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クリエーターインタビュー【4】『The 3rd Birthday(ザ・サード・バースデイ)』

2007/10/22

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●携帯電話で、アヤが復活する!!

 スクウェア・エニックス往年の名作『パラサイト・イヴ』シリーズの後継作が、携帯電話用のゲームアプリとして登場する。タイトルは、『The 3rd Birthday(ザ・サード・バースデイ)』。

 超豪華スタッフが集い、製作を進めている同作。この作品について、本誌週刊ファミ通2007年10月12日号(2007年9月28日発売号)では、開発陣にインタビューを敢行した。そのインタビューの全貌を、ファミ通.comでお届けしていくぞ。
 

ザ・サード・バースデイ


――今回の作品を立ち上げた経緯は?

 

北瀬佳範(以下、北瀬) もともと『パラサイト・イヴ』の続編の企画は何度となく話題に上がっていたんです。

田畑 (以下、田畑) 以前から野村が「アヤ・ブレアというキャラクターをきちんと立ち上げ直したい」と言っていたんです。そして『クライシス コア -FFVII-』の完成が見えたころに、改めて企画を提案されました。それをきっかけに開発の準備を進めて、今回の発表にいたりました。

野村哲也(以下、野村) やりたかったのは、テレビドラマのような感じです。本格的なサスペンスの続きが気になる感覚をゲームで見せたいんですね。

鳥山 (以下、鳥山) シナリオチームへのオーダーとしては、”毎回が最終回”のような盛り上がりかたで書いてくれという要望でしたね。そこに前回のダイジェストや次回予告もつけて、連続テレビドラマのように見せます。

 

――いま想定されている1話あたりのプレイ時間はどれぐらいでしょう?

 

田畑 人の進めかたや腕前で左右されると思いますが、だいたい1〜2時間ぐらいにする予定です。それを連続ドラマのように楽しんでもらうため、逐次配信できる環境が整っている携帯電話に向けた開発となりました。また、今回の作品は正確に言うと『パラサイト・イヴ』の続編ではなく、それまでの設定を引き継いだ新作という位置づけです。

 

――なるほど。それでタイトルも大きく違うわけですか。

 

野村 アヤの3度目の登場である点と、設定を一新したことを考えて、いまのタイトルになりました。

 

――ロゴのバックにある”3”の文字は、数字の3にも見えるし、バースデーのBにも見えますが、どんなことをイメージしながら作られたのですか?

 

野村 僕の手元に最初にデザインが届いたときにはふつうに”3”だったんです。でも、多面的な見せかたもできそうだったので、左端に線を入れて、より具体的にBにも見えるような、いまのデザインにしてもらいました。


 

ザ・サード・バースデイ

――今回のイラストでこだわった点やコンセプトはありますか?

 

野村 アヤはセクシーなだけでなく、かっこよさも持ち合わせているキャラクター。そこにアヤが抱える喪失感を盛り込んでいます。あとは、いままでのアヤの初出のイラストは、すべて正面向きで銃を持っている構図でしたので、今回もその伝統を踏襲しています。

 

──伝統は踏襲しているけれども、設定は一新されているということですが、もはやミトコンドリアなども登場しないのでしょうか?

 

鳥山 そうです。ただ、アヤが持つ特殊な能力の影響で、彼女は20代のままの体をもっていますが、実際の中身は35歳ぐらいなんですね。そもそも30代の女性をちゃんと主人公として描ける機会はあまりないので、カッコいい大人の女性の考えかたや生きざまをキッチリ描写していきます。物語の軸は、アヤが失ったものを取り戻していく話です。

田畑 今回、かなり深みのあるキャラクターとしてアヤを描く予定ですし、物語も練り込んでいます。ですからスタッフ一同、最初から携帯電話に登場させてそれでおしまいとは誰も考えていません(笑)。

 北瀬 前作からけっこう間が開いているので、アヤというキャラクターを再誕生させ、大事に育てていきたいんです。これが成功すれば、プロジェクトがもっと広がる可能性があるので、ユーザーの皆さんもいっしょに育ててくれたらなと思います。

鳥山 『パラサイト・イヴ』ではなく『アヤ・ブレア』シリーズですね。

 

──アヤは大人気ですね(笑)。

 

田畑 はい。みんなアヤが好きみたいですね。

 

――音楽はどなたが担当されるんですか?

 

田畑 下村(※1)さんです。
 

※1:下村陽子氏。『パラサイト・イヴ』や『キングダム ハーツ』などの楽曲を手掛けた。

 

野村 ほかにもいろいろな作品の曲をお願いしているところだったので、忙しいから無理かな、と思いつつ尋ねてみたところ、快諾してもらえたようです。『パラサイト・イヴ』の音楽も彼女なんですね。

 

――野村さんはアヤのイラストを描き続けているわけですが、ほかのキャラクターとは違った思い入れなどはありますか?

 

野村 思い入れというよりは、アヤとは妙な縁があるんです。毎回最初にアヤの絵を描くのは僕ではないんですよ。

 

──そうなんですか!?

 

野村 『パラサイト・イヴ』のときは、ほかのデザイナーが描いていて。あるとき坂口(※)さんから描き直しを依頼されたんですね。そのとき坂口さんからは別の仕事も頼まれていたので、そちらのキャラクターのことかと勘違いしたまま描いたのがアヤなんですよ。

鳥山 そうなんだ(笑)。

野村 『2』のときは、また別のデザイナーが途中まで進めていたのですが、諸事情でまた自分が急遽描くことに。だから、自分の意思で描こうと思ったのは今回が初めてですね。

 

──そんな事情があったのですね。それにしても今回は、とても豪華なメンバーですよね。

 

田畑 「こういうことがしたいんだけど」、とセクションのまとめ役たちにスタッフの相談をすると、つぎつぎ「自分がやる」と言われます。鳥山も上国料もそうやって参加しています(笑)。

 

――上国料さんは、『ファイナルファンタジーX』や『ファイナルファンタジーXII』で南国的な舞台を描いていますが、今回は大都会のニューヨーク。キービジュアルもおもしろい雰囲気ですね。

 

上国料 (以下、上国料) 写真のように再現してもおもしろくないので、ニューヨークにアヤの心象風景をプラスしてふつうとは違う描きかたをしました。上半分が昼で下半分が夜のイメージ。この手法で背景も進めようかなと思っています。

 

――スピード感に溢れていますね。

 

上国料 今回は”時間”がテーマですので、大都市のせわしない早送りのようなイメージを入れ込んでみました。

 

──自由の女神が崩壊しかけてますが……。

 

野村 そこはツッコミどころです(笑)。

上国料 (笑)。これは物語の断片を入れてみました。そういった事件性も入れ込んでいます。

 

※2:坂口博信氏。『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親として知られるゲームクリエーター。株式会社ミストウォーカー代表。『パラサイト・イヴ』ではプロデューサーを務めた。

 

――携帯電話用ということで気をつけた点は?

 

上国料 やはり携帯ゲーム機と比べても画面が小さいので、見てわかる大きさでデザインする、ということは意識しました。あとは現実の世界が舞台なので、いろいろと現実のものを調べながら描いています。なにしろ現代劇は初めてなので、僕自身、どう進めていこうか楽しみです。

 

――現状の画面は横長ですが、『キングダムハーツ コーデッド』と同様、機種に合わせたサイズ調整を考えているんですか?

 

田畑 今後のハードウェア環境次第だと思いますが、基本的にはいまの比率で作っています。

 

――このクオリティーで楽しめるということですよね。

 

田畑 そうです。ただ、ドラマシーンはケータイのスペックに依存しない形で作ると思います。

 

──なるほど。一方の鳥山さんにお尋ねします。”ツイステッド”や”オーバーダイブ”などの意味は?

 

鳥山 ツイステッドは、時間の歪みの中から生み出された生物です。どういうものなのかはまだ秘密。オーバーダイブは、物語の観点から言うと、リアルタイムで進行するドラマの時系列を、さらに複雑に進化させるギミックとして登場します。

 

――アヤが時間の流れを逆行させたりするのですか?

 

鳥山 そうですね。そこは……そうかもしれない(笑)。

野村 オーバーダイブは、アヤのために考えた新システム。かつて体験したことのない感覚で遊べます。

 

――オーバーダイブは戦闘で使うものなのですか?

 

田畑 物語上でもすごく重要であり、戦闘システムにも関係します。ともあれ時の歪みは重要なキーワード。そこから想像してください。

 

――配信ペースはどれくらいになるんでしょう?

 

田畑 いまのところ隔週で配信しようと考えています。月に1回だと間が開きすぎる。連続ドラマを見ている感覚が崩れないようにペースを考えています。

 

――携帯電話ならではの通信機能を使った要素が、『ビフォア クライシス -FFVII-』でもありましたが、同様の遊びを盛り込む予定は?

 

田畑 ゲームにはもちろん盛り込みますよ。

 

――それは他のユーザーと何かをやり取りする?

 

田畑 そうですね。携帯電話の特性は活かしていくつもりです。たとえば、各プレイヤーがオリジナルのキャラクターを持てて、でもそのカスタマイズには他のプレイヤーのゲームプレイが必要になる、とか。

野村 自分のキャラクターの成長をほかのプレイヤーに手伝ってもらえる、というようなことも考えています。

 

――配信開始はいつぐらいを想定していますか?

 

野村 来年のどこかではベータ版を出すつもりです。

田畑 さきに体験版を配信するかもしれませんね。年内に追加情報をお見せできればと思っています。皆の強い思い入れのあるキャラクターなので、今回の発表を知ったユーザーさんたちの想像を、いい意味ではるかに上回る素晴らしいものにするという目標で作っています。大いに期待してください。

野村 すごいサプライズを隠していますので、続報を待っていただければと思います。

 

この豪華メンバーなので、ついでに突っ込んで聞きました
”ファブラノヴァ クリスタリス”!

 

──『ファイナルファンタジーXIII』の東京ゲームショウでの映像は?

 

鳥山 『XIII』は、いままでのふたりとはちょっと異質な感じの女性キャラクターを公開しています。あとはコクーンの中の都市を見せています。

 

──アートデザインは、どこに気をつけて?

 

上国料 さきほどの女性にも関連しますが、いままでの『ファイナルファンタジー』の中でも珍しい要素が登場するので、バランス取りが難しいですね。

 

──『ヴェルサスXIII』はどうでしょう?

 

野村 もともと作りたかった映像のイメージに、今回ようやく追いつきました。新しくおもなキャラクターがふたり登場しますが、おそらく年内までの映像は、一度リセットすることになると思います。というのも、いままで主人公のデザインは仮でしたので、来年からは本編で登場するものがお見せできるのではと。

 

──映像にあった荒野のような場所や、街はどこをイメージしたものでしょう?

 

野村 今回はイタリアです。映像の途中に現われる言葉もイタリア語。テーブルについていた男たちもマフィアっぽい雰囲気ですよね。

 

──最後に『アギトXIII』は?

 

田畑 『アギトXIII』はハードの能力や通信の仕様などの具体化を待っています。コンセプトは、中世風の戦記物をこれまでの『ファイナルファンタジー』のノリのまま、カジュアルなオンラインゲームにすること。気軽に遊べる環境の整備が必須なので、情報の出しかたも慎重になっています。とはいえ来年には、一気に情報をお届けできると思いますよ。

野村 『アギトXIII』は、『XIII』や『ヴェルサスXIII』に比べると地味な印象でしたが、それを払拭する発表をあらためてしようと思っています。

 

The 3rd Birthday(ザ・サード・バースデイ)
携帯電話(FOMA) スクウェア・エニックス

配信日

未定

価格

未定


※このインタビューは、週刊ファミ通2007年10月12日号(2007年9月28日発売)を再構成したものです。

 

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