音声とテキストが絶妙なタイミング。テキストを読みつつ、何気ない会話や重要なセリフを聞いていく感覚が新鮮。聞き逃しても、バックログで確認できる工夫もあり、フォローも万全。『弟切草』を思い起こすようなところもあり、思わずニヤリとすることもある。ボリュームも十分あって○。
週刊ファミ通985号より
セリフを聞きながら状況の描写を読み進めるのはこれまでにない感覚で、サウンドノベルの表現の可能性を感じさせる。フローチャート機能は現時点でのルート上にしか戻れないので、全クリアーの歯ごたえはかなりあって◎。1プレイの時間も短く、何度もプレイしやすいのがいいですね。
週刊ファミ通985号より
描写を文章で、セリフを音声でという二元中継が新鮮。ビジュアルや演出も見事。すべての面が高いレベルでまとまっている点は評価。問題は、怖さの表現。フラグ立ての条件がきびしく何度もプレイし直す内容だけに、シナリオが楽しめるかどうかが、モチベーションを保つ分かれ目だ。
週刊ファミ通985号より
文章による情景や心理の描写と、音声による会話のシンクロ演出は見事。停滞気味だったジャンルを再び進化させた。プレイを重ねるごとにゲーム性が高くなるチャートシステムも秀逸。映像も限りなく美しい。ただ、画質や演出の向上が想像力を削ぐきらいと、シナリオの好みはあるかも。
週刊ファミ通985号より
■変な感覚
声と、小説特有の背景説明の文章でゲームは進行。
味わった事のない妙な感覚を覚える。
違和感はなく、、、と言うより、
心地よい違和感を感じつつ、すんなりと物語に入り込める。
映画とも、小説、従来のサウンドノベルとは大きく異なるのは面白い進化。
物語の見せ方としては、成功してるんじゃないかと思う。
■シナリオが・・・
まず、今回は、サスペンスではなくホラーです。
非常に在り来たりな話です。話に厚みがありません。
言いたい事は山ほどありますが、ネタバレをしてしまうと、
このゲームを遊ぶ価値すら薄れますので、説明が難しい・・・
リングや螺旋、着信、輪廻、仄暗い水の底から、、、等。
ここ十数年で良作ホラー映画や小説がたくさん出ましたが、
それらと比べるとシナリオがかなり弱い。
勿論、面白い分岐シナリオもいくつか存在しますけど。
■システム面
忌火起草発売前に、学校であった怖い話(※)をアーカイブスから落として
遊んでいたのもあるかもしれないですが、
選択肢が非常に回りくどく、作業感が強く、面倒くさく感じました。
※一つ選択肢を選ぶだけで展開が大幅に変化する
シリーズ通してですが、どれ選んでも変わらないような分岐が非常に多い。
例えば、サスペンスのサウンドノベルの場合で、
犯人探しをするために、決定的場面を探さなくてはならないとか。
そういう強い目的でもあれば良いかもしれないが、
ただ単にシナリオ分岐を探すために選択肢探しを強要されるのは辛い。
もっとダイレクトに変化、そして、展開して欲しいと思った。
■まとめ
声と文字という独特の見せ方は、大成功。
映画館でこれやっても面白いんじゃないかなぁと思って見たり。
体験版もありますけど、一度見てみる価値はあると思います。
ただ、惜しまれるのは、シナリオ。
本や映画の経験値が高い人ほど、物語のチープさを強く感じるはず。
俳優、女優陣の演技の下手さも悲しさを感じさせる。
シリーズ通して言える事かもしれないが、
脚本家や起用俳優らの人選をしっかり考え直す必要があると思う。
見せ方は違えど、このジャンルの比較対象はどうしても本と映画になる。
例えば、龍が如く3では、有名人を起用してますよね。
そういうしっかりとしたキャスティングが必要かと思います。
この辺りが、このジャンルの大きな分岐点じゃないでしょうか。
映画のように、発売されてる小説からシナリオ探しても良いかもですね。
根底をしっかりしないと、ただのゲームで終わってしまうかと・・・。
逆に、そこさえしっかりすれば、
ゲームの枠を超えて、この表現方法が、
広く認知される可能性もあるかもしれない。
しかし、シナリオを見せるゲームのレビューを、
シナリオ説明一切なしに、レビュ−するのは難しい(笑)