プロフィール
中村彰憲

立命館大学映像学部 教授 ・学術博士。名古屋大学国際開発研究科後期課程修了 早稲田大学アジア太平洋研究センター、立命館大学政策科学部を経て現職。 日本デジタルゲーム学会(DiGRAJapan)会長、太秦戦国祭り実行委員長 東京ゲームショウ2010アジアビジネスフォーラムアドバイザー。 主な著作に『中国ゲームビジネス徹底研究』『グローバルゲームビジネス徹底研究』『テンセントVS. Facebook世界SNS市場最新レポート』。エンターブレインの ゲームマーケティング総合サイトf-ismにも海外ゲーム情報を中心に連載中。

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Rekoo Japanの協力で開発を進めるカジュアルゲーム

立命館大学映像学部では、「企業連携プログラム」という授業があります。これは昨今叫ばれている大学の「象牙の塔化」への反省を踏まえ、より積極的に企業との連携で「社会の実体験」を取り入れていこうという試みです。

 

カジュアルゲームが盛況を極める中、2011年度は『サンシャイン牧場』などで知られるRekoo Japanからの協力の下、立命館大学映像学部では、16名が2チームにわかれ、カジュアルゲームの開発を進めています。

 

このプロジェクトは2010年9月より開始されました。当初は米 光一成先生が担当している「ゲームデザイン実習」という授業の中で、70名程度の学生が5-6名のグループにわかれ、カジュアルゲームの企画を立案していました。

 

             ▲「ゲームデザイン実習」授業の様子

 

そして最終的にゲーム化するに値するという結論に至った2つのプロジェクトを中心に、受講希望者を再編成。2011年4月より開始されたのがこの授業なのです。

 

企画段階から、過去の作品などを調べつつ、いまどきの学生ならではの企画を考えていきました。結果的に選出された2つのプロジェクトが双方とも女性ユーザーを主に意識したゲーム案となったのも、案外偶然ではないかもしれません。

 

          ▲カジュアルゲーム「Doll」プロジェクトチーム

 

そのような形で、春休みの準備期間中から企画の詳細をつめつつ、授業がはじまった4月から一気に開発を進め、Rekoo Japan商品開発部の谷昌宏氏が来校するまでには、モックアップ版の開発を終了するという流れです。

 

当日は、簡単な企画書と作品を見てもらいながらコメントを得ることがでました。開口一番、「まあ、いまの時期という想定内の進捗状況であることが確認できました。」と谷氏。

 

「いろいろと細かい議論で仕様をつめるよりは、とにかく作ってしまって実際にさわってから調整していくのがカジュアルゲーム」と、ソーシャルゲーム開発における本質について、簡潔に説明してくれました。

 

また、秒間あたりのアクセス数を想定することや、その際にユーザーが入手するデータ量なども緻密に計算する必要があるといった、サーバーアクセス負荷の低減戦略や、SNSにおいては、ゲームは振り分けられるカテゴリーによって導線が決定してしまうといった、大局的な意見まで、さまざまなアドバイスをいただきました。

 

        ▲アドバイスをいただいたRekoo Japan 谷昌宏氏

 

 

これらのアドバイスをふまえ、現在2チームが本格的なゲーム開発に取り組んでいます。進捗率はそれぞれ30%というところでしょうか。完成後は無料でプレイできるようになるとのことなので、その際は是非、こちらのブログで紹介していきたいと思います。

2011年5月10日 19:02