メディアがCD-ROMに、表現がポリゴンに移行する初期の3Dアドベンチャー。
画像は粗いし、システムはフラグを立てるだけ。
でも、その粗さが幻想的な雰囲気をかもし出しているし(ある女性キャラの部屋に、むせるような色気を感じるのは俺だけでしょうか)フラグの立てさせ方も、一部納得いかないものもあるが、プレイヤーが道を拓いている気にさせてくれる。
登場人物が蝶の姿をしているのは、人間を描画して動かすにはスペックが足りないゆえの苦肉の策だろうけれど、それも独特の世界観を創り出すのにプラスに働いている。
不思議な洋館に迷い込んだ妹を探す少年。彼を迎える住人たちは、人の世を捨て蝶と化している。
その選択を後悔している者、人であった過去を卑下する者、新しい仲間を歓迎する者、さまざまな思いを抱く住人たちと出会う少年のささやかな冒険の物語は、小粒かもしれないけれど、確かな光沢を備えている。
発売当時は新しい技術の可能性を、それが当たり前になった現在でも無価値にはならない何かを見せてくれる佳作。
これほどゲームオーバー画面が麗しい作品も、珍しいのではないでしょうか。