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【有村昆氏】5.伝説の映画

 今回のゲスト:有村昆氏 
EX「お願い!ランキング」の人気コーナー「ピリ辛!シネマアカデミー」でもお馴染の映画コメンテーター。B級映画に精通し、2011年4月までニコニコ動画のゲーム番組「ゲッチャ」でMCを務めていた。

酒缶 アリコンさんは『影の伝説』の映画(※1)を撮られているようですけど、2005年の秋に公開したんですか?

(※1) 『影の伝説』の映画 アリコンさんが監督をした映画「影の伝説 真田幸村の死闘」のこと。公式サイト http://www.arikon-movie.com/kageden/ (音が鳴るので注意!)

有村 多摩シネマフォーラムという、多摩映画祭というのがあって、そこで公開しました。一応、今でも渋谷TSUTAYAに行けば置いてあるんですけど。

酒缶 どういう経緯で『影の伝説』の映画を撮ろうと思ったんですか?

有村 実は『影の伝説』は第2弾なんです。第1弾は『王将巌流島』という時代劇で、宮本武蔵と佐々木小次郎が将棋をやっていくうちに将棋の駒が侍になって、斬りあいをしていくというプロットのショートフィルムだったんですけど、元々、真田幸村が大好きだったので、第2弾では真田幸村で何かできないかな、と思ったとき、自分が好きなものに歴史と戦国モノとゲームと映画があったので、子ども時代に好きだった『影の伝説』と真田幸村を足したら面白いストーリーになるんじゃないかと思って。



酒缶 なるほど。足したんですね。

有村 真田幸村って忍者じゃないですか。

酒缶 そう。そこが知りたかったんですよ。実は『影の伝説』の主人公って「影」じゃないですか。だけど、もしかしたら、赤い服装とかイメージカラー的に真田幸村とリンクしたのかな?と思っていました。ゲームの設定は江戸時代の末期で、しかも伊賀の忍者が魔界から攻めてきたヤツと戦うじゃないですか。

有村 敵は天草四郎みたいなヤツ(※2)ですよね。

(※2) 天草四郎みたいなヤツ 正式名称は「雪草妖四郎」。魔界の国の首領。

酒缶 敵味方の立場が逆転してますよね。

有村 逆なんです。でも、ゲームの設定に合わせると幕末になっちゃうので、タイトーさんに電話して「設定を変えてもいいか」と言ったら、「どうぞどうぞ」と言われたので、タイトーさんのお墨付きを頂いて、真田幸村でやったんですよ。

酒缶 ボク、深読みしたんですよ。もしかして、これって『影の伝説』のエピソード0なんじゃないかと思ったんですよ。霧姫(※3)が重要なポジションなので、アリコンさんの映画の時代に姫はさらわれて助かったんだけど、その後、徳川に囲われて、その後、幕末になって魔界から敵が来て、それがゲーム本編なのかな、と。

(※3) 霧姫 助けてもあっさりとさらわれてしまう残念な人。

有村 そういうことにしましょう(笑)。そうですよね。

酒缶 でも、すごいキャスティング(※4)ですよね。この頃ってまだ木久扇さんが木久蔵さんで、木久蔵さんがきくおさんでしたよね。

(※4) すごいキャスティング 真田昌幸……水野晴郎、風魔小太郎……林家木久蔵、徳川家康……杉作J太郎、藤堂高虎……林家きくお、謎の桃色男……林家ぺー

有村 そうです。木久蔵さんは僕の中高大の1こ上の先輩なんですよ。そんなつながりがあって、プライベートで昔から家族ぐるみで付き合いがあって出ていただいているんですよ。よく、やりたいことをやらせてくれたな、と思ってます。総予算25万くらいで作りましたからね。

酒缶 映画って25万円で作れるんですか?

有村 皆さん、ノーギャラです。僕は映画を見る側の立場の人間ですけど、1回は撮ってみたかったんです。でも、撮るとなるとお金がかかるので、どうやったらお金を掛けないで撮れるかと思ってやったんです。だから、自分の好きなモノがミックスされて、自分らしさがよく出ているな、と思いますね。

酒缶 時期がよかったですよね。アリコンさんの映画は2005年に公開してますけど、『影の伝説』のアーケード版が出たのが1985年なので、2005年が丁度20周年にあたる年だったんですよ。タイトーさんのPSP版『タイトーメモリーズ』(※5)には『影の伝説2005』というオリジナルタイトルが収録されていますし……。

(※5) PSP版『タイトーメモリーズ』 正式名称は『タイトーメモリーズポケット』。2005年にタイトーがプレイステーション・ポータブル向けに発売したゲーム集。

有村 えーー、こんなのが出ていたんですか!

酒缶 あと、その一方で、2006年にはバンダイがテレビにつなげるとすぐに遊べるコントローラ型のゲーム機(※6)を出しているんですけど、これにも『影の伝説』が収録されていて、オリジナルのアレンジバージョンが収録されているんです。


(※6) テレビにつなげるとすぐに遊べるコントローラ型のゲーム機 2006年にバンダイが発売した「Let’s!TVプレイCLASSIC」シリーズのこと。公式サイト http://www.tamashii.jp/lyvp/

有村 これはマニアックですね。

酒缶 あと、ニンテンドーDSに『影の伝説』の続編(※7)が出ているんですよ。

(※7) 『影の伝説』の続編 正式名称は『影之伝説』。2008年にタイトーがニンテンドーDS向けに発売したアクションゲーム。公式サイト http://www.square-enix.com/jp/archive/ds_kage2/

有村 ほんとだ。面白いんですか?

酒缶 面白いかどうかは秘密です(笑)。こういう流れがあったので、アリコンさんの映画も丁度その時期にはまったのかな、と思っていたんですよ。

有村 今、もっとちゃんと映画を撮れば面白くできたと思うんですけど、映画って時間が掛かるじゃないですか。当時は時間があったから好き勝手にできましたけど、今じゃできないですね。映画をやる時は集中したいんですよ。もし、ファミ通さんがスポンサーとかしていただければ『影の伝説リターンズ』とかやりたいですね。付録のDVDに5分くらいのショートフィルムを、お金を掛けずに作れたら楽しいですよね。

酒缶 でも、アリコンさんの映画『影の伝説』だって、雑誌の付録に付けてもらえれば、観られる人も増えますよね。

有村 契約としては、みんなボランティアでやってもらっているので、僕だけが儲かるシステムじゃなければいいんですよ。渋谷のTSUTAYAでは無料で借りれますけど、無料で上映するとか無料でファミ通さんの付録に付けてもらうのはいいんですよ。ただ、もはやカルト映画みたいになっちゃって。本当の伝説になっちゃって(笑)。

酒缶 この映画はバカデミー的に見るとどうですか?

有村 やっぱりね。水野晴郎先生と一緒なんです。水野先生って観る方の映画のプロじゃないですか。ところが撮ると『シベ超』のようなカルト映画になっちゃうわけですよ。僕も観る側のプロですけど、撮るとカルト映画になっちゃったので、観る側の人間は撮っちゃいけないな、と思って……。

酒缶 ゲームだと文化的な問題もあるんですけど、80年代ってゲームの評論みたいなことを雑誌でやっていた方が、いつの間にかクリエイターになっていましたけど、業界が小さいから成立したのかもしれないですね。今はもしかしたら、ゲームで遊びながら「俺はゲームを作れるぜ」という感覚でゲームを作っちゃいけないのかもしれない。


有村 多分、観るプロと作るプロでは違うと思うんですよね。逆に言うと、作れてよかったですよ。出来不出来とか作品の大きい小さいを置いておいたとして、一応、最初から最後まで経験できましたから。映画づくりの大変さも分かりましたし、僕のような仕事は出来上がった作品を批評する仕事なので、「お前は何か残したのかよ」と言われると、仕事的には何も残せないんです。でも、若い時にこういうことをやっていれば、ネタにもなるな、と思って。

酒缶 そして、伝説になったということですね。

有村 伝説ですね。感激です。

次回の更新は、8月26日(金)の予定です。

2011年8月23日 15:24