書籍情報














津々巳あや
(漫画家)
フリー漫画家。少女漫画「花とゆめ」でデビューし、いろいろあって現在少年漫画や4コマ漫画など連載中。代表作はCR COMICS「あくまでモテる×××」、MFコミックス「女子大生の日常」。
津々巳あやオフィシャルサイト

江野本ぎずも
(編集担当)
ファミ通BOOKSの編集者。『モンスターハンター』プレイ日記 本日も逆鱗日和シリーズなどを担当。プライベートキャラのメイン武器は狩猟笛。麻痺ラブ!

リョウコ
(アシスタント)
津々巳あやの漫画アシスタント。『モンでき。』の企画でハンターデビューを果たし、ちゃっかりレギュラーに。虫が苦手。津々巳センセイが大好き。




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『モンスターハンター』プレイまんが“モンでき。” 『MH3G』番外編その2

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前回に引き続き、『モンでき。』番外編といたしまして、津々巳さんのアシスタントを務めるリョウコちゃんのハンターデビュー物語をお届けいたします。

 

さて、このリョウコちゃん、番外編その1で早くも多くの読者さんのハートをがっちりキャッチしてしまったようですね。

ある程度は予想してましたけど、それ以上にたくさんのリョウコちゃん絶賛のコメントが届いております。

「リョウコさんはステキな方なのですね」、「リョウコちゃんおもしろいです」、「今後はリョウコちゃんを加えた3人でのプレイ日記をお願いします」、「リョウコちゃんを嫁にください!」、「リョウコさんは僕の太陽だ」、「リョウコ様に栄光あれ!」などなど……(一部誇張あり)。

これには津々巳さんも、「なんかムカツクわーなんかムカツクわー」と満面の笑みを浮かべて歯ぎしりしていることでしょう。

 

 

リョウコちゃんのハンターデビューに当たって、まずはボルボロス、そして今回は卵運びに出かけたわけですが、こらまたひっどいクエストチョイスですよねえ。

右も左もわからない“仮免中”のハンターさんには、まずは採集クエストや小型モンスターの狩猟などでの慣れが必要です。

漫画中の津々巳さんは「卵の納品ぐらいならリョウコでも大丈夫」などと言っていますが、大丈夫なわけがありませんよね。

だって、大丈夫じゃないから、このクエストを選んだんだもーん!

卵運びの本当のおそろしさと楽しさは、古くからのハンターさんにしかわからないかもしれませんが、あのハラハラドキドキ、ときに阿鼻叫喚の展開は間違いなく『モンハン』のもうひとつの顔です。

 

そもそも、初心者さんにライトボウガンを持たせることからしてひどい話ですわね。

立ち回りの難しさはもちろんのこと、序盤はとくに弾を購入するゼニーが足らずに四苦八苦することは目に見えています。

最初に持つ武器としては、片手剣か大剣、太刀あたりが一般的でしょう。

だけどね、江野本はこう思うのです。

 

ハプニングのない人生を生きる価値はあるのか、と。

小指の爪はタンスの角にぶつけるためにあるんじゃないのか、と。

 

わざわざ3人で孤島くんだりまで出かけていって、薬草を摘んだり特産キノコをもいだり、ハチミツなめたりお魚くわえたりしたって、それはそれで楽しいかもしれませんけど、ドラマが生まれる気がしないでしょう?(ホームドラマは始まるかもしれませんが)

3オチ上等、ドタバタ万歳、おもしろいほうがいいに決まってるじゃないっ!

 

 

と、いう思想のもと、できるだけハプニングが起きそうで、できるだけトキメキの感じられるクエストに出かけたってわけですが、これには賛否両論ありそうですね。

先輩ハンターが後輩ハンターを指導するやりかたは、大きく分けてふたつの道があるように思います。

ひとつは、“至れり尽くせりの道”

自身の持つ強い武器や潤沢なアイテムなどを使って、後輩のハンターランクを上げたり、武具作成の素材集めをしてあげたりして、腕前はともかく形だけは上級ハンターにしてあげちゃうというものです。

津々巳さんがまさにこういった育てられかたをしたそうで、「『2nd G』のときはG級の武具を作ってもらって初めて、自分ひとりで下位クエストに行った」、「モンスターを討伐するまで隣のエリアで待っていて、終わったら剥ぎ取りだけしていた」と語っています。

似たような話はよく聞きますし、どちらかというとこれが主流派になるのかな?

まずはキークエストのお手伝いをする、というのはオフ会などでも王道パターンですよね。

“至れり尽くせりの道”は例えるなら、メインストリートを目的地までタクシーで送ってあげる、というやりかたです。

 

もうひとつは、江野本が経験した“突き放しの道”

江野本のハンターデビューに立ち会った先輩方は、最初からすべてを本人にやらせ、失敗したらゲラゲラ笑う、という非道極まりない教育方針を取っていました。

いま思い返すと、自分たちがゲラゲラ笑うために江野本にあれこれやらせていただけかも。

「ここでハチミツが取れるよ」と言うのでしゃがみこんでみれば後ろからどつかれ、勇気を出してイャンクックに飛びかかってみれば足元に爆弾を置かれ……。

もちろん悪いことだけじゃなくて、「とっておきの景色を見せてあげる」と言って雪山のエリア8の山頂に連れていってくれたり、「イャンクックの尻尾回転は逆向きに前転回避で避けられるよ。タイミングは自分で覚えな」と初心者にできるわけもないアドバイスをくれたりもしました。

そして、慣れていない江野本をみんなといっしょに狩猟の最前線に立たせてくれ、力尽きても決して怒らず、3オチ失敗しても何度でも何度でも笑って付き合ってくれた。

江野本の先輩方はハンターランクを上げるとか、武具やアイテムを揃えることについてはたいして力になってくれなかったけど、狩りの成功も失敗もいっしょに分かち合って、『モンハン』という世界の自由な歩きかたを教えてくれたんだと思う。

例えるなら、メインストリートから外れた脇道にあるうまい食堂やオシャレな古着屋さんを案内してくれた、って感じでしょうか。

 

 

“至れり尽くせりの道”と“突き放しの道”、どちらが正解だなんて言うつもりはないんです。

人にはそれぞれ、自分に合った道がある。

江野本は“至れり尽くせりの道”ではここまで『モンハン』を好きにならなかったと思うし、津々巳さんは“突き放しの道”では『モンハン』を楽しいとは思えなかった、かもしれません。

で、本題のリョウコちゃん。

前回、漫画本編で「このふたり、同じにおいがする……!」と津々巳さんが独白しているように、リョウコちゃんはどうやら江野本ぎずもタイプだったようです。

タンジアの酒場にある“腕相撲”を教えたところ、リョウコちゃんは目を輝かせて「センセ?イ! 勝負しましょうよ?!」と宣戦布告。

でもこの腕相撲、津々巳さんにはどうやら楽しみかたがわからないらしい“寄り道”の要素なんですよね。

案の定、即答で冷たく「やだ」と答えた津々巳さんでしたが、そこは甘え上手の愛弟子、「え?! そんなこと言わずにやりましょうよ、センセ?イ!」と一歩も引きません。

やがて津々巳さんも渋々ながら了承して、腕相撲師弟対決が実現!

江野本はふたりの後ろでアクション“かけごえ”による声援を送り、勝負の行方を見守っていました。

結果は、なんとリョウコちゃんの勝利、弟子が師匠を超えた瞬間です。

これにはさすがに江野本も驚いて、リョウコちゃんとふたりでギャーギャーわめきながら万歳三唱!!!

しかし津々巳さんは、楽しみかたがわからなければ悔しさもないのか、無表情のままスタスタと樽の前から歩み去って、リョウコちゃんに「セ、センセ?イ、もう少し悔しがったりしてくださいよ?ウフフフ?♪」と言われておりました。

 

クエスト中も、江野本は自身が先輩にされたように、リョウコちゃんにあれやこれやの遊びかたを伝授。

どうやらそれが津々巳さんには「教育熱心」と映ったようで、前回の漫画本編にもそのように描かれているのですが、んなわけナイナイナイ!

ペイント弾は当たると見た目にわかりやすくて盛り上がるから撃ってもらったんだし、爆弾起爆は失敗して江野本や津々巳さんを巻き込んでほしくてお願いしたんです。

実際は爆破に巻き込まれることはありませんでしたが、江野本の睡眠片手剣レムナイフ改で眠らせて爆弾を置いたのに、モタモタしているあいだに「フワ?。よく寝たわ?」とばかりにボルボロスが起きてきてしまったり、爆弾を置いた江野本本人が忘れたころに突然、起爆をしてみたりと、そらもう大騒ぎでした。

そのほかにも、今回描かれているようにリオレイアの尻尾の剥ぎ取りで運試しや、卵を運びながらリョウコちゃんと江野本のふたりで抜きつ抜かれつのデッドヒート、さらには、個人的に回復笛で仲間を癒すことに一生懸命になってみたりと、遊び放題!

これって、子どものころ、とくに目的もないのに公園を走り回っていたのとまったく同じ遊びかたなんですよね。

そんなワイワイギャイギャイが久しぶりで、楽しくて楽しくて仕方なかった!

『モンスターハンター』はクエストをクリアーするのが目的ではあるけれど、ただフィールドに立って仲間と遊んでいるだけで十分に楽しいんだ、ってことを思い出させてくれた気がします。

 

 

この番外編、本当に楽しかったので、リョウコちゃんにはまた近いうちに『モンでき。』に遊びにきてほしいな、と思います。

津々巳さんもきっと、「またあいつの人気が上がると思うとムカツクわーまじでムカツクわー」とニッコニコで悪態をつくことでしょう。

 

そして読者の皆様には、ぜひまわりの友人知人に『モンハン』を薦めて、ライトボウガンを持たせろとかボルボロスに行けとは言いませんから、ハンターデビューの瞬間に立ち会ってみてほしいなと思います。

きっと、新鮮な気持ちで『モンハン』に向き合えるようになると思うから。

 

 

2012年6月19日 01:36