第40回 ロードカー・ロワイアル
こんにちは & こんばんは 毛利です。
10月11日から配信開始された『グランツーリスモ 5』(以下、『GT5』)バージョン2.0について、公式にアナウンスされていない重要なファクターを、サラッと紹介します。
●挙動の変化
クルマをドライブする身としては非常に重要な変更点なのですが、バージョン2.0ではハードブレーキングをしながらハンドルを切った際の挙動が変わっています。
前バージョンまではブレーキを残したままハンドルを切っても後輪が滑ってオーバーステアが出ることはありませんでしたが、バージョン2.0で同じことをやると、後輪が滑り出しオーバーステアが強く出ます。
ここですぐにカウンターステアを当てないと、クルマがグルグルとスピンしてしまいます。
とくに、その現象を体感できるのが、スペシャルイベントのなかにある"グランツーリスモ カート エクスペリエンス"。
スピードが乗っているときに強くブレーキを踏みながらハンドルを切った瞬間、後輪から豪快に煙を吹き出しながらスピンしてしまいます。
また、以前のバージョンよりもスリップストリームの効果が薄くなっている点や、ブレーキの性能が落ちている点も、カートを乗る上で重要な変更点といえるでしょう。
なので、高速域からブレーキを使う局面では、以前よりも早いタイミングで長くブレーキを踏み続けないと、確実にガードレールと濃厚なキスをすることになります。
この"カート エクスペリエンス"では、上級のふたつ目のイベント以外は、すべてコースレイアウトが変わっているので、以前クリアーした人も再チャレンジしてみるといいでしょう。
下記に変更されたカートコースの動画を公開しますので、参考にしていただければ幸いです。
●初級カートレース1:サンデーカートレース
●初級カートレース2:ウィークエンドカップ
●中級カートレース1:クラブマンカートカップ
●中級カートレース2:東京ベイカートチャレンジ
●上級カートレース1: カーティング・トロフィー
●AMGドライビングアカデミー
これも、挙動が変化していることを痛感するイベントです。
とくにウエットコンディションのイベントでは、以前のバージョンと同じような乗りかたで挑むと、確実にスピンします(笑)。
カートイベントと同様に、ブレーキを使うタイミングを早く、かつ長く踏み、ブレーキを残さずにハンドルを切るようにしないと、まともに走れません。
上級と超上級はゴールド、シルバー、ブロンズの各タイムも変更になっているので、このイベントも再チャレンジしてみるといいでしょう。
バージョン2.0になってから、まだすべてのイベントをチェックしていませんが、オレの感想をひとことでいうと「乗り手を選ぶレースゲームになったな?」という印象です。
『GT5』に使われているシミュレーションエンジンに慣れていないプレイヤーは、どうしてもブレーキを残したままコーナリングしようとしますからね。
ブレーキを長く踏み、ハンドルを使う際にはブレーキを残しすぎないようなドライビングができないと、バージョン2.0は初心者にとってかなりキツイものになるでしょう。
現実同様、ハイスピードでクルマをコーナリングさせるのは初心者ドライバーにとって容易にできることではないので、今回のバージョンアップはそれだけ現実に近づいた……ということだと思います。
それでは、前回の続きです。
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「ニュルブルクリンクで通用するドライバーは、世界中どのサーキットに行っても通用する」
かつてニュルブルクリンク24時間レースで優勝したあるドライバーが発した言葉である。
曲率が変化するいやらしいコーナー、クローズドサーキットとは思えないほど荒れた路面、狭すぎる道幅、変な形状の縁石……。
ニュルブルクリンクの過酷さを語ったら、これらの言葉だけでは語り尽くせない。
そんなサーキットで鍛え上げれば、どんなサーキットでも速く走れるという言葉は、オレの頭のなかでは納得できている。
では、『GT5』でも、この言葉は通用するのか?
これまでオレは、大勢の人たちとオンライン対戦レースを楽しみたいと考え、オンライン対戦プレイヤーがいちばん多くいるサーキットで戦ってきた。
過去のプレイ日記を読んでいただければわかると思うが、そのサーキットの名はニュルブルクリンク。
『GT5』に収録されているサーキットのなかで、ダントツに難度の高いクレイジーなサーキットである。
では、ニュルブルクリンクに次いで人気のあるサーキットはどこになるのだろう。
ドリフト走行をしたいプレイヤーが多く集まる筑波サーキット……。
シリーズ初登場となったモンツァ・サーキット……。
アジアのなかでいちばんF1開催回数が多い鈴鹿サーキット……。
『GT5』が発売される以前、オレは2番目に人気が出るだろうと予想していたのは鈴鹿だった。
しかし発売後、2番目に人気があったのは、コート・ダ・ジュール。F1モナコグランプリで使用されるモナコ市街地コースのことだ。
本物のモナコ市街地コースよりも道幅が広くなっているエリアがあるものの、コース自体の難度はニュルブルクリンクと同等のレベルだ。半端なドライビングスキルでは、ここで勝つことはできないだろう。
これまでニュルブルクリンクで鍛えられたドライビングスキルを試すには、うってつけの舞台だ。
今回挑戦する、このコート・ダ・ジュールのオンライン対戦部屋のレギュレーションは、パフォーマンスポイント(以下、PP)が550以下、レースカーOK、スキッドリカバリーフォースOK、激突ペナルティーなしという内容になっている。
周回数は6周。 かつてニュルブルクリンク、PP550以下縛りのオンライン対戦で出てきたようなモデルたちが登場し、レースが始まる。
●LAP1
参加台数は10台で、オレはロータス エヴォーラ ’09(以下、エヴォーラ)に乗り7番手からスタート。
さっそく1コーナーで、カーブを曲がりきれないクルマが前を走るクルマに追突するアクシデントが多発。
オレはその脇を無難に避けつつ曲がり切り、順位を5位まで上げることに成功する。
坂の頂上にある左コーナー"マスネコーナー"で曲がりきれずにアウト側の壁に激突したクルマをかわし、オレは4位に。
しかし、"ミラボーコーナー"で一度かわしたパガーニ ゾンタ C12S ‘00(以下、ゾンタ)が、"ローズヘアピン"にほぼノーブレーキで突撃。
オレと、オレの前を走行していたアキュラ NSX レーシングモデファイ ‘91(以下、NSX)を弾き飛ばす。
「このゾンタの乗り手は、激突して追い抜いたりブロックしてくるたちの悪い奴だから、早めに追い抜かなくては……」
そう考えつつトンネルを抜けた先の"ヌーベルシケイン"で、大きなアクシデントに見舞われる。
"ヌーベルシケイン"の飛び込みでゾンタが、オレのエヴォーラをサイドから小突く。その影響でオレはコーナー外側に弾き出され、タイヤバリアーに激突。
その直後コースに復帰しようとするが、今度はゾンタが背後から激しく激突してきた。
オレのエヴォーラは激突された勢いでガードレールに突き刺さる。
ゾンタのたび重なる"突撃"で順位を6番手まで下げる。
さらに、ヌーベルシケインの先にある"タバコ屋コーナー"でまたしてもゾンタが突撃。
今度は突撃されたオレだけでなく、突撃したゾンタもカードレールに激突する。
オレはここで7位まで順位を落とすが、その先にある"プールサイドシケイン"でインをがら空きにしたゾンタの隙を突いて、6位に順位を上げる。
オレの後方を走るゾンタは、コーナーを曲がるたびにお尻を振りながら走行している。
少なくともオレよりはドライビングスキルが下のプレイヤーなのだろう。
オレがドジらない限り彼と接触することがないことを確認しつつ、前方を走る5台を追う。
●LAP2
"ヌーベルシケイン"で壁に激突したフェラーリ 430 スクーデリアをかわし、5位に上昇。
●LAP3
ホームストレートでロータス エリーゼ タイプ 72 ‘01(以下、エリーゼ)を追い抜き4位にポジションアップ。
1位を走るクルマが、この先ノーミスで逃げ切らないことを祈りつつ、レース後半戦に入る。
トンネル内で日産 R390 GT1 ロードカー ‘98をかわしたオレだったが、"ヌーベルシケイン"でショートカット防止用コンクリートブロックに激突するミスを犯してしまう。
速度が大きく落ち、オレの背後を走っていたエリーゼにかわされ、4位にポジションダウンする。
しかし、"たばこ屋コーナー"でアンダーステアを出したエリーゼの隙を突いて追い抜く。
オレは3位の座を取り戻す。
●LAP5
トップを走っていたルーフ RGT ‘00(以下、ルーフ)が、"ローズヘアピン"の縁石に突き刺さる形で止まる。
さらに、コースに復帰しようとしてバックしたルーフは、2位を走行していたNSXに激突。
その背後を走っていたオレは、この2台に追いつく。ここで、3台が団子状態に。
その後、最終コーナーの立ち上がりで2位に落ちたルーフをかわす。
残りはあと1台。目の前を走行するNSXだ。
ファイナルラップのどのあたりで料理してやろうかと考えを巡らせながら、NSXの背後につく。
●FINAL LAP
1コーナーでアンダーステアを出したNSXがコーナー外側の壁に激突。オレがNSXの右脇に入り追い抜こうとするが、サイドからNSXが小突く。
小突かれるたびによろめき、加速が乗らない。
その隙にルーフに追い越されて一瞬だけ3位に後退するが、"マスネコーナー"をオーバースピードで突進し曲がり切れなかったNSXとルーフが、2台同時にガードレールに激突。
ここでやっとトップに立つが、今度は"カジノスクエア"で再び2台にかわされる。このあたりまではコーナーを曲がるごとに順位が入れ換わる大激戦に。
そして勝負を決めたのが、"ミラボーコーナー"。
トップを走っていたNSXとのブレーキング競争を制し、再びオレがトップに立った。
その後ローズヘアピンで、ノーブレーキで突撃してきたNSXに激しく激突されたものの、順位を入れ換えるような動きにはならず、そのままの順位でゴール。
このコースを使ったオンライン対戦に初挑戦で勝つことができた。
ミスも多々あったが、ライン取りやコーナリング中に加速するタイミングの取りかたは、ニュルブルクリンクで学んだことが実践できたのではないかと思った。
そうでなければ、レース序盤で尻を振りまくっていたゾンタのようになっていただろうね。
※次回更新は10月18日(火曜日)の正午ごろです。
2011年10月14日 12:29