。ただ今回、メインとなるシナリオが非常に充実していますので、そちらを楽しんでもらうときには、基本的にはレベル継続のダンジョンに挑んでもらう形にしています。
――シナリオを見せるための、レベル継続?
中村 そのためではないですが、レベル継続のほうがドラマチックな展開ができるかな、という意向はありますね。とは言っても、物語の途中には、レベル1からのダンジョンもありますので、従来どおり楽しんでいただけるはずです。
――そのレベル1からのダンジョンのひとつが”どこでもダンジョン”というわけですね。
中村 そうですね。レベルが毎回1からになって、”どこでも”というか、”どのタイミングでも”行くことができるダンジョンです。そのダンジョンから、道具やギタンを集めて持ち帰ることができたりするわけです。
――そこに、レアな道具があったりは?
中村 本編とは違うテイストの道具や、本編で役に立つようなものが手に入ることもあります。
――ちなみに、レベル継続に関しては賛否両論ありそうですが? コアなユーザーさんは「何だとコノヤロー!」って思ってしまいそうで(笑)。
中村 毎作品、しっかりとクリアーされている強力な”シレンジャー”の方々はたぶん、そう思われるかもしれませんね(笑)。ただ、一方で難しすぎてなかなか最後まで行けないという声も多いんです。ですから我々がエンディングとしている、中間点みたいなところ(笑)までは、皆さんに楽しんでいただきたいかなと。
――なるほど。
中村 ただ、そうは言ってもレベル継続を前提にバランスを取っていますから、さきのダンジョンに行けば、最初から強い敵が出てきます。当然難度も高く設定していますし、道具がなくなってしまったら、どこでもダンジョンなどで、ある程度貯め込まないといけなくなります。そういう意味では、従来のような毎回毎回のスリル感は薄れるかもしれないですが、レベル継続ならではの難しさというのは出せていますよ。
|
|
仲間キャラクターの操作や新システム |
――ワールドマップがけっこう広いですが、各地にダンジョンがあるという感じなんでしょうか?
梅谷 ダンジョンや町などがある、ということです。
――もちろん、最初からどこにでも行けるわけではないんですよね?
梅谷 イベントとともに行ける場所が増えていくイメージですね。
――『3』になってシレンたちの等身が変わりましたが、その理由は?
中村 今回のシレンは、いままでのシリーズの中でもいちばん年齢が高いんです。と言っても、青年なんですけれど(笑)。ただ、従来に比べ、より大人らしくなったというのが理由のひとつにあります。もうひとつはハード的にも、より緻密な表現ができるようになってきたということですね。そこでキャラクターもリアル路線にしてみよう、と考えました。
――今回のシレンは2刀流が可能ということですが、2刀流で攻撃するときは、1回の攻撃で2度攻撃できるんですか?
梅谷 1回で2度ですね。
――攻撃力自体が低くなっているということはないのですか?
中村 それはないです。ただ2刀流にすると、盾を持てないので1回攻撃されてしまうとダメージがデカい、というリスクがあります。その辺りを考慮に入れながら、モンスターによって持ち替えたりと、戦略を変えてプレイしていただければと思います。
――また、細かい戦略が必要そうですねぇ(笑)。
中村 いやいや(笑)。毎回変えるというよりは、ボス戦などで工夫してもらえれば、というところですね。
――操作キャラクターを変えられるようにした理由というのは?
中村 今回は、持ち物をひとつの道具袋に入れて、道具などを必要に応じて交換したりできるんです。これは二刀流などのシステムに関連しているんですけれども。たとえば、あるモンスターを倒すにはセンセーのほうが得意だといった場面があるので、操作キャラを変えて戦ったり、という戦術が使えるようになっています。また、ボス戦ではひとりひとり確実に行動したいという場合には、1ターンずつプレイヤーを変えて、コマンドを選んでいくといったことも自由にできるわけですね。
――なるほど。お話を伺っていると、モンスターごとにかなり特徴があるように思えます。
中村 そうですね……、ボスに力を入れています(笑)。
――あと画面を見ると、いっしょに連れているキャラクターに指示を出せるようなんですが?
梅谷 そうですね。各キャラクターに命令を出して、その命令に従った行動をしてもらうということもできますし、キャラクターひとりひとりを自分で動かすこともできます。余裕のあるところでは、命令を出して自由に動いてもらって、ヤバいときには自分が動かすという遊びかたをしてもらえればな、と思っています。
――今回追加された、道具成長システムにはどんなメリットがあるんですか? 使いかたの一例などが伺えればと思うのですが。
梅谷 たとえば、薬草がいっぱいほしいときに、薬草を道具成長させることで薬草の数を増やしたりとか。剣が弱いな、というときに剣をお供えすると剣を強化できたりといったような、冒険の補助になるようなシステムになっています。自分がいまほしい、と感じているモノを作り出すためのシステムですね。
中村 もうひとつは、長い目で見てプレイヤーがダンジョンを成長させるという意味合いもあります。たとえば、ある冒険のときにお供えしておいた道具が、つぎの冒険のときに同じ階まで行けばいいものになっているはずだから、あと少しだけがんばろうとか。
――そうすると、けっこう長いダンジョンがあったりもするわけですか?
中村 道具成長をうまく使うことがテーマになっているダンジョンもある、ということですね。あとはアイテムが複数余っていたときに、次回の冒険で役立てるために置いていこう、みたいな。でも、モンスターに荒らされてなくなっていて悔しい、といった『シレン』らしいハプニングもあるはずです(笑)。
|
|
ネットワークを使った要素 |
――本編に関係のない要素も用意されているとのことですが。
梅谷 まぁ……いろいろ(笑)。いままでのシリーズで言うと、フェイの問題みたいな感じで、詰将棋とはまた違うんですけれども、ミニゲームを用意したりはしています。
――それは、ダンジョンを使ったものになるのでしょうか?
梅谷 ダンジョンを使ったものもあれば、村人に話しかけると遊べるような、ちょっとしたお遊びですね。いつもはイベントが起こるとダンジョンに向かうという流れだったんですけれども、そうではなくて。ちょっとRPGチックな、お使いのような要素も入っています。
――風来救助は、ニンテンドーWi-Fiコネクションでネットに接続しているほかのユーザーが助けにくるという形になるんでしょうか?
梅谷 基本はそうなります。ただ、従来のようにパスワードでもできるように対応はしています。
――Wiiはフレンド登録ができますが、それを使った要素というのは?
梅谷 今回はWiiConnect24を使った要素を取り入れています。たとえば僕が「助けてー!」ってサーバーにデータを上げたときに、フレンドになっている人のところに同時にメールが送付されるんです。ですからWiiの掲示板を見れば、友だちが助けを求めていることがわかる、という流れですね。
――自宅に帰ってきたらWiiが光っていて、見てみると助けを求めるメールが来ているみたいな。
梅谷 そうですね(笑)。逆に自分が救助されていることがメールで届いている、みたいなこともあります。
――ほかにネットワークを使った遊びというのはあるのでしょうか?
中村 ネットワークを使った特別な遊びというのは用意していないんですけれども、ダンジョンをあとからダウンロードできたりということは考えています。
――それはいままでにないようなモノだったりとか?
中村 そうですね。
――最後に、ユーザーの皆さんにひと言お願いします。
中村 今回は、レベル継続の部分もありますし、従来どおりのきびしいおもしろいダンジョンも用意しています。ぜひ期待していただければ。
梅谷 今回の『シレン』はレベル継続となってはいるのですが、レベル継続ならではのおもしろさもあり、レベル1からのダンジョンでも、いままで以上に難しいダンジョンにしていますので、皆さん楽しみにしていただければな、と思います。よろしくお願いいたします。
|
|
不思議のダンジョン 風来のシレン3 〜からくり屋敷の眠り姫〜 | |
発売日 |
2008年6月発売予定 |
価格 |
7140円[税込] |
テイスト/ジャンル |
冒険・ダンジョン/RPG |
備考 |
ニンテンドーWi-Fiコネクション対応、開発:チュンソフト |
この記事の個別URL
ソーシャルブックマーク
その他のニュース

海外の新作ゲーム発表イベント“Summer Game Fest”、ニコ生で同時通訳付き生放送が決定。6月9日(金)4時に配信
ドワンゴは、2023年6月9日(金)4時より開催される新作ゲーム発表イベント“Summer Game Fest”について、日本語同時通訳付きで生放送することを発表した。その直後に開催されるインディーゲームの紹介番組“Day of the Devs: Summer Game Fest Edition”も同時通訳付きで放送される。

【週間PVランキング】Netflix実写ドラマ『ワンピース』リアルなゴーイング・メリー号に首ったけ。『ドラクエモンスターズ』新作発表もアツい【5/26〜6/1】
ファミ通ドットコムで2023年5月26日〜5月27日に掲載した記事の週間ページビュー(PV)ランキングTOP10をお届け。

『バンジョーとカズーイの大冒険』セイウチ姿のバンジョーがフィギュア化。透明なABSパーツを使ったエフェクトやドクロの台座で変身シーンを再現
豆魚雷は、『バンジョーとカズーイの大冒険』より、“バンジョーとカズーイの大冒険/ セイウチ・バンジョー スタチュー”の予約を開始した。

『FF16』プレローンチイベントが6月12日7時(日本時間)からロサンゼルスで開催。TwitchとYouTubeで配信予定
『ファイナルファンタジーXVI』のプレローンチイベントがアメリカ・ロサンゼルスで開催される。

“モンスターエナジー缶500ml”が6月6日より発売。オリジナルTシャツやボディバッグが当たるキャンペーンも開催
モンスターエナジーは、2023年6月6日よりアメリカで定番サイズの“モンスターエナジー 缶500ml”を発売する。

『ゴールデンカムイ』×サンリオカフェが6月16日より順次開催。仕上げが豪快すぎる“牛山とこぎみゅんのオムナポリタン”がすごい
2023年6月16日より、『ゴールデンカムイ』とサンリオキャラクターズのコラボカフェが、THE GUEST cafe&diner 心斎橋店、池袋店、名古屋店の各店舗にて順次開催される。

LGゲーミングモニター『27GR75Q-B』6月上旬に発売。応答速度1msのIPSパネル、165Hz対応の27インチモニター
LG UltraGearTMシリーズより、新モデルとして27インチの『27GR75Q-B』6月上旬より順次発売。色の変化が少ないIPSパネルで、165Hzの高リフレッシュレートと1msの高解像度で速さも備えている。HDMI接続でも可変リフレッシュレートに対応し、コンソールゲームにおいても性能を発揮できる。

『ケロロ軍曹』の作風にピッタリ! ポップでキャッチーなOP曲『ケロッ!とマーチ』を歌う意外な人物とは?【YouTubeでアニソン】
本稿ではYouTubeなどで見られる新旧のアニソンから1曲をピックアップし、その歌にまつわるちょっとした情報をお知らせ! 今回ご紹介するのはアニメ『ケロロ軍曹』のOPテーマ『ケロッ!とマーチ』です。

『呪術廻戦』パンダ(ゴリラモード)のフィギュアが予約開始。逆立つ毛並みや右手に宿る呪力エフェクトなど戦闘中の荒々しさを再現
eStreamのフィギュアブランド“SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE”は、テレビアニメ『呪術廻戦』パンダ(ゴリラモード)1/7スケールフィギュアの予約を開始した。

『ディアブロ 4』インタビュー。壮大な戦いに巻き込まれる人間の苦悩に、ある登場人物が使っていた武器。“生きている”世界をディープに楽しむ視点
2023年6月6日発売の『ディアブロ 4』について、ゲームディレクターにインタビュー。本作の世界がいかにプレイヤーを楽しませてくれるものか、開発や仕様の意図について訊いた。