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『十次元立方体サイファー』の菅野ひろゆき氏に直撃!

2007/2/2

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●プレイステーション2版の変更点を直撃!

 

 昭和の時代を色濃く残す館"月光館"を舞台にした『十次元立方体サイファー 〜ゲーム・オブ・サバイバル〜』。本作はPCで好評を博した推理アドベンチャーゲームの移植作で、これまで数々のヒット作を手掛けてきた菅野ひろゆき氏が、企画・脚本・ゲームデザインを担当しているのだ。そんな菅野ひろゆき氏に、ミステリーのこだわりやプレイステーション2版の変更点などを聞いてみたぞ!

 

株式会社アーベル
代表取締役社長
菅野ひろゆき

ミステリー色が強く、予測不可能な展開の作品を数多く生み出している人物。代表作は『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』、『エクソダスギルティー』、『EVE burst error』などがあるぞ。

 

――まず、菅野さんのミステリーに関するこだわりをお聞かせください。
菅野ひろゆき(以下、菅野) ミステリーノベルもそうなのですが、読者に手掛かりを与えて、犯人を推測させるという作法が大切だと思うんですよ。
――それが大前提だと?
菅野 そうですね。読者に挑戦というわけではないのですが、ある程度のところでコイツが犯人だと思わせるような手掛かりが提示される。このプロセスがないとダメですね。
――なるほど。これまでの菅野さんの作品にもこの手法が?
菅野 はい。最初から犯人がわかっているのは、ミステリーではなくサスペンスですから。
――今回の『サイファー』もミステリー作品ということで、自分で謎を推理していく要素が?
菅野 そうです。ミステリーであれば、ある程度の手掛かりを与えてユーザーに考えさせる。さらにゲームであれば、ユーザーの参加を促さなければならない。ユーザーが参加することによって、謎を解きほぐす手掛かりを、ユーザーみずからが捜していく……。ノベルだと単方向の情報発信ですが、ゲームミステリーではユーザーもアクティブに参加し、謎を捜していくというのが醍醐味になります。
――コマンド総当りでなんとかなるわけではなく?
菅野 コマンド総当りのアドベンチャーは、ミステリーではないですよね。基本的には、謎を解かないと先に進めないようにはしてあります。意地悪なフラグ立てのようなものはやらなくなりましたね。作るのたいへんですし(笑)。

――タイトルの『十次元立方体』というのは、どういう意味が?
菅野 幾何学的な謎を積み重ねていった、ミステリー物を表現できたらいいなと思ってつけました。謎が10人分積み重なっていったという意味が込められています。
――PC版からの移植にともなって、サブタイトルが『蒼き月の水底』から『ゲーム・オブ・サバイバル』に変更されていますよね。これにはどういう意図が?
菅野 "サバイバル"というゲーム内容を、より直接的に伝えたいということで変更しました。タイトルを見たときに、ある程度内容を推測できるようにしたかったんです。
――確かにサバイバルな雰囲気になっていますよね。ゲームオーバーになることもありますし。
菅野 リアルタイムですから、ゲームを放置しておくと、ゲームオーバーになったりします(笑)。
――本作の設定は、どういった経緯で生まれたのでしょうか?
菅野 最初は、絵描きのすぎやま現象さんから企画があがってきたんです。その企画をもとに、外のライターさんにシナリオを頼んだのですが、いろいろな経緯があって、僕がシナリオとゲームデザインをやることになりました。せっかく先生から企画があがってきたのだから、ものすごくおもしろくしてやろうと。初稿のシナリオは残念ながら……。
――お蔵入りと。
菅野 けっきょく自分が最初から書くことになって、先生とやり取りしながら作っていきました。
――サバイバル物というのは、すぎやまさんのアイディアから生まれたんですね?
菅野 どうでしょうね。まず、キャラクターありきで、「こういう雰囲気のこんなゲームはどう?」というお話をいただいたんです。最初は、本当に漠然としたものでした。キャラクターが10人くらいいて、人が減っていったり不可解なことが起きてくという。
――ストーリーは、PCからプレイステーション2に移植されるにあたって変更は?
菅野 今回の移植は、修正が多かったですね。昔、男性にひどい目に遭って男性不審になってしまったとか、もちろんエッチなシーンもですけれど、そういうところを全部別のイベントに差し替えてありますね。
――いままでの移植に比べて、かなりたいへんだった?
菅野 はい。だいぶ変わっていると思いますよ。
――謎そのものに変更は?
菅野 そうですねぇ……。最近はネットで情報を交換するじゃないですか。ですから、情報交換しても答えがわからないように、謎の内容がランダムで変わるようしているんです。ネットとかで、「ハイ解答」って載っちゃうのがイヤなんですよ。自分で解いてもらいたいので。
――というと?
菅野 謎が出てくるポイントは同じなのですが、内容が変わってきます。暗号の内容が違うとか、謎解きの文章自体が違うとか。待ち合わせをするにも、プレイする人によって時間が違ってくるんです。ですから、ネットで何時何分というように答えを書くことができない。
――解法のレクチャーのようなことしかできなくなると。
菅野 じつは、PC版にはふたつの大きなルートがあるのですが、そのルートも最初にインストールしたときにランダムで決定されるんです。ですから、ある人がエンディングがこうだったって言っても、オレは違うエンディングだったということがあるんです。
――なるほど。
菅野 ひとつの謎に対して、だいたい5つくらい種類がありますから。すべての謎がランダムで決定されるので、組み合わせになるとけっこうな数になりますよ。
――そういった要素はプレイステーション2版では?
菅野 もちろん健在です。

――プレイステーション2版には新たに、『ミステリート』の主人公の八十神かおるが登場しますが、ストリーにどのような影響が?
菅野 かおるがどういうタイミングで、どのように関わってくるかは、いまのところシークレットですね。
――ふたつのルートで出てくる?
菅野 それもまだシークレットです。ただ、かおるが出てくるので、『ミステリート2』の伏線になっていると思いますよ。『ミステリート』をプレイしていないユーザーさんもいると思いますので、あまり『ミステリート』との関わりは強調しません。ただ『ミステリート2』への伏線はかなり出るでしょう。
――PC版からイベントCGが描き直されていると思いますが、具体的にはどのくらい?
菅野 4、50枚はありますね。それだけでも、新作1本分くらいの労力かけてますよ。
――金谷阿佐美というキャラクターは移植に際して雰囲気を変えたとのことですが、その理由は?
菅野 シナリオをある程度変更せざるを得なくなりまして、その変更に合わせて、キャラクターデザインも変えたほうがいいのではないかと思ったからです。PC版ではどちらかというとアクティブな感じでしたが、プレイステーション2版はお嬢様っぽい雰囲気があると思います。
――見た目だけでなく性格も変わった?
菅野 そうですね。全体的にも、PC版はすごく重い雰囲気でしたが、今回はそれほど重くないですね。
――PC版では18禁となってますが、プレイステーション2版は?
菅野 15歳以上対象くらいになるかも。
――エッチなシーンは抑え目になって残っている?
菅野 はい。お風呂のシーンなんかもありますよ。しかし、原画を描き直して、15歳以上対象にふさわしいものになっています。
――お風呂を覗いてゲームオーバーになるのは残っている?
菅野 今回は家庭用となりますので、ギャグっぽい形で残せたらと思っています。
――ほかにもゲームオーバーになるパターンはけっこうありますか?
菅野 ありますよ。ゲームオーバーの種類は、40から60個くらいはあるんじゃないかな? 全部見ていないユーザーも多いんじゃないかな。
――ゲームオーバー捜しも楽しめそうですね。
菅野 おもしろいですね、それ! ちょっと考えておきます。
――エンディングに関して、PC版と変更は?
菅野 具体的にはまだ言えませんが、基本的に変更する予定です。

――システムについてお伺いしたいのですが、PC版にあったヒントモードは搭載されていますか?
菅野 いまのところ、搭載されないかも……。コンシューマのユーザーさんは、逆にちょっと難しくしてもいいんじゃないかと思っています。
――もしかしたら、かおるがヒントが出してくれるのではと思ったのですが。
菅野 それはないですね。かおるは、ちゃんとストーリーに絡んできます。
――本作の最大の特長でもある、"動的タイムリンク・システム"についてお聞かせください。
菅野 基本的に館の中にいるときは刻一刻と時間が進んでいって、ある時刻に何かをしなくてはいけないとか、何分か待っていると何かが起きるとか……。そういったことに使われるシステムです。時間は秒単位で過ぎていって、キャラクターが館内をつねに移動しているんですよ。ふつうのアドベンチャーとは、ちょっと違った楽しみを味えると思いますね。ちなみに時間によって、背景の月の位置も、ちゃんと移動させています。
――マップでキャラクターのいる位置が、リアルタイムに確認できるというのもおもしろいですよね。
菅野 キャラクターの位置は、脳波を計測する機器によって確認できるのですが、脳波が停止していたりすると何かあったのかと思いますよね? 脳波が止まっているのに部屋に入れなくて、入るには鍵が必要で、そのためには謎を解かなくてはいけないとか……。ユーザーに、切れ目なくゲームを楽しんでもらえるのではないかなと思います。ユーザーが自分でハプニングを見つけていくというプロセスを体験してほしかったんですよ。
――なるほど。
菅野 ですが、作るのはたいへんでしたね。誰が何時何分何秒にどこいてとか、全部書いていくんですよ。あとで自分が見ても、わからなくなってしまうんです。ですので、このイベントはこうだとか、すべてにコメントを記しながらシナリオを書いたりしてました。
――各キャラクターごとのタイムテーブルを、PC版のとき全員作ったんですね?

菅野 そうですね。主人公を除く9人分、全員作りましたね。ふつうにノベルを書いたほうが、ぜんぜん楽じゃないの、という感じでした。タイムテーブルも一気に書かないと忘れちゃうんですよね。
――プレイステーション2版ではかおるが増えましたが、つじつま合わせもたいへんなんじゃないですか?
菅野 そのへんは、いちおうまだシークレットということで……。でも、ちょっと変わった形でストーリーに関与してきますので、お楽しみに。
――追加システムなどは?
菅野 アイテムやマップのシステムも、画面構成は変わると思いますが、そのまま残っています。"コンバイン"も、とくにいじってはいないですね。
――時間を飛ばせる機能があれば便利そうですが……?
菅野 その機能は、PC版ではクリアーした特典として使用可能になっていたんですよ。時間を何分飛ばすとか、時間を10倍早く進めるといったことができるんです。その要素は、おそらくプレイステーション2版にも入ると思います。

――キャラクターの声は、プレイステーション2版には入る?
菅野 全キャラクターフルボイスで入ります。八十神かおる以外の声優は現在未定ですが、演技力を重視して選んでいます。たとえば翔子というキャラクターは、専門的な単語を使いながら感情を込めて話す場面が多いんですよ。ですから、ただ人気があるからって起用すると、たいへんなことになってしまうんです。作品のクオリティー重視で、流行の人気声優でなくても、うまい声優さんを選びたいと思っています。
――主人公にも声が入る?
菅野 ギャルゲーなんかの場合、主人公の声が出ないものが多いんです。しかし、本作はミステリーですから、主人公の感情などもユーザーに感じとってほしい。ですから、主人公もしゃべるようにしています。これまでの僕の作ってきた作品も、ほとんどの主人公がしゃべりますよ。
――中には男の声が聞きたくないという人もいると思いますが……。
菅野 キャラクターごとに声をオンオフする機能がついていますので、聞きたくない人も大丈夫です。

――最後に、ファンにメッセ―ジを。
菅野 現在『ミステリート2』も鋭意開発中ですので、それを期待している人はプレイしてほしいですね。あと、最近の緩いアドベンチャーに食傷気味な人もぜひ。クリアーするまで40時間くらいはかかりますから、夏休みとかにじっくりプレイするのに適していると思います。もちろん、どこでもセーブできるので、少しずつプレイすることもできます。どうぞお楽しみください。

 

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