桜井政博
1970年8月3日生まれ。有限会社ソラ代表。独立したゲームディレクター。代表作は『星のカービィ』シリーズ、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ。最新作はニンテンドー3DSの『新・光神話パルテナの鏡』。さまざまなジャンルのゲームを日々研究しつつ、ユーザーに新たな楽しさをもたらすゲーム開発に注力している。

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07 メニューをチェックしてみよう

週刊ファミ通2006年1月20日発売号掲載
VOL.138

収録巻はこちら!

桜井政博のゲームについて思うことDX


 

07 メニューをチェックしてみよう

 

 ハードディスクレコーダーを新調しました。はっきり言うとすんげー使いにくかった。リモコンは機能が絞られていないし、メニューまわりは各項目の意味がぜんぜんわからない……。どこもタイヘンなのでしょう。とくにああいうマシンの機能は肥大化してますから、アレもコレもと欲張ると、どうしてもヒトにやさしくなくなってしまう。いまの水準は、高いが低い。若いころから家電がキライになっても、やむを得ないよなぁと感じたりもします。
 家電には及ばないかもしれないけれど、ゲームだって、メニューや設定画面などでいろいろな"注文"を承るようになっているんですよね。考えようによっては、かなり複雑。そこで、自分が"メニュー"制作時に重視していることを一部書いてみます。どこかでだれかの参考になるかもしれないから。
●アイコン、色分けを入れる
 文字を読ませてやっと理解できるより、図形や色を見てパッと判断できたほうが良いというもの。絵と文字でわかりやすく。
●ボタン連打でゲームスタート
 タイトル画面から何も項目を選ばずにボタンを押しまくったとき、いちばん基本的なゲームが始まる設定にしておくのがよいでしょう。
●ひらがなを駆使する
 アタマにスッと入ることを主体にするなら、ひらがなをバランスよく使うのがオススメ。漢字で書けるところはすべて漢字、というようにはしないこと。また、英語のメニューが多すぎることに対する疑問を忘れてはいませんか?
●項目名は意訳風に
"シングルモード"よりは、"ひとりであそぶ"のほうがわかりやすいなぁと。世界観やジャンルに合わせる必要がありますけどね。
●ヘルプを入れ、用語は重複しない
 ヘルプとは、メニュー項目にカーソルを合わせると下に出てくる説明文のことです。まず、これがないメニューはあってはいけない。また、内容に気を配る必要があります。たとえば「セーブ/ロード」のヘルプが、「セーブやロードができます」では×。セーブやロードがわからない人のためにこそかみくだいて説明しなければ。
●必ずリアクションを返す
 ボタン入力があったら、必ず"了解"をアピールしましょう。色が変わるとか、音を出すとか。読み込みで止まるのはそのあと。
●ノーリアクションを防ぐ
 重複していいので、なるべく多くの、究極的にはすべてのボタンに対応したほうが良いです。注文受けたら無視はいけない。
●要らない項目は外す
 必要な機能がぜーんぶメニューに入っていればオーケー、というわけではないので、適度な絞り込みは必要だと思います。また、マニアックな選択肢はより階層が深いところで選べるようにしたほうがいいですね。
●専門用語はなるべく省く
 "コンフィグ"とか"キーリピート"の用語は当前のように思わないほうがいいです。ゲームに初めて触る人はいつでもいますし。
●究極的には言語非対応
 たとえば、「全部フランス語で書かれています。ハッキリ言って読めません。でも、問題なく選べます!」なーんてメニューが究極なんですけどねぇ。目指したいけど、ここまではなかなかどうして。
 ……いま作っているゲームや家電はどうです? チェックチェック。

 

※転載にあたり、コラム本文に付随していた写真や解説、スーパーヘルプ、ふり返って思うことは割愛しております。あらかじめご了承ください。

 

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桜井政博のゲームを作って思うこと
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●カラーページに『新・光神話 パルテナの鏡』開発中のゲーム画像を掲載!! 
●スペシャル特典として、ニンテンドー3DS用ソフト『新・光神話 パルテナの鏡』で遊べる"ARおドールカード"2枚を綴じ込み! 

2012年4月3日 11:37