プロフィール
中村彰憲

立命館大学映像学部 教授 ・学術博士。名古屋大学国際開発研究科後期課程修了 早稲田大学アジア太平洋研究センター、立命館大学政策科学部を経て現職。 日本デジタルゲーム学会(DiGRAJapan)会長、太秦戦国祭り実行委員長 東京ゲームショウ2010アジアビジネスフォーラムアドバイザー。 主な著作に『中国ゲームビジネス徹底研究』『グローバルゲームビジネス徹底研究』『テンセントVS. Facebook世界SNS市場最新レポート』。エンターブレインの ゲームマーケティング総合サイトf-ismにも海外ゲーム情報を中心に連載中。

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シンガポールで創立されたグローバル・バーチャルカンパニーBoom Zap

筆者は、シンガポールへは何回も行っているのですが、その中でゲーム業界とのパイプも徐々に構築してきました。毎回出張が入るたびに少しだけ時間を作って情報交換をしたりします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シンガポールにおけるメディア産業の中心地、Fusion Police


そのような中、大変興味深い戦略でモノづくりを進めているのがアレン・シモンセン氏です。アレンは、英国大学のコンピュータサイエンス学科を卒業後、アメリカのゲーム会社に勤めてからシンガポールに、その後、複数の会社を得て05年にカジュアルゲーム開発を主要業務とするBoom Zapを立ち上げたのです。ただし、彼の会社にオフィスは存在しません。

 


 

シンガポール訪問時は会うように心がけているBoomzapのアレン氏

ノートPCこそが僕のオフィスさ!


筆者がその事について少しでも言及すると、彼はいつもノートPCを取り出して「これが僕のオフィスさ!」と軽快に語ってくれます。事実、今では本社の所在するシンガポールの他に、ロシア、タイ、インドネシア、フィリピン、日本と6カ所に開発者が存在するグローバル・バーチャルカンパニーを経営しているのです。

本社機能はすべてノートPCに収め、あとはグローバルでゲーム開発に勤しむ。昨今のカジュアルゲームブームと、彼自身の柔軟な発想も手伝って、創業後の数年で開発スタッフが20名以上のディベロッパーへと成長しました。これまで取引していたフィリピン企業のスタッフをそのまま採用したとのことです。給与は、どこに国にいても同一のスタンダードで支払われるとのこと。「フィリピンのスタッフは驚いていたよ。」とアレン。「フィリピンの標準でいったら非常に高い給与を得る事になったんだからね。」(同氏)経済水準でいえば、フィリピンやタイ、おそらくロシアでも同様のはずです。


MMOGにも挑戦!Boomzapが提示する企業としての新たな姿



当初はカジュアルゲームを中心にパズルゲームなどを開発してきたBoomzapですが、つい最近MMOGの開発を完了したとのこと。「今後もカジュアルなMMOGを開発していきたい」。とアレン氏。仕事もフレックスを採用しており、11時?18時のコア時間は必ず出勤だが、それ以外の制約はないとのこと。

でもバーチャルオフィスでどうやって勤務を判断するのか不思議に思い聞いてみると、全社員が共通で使うプロジェクトマネジメントソフトを導入しているとのこと。「アートディレクションについてひとりひとりに対し議論をすればその反応やレスを見ていれば出勤しているかどうかなんてすぐ分かるよ!」(アレン氏)。クライアントにBig Fish gamesといった大手パートナーの存在もそうですが、常夏のシンガポールの天候も手伝ってか、彼の軽快且つ自信に満ちた展望にも妙に納得してしまいます。これだけ自由な感じでグローバル企業を経営するというのもシンガポールという立地条件ならではかもしれません。すくなくとも、「会社で働く事」の概念を再考してみる必要があるかもしれませんね。

BoomZapホームページ
http://www.boomzap.com/

2011年4月1日 22:26