カプコンから発売されたホラーアドベンチャーです。 古びた城、襲いかかる単独の敵、主人公はか弱い少女、 武器などはなく、ただ逃げるしかない…… ハサミ男こそ出ませんが、ゲームのテイストは、まぎれもなく 「クロックタワー」のそれです。 「最近クロックタワーの新作でないなぁ」と嘆いているは、 是非この作品をプレイしてみてください。 このゲームの特徴として、 パートナーの犬の存在が挙げられます。 犬と一緒に古城内を探索し、 アイテムを取らせたり、敵を撃退したりするのですが、 所詮は犬なので、初めは思うように動いてはくれません。 そこを時には叱り、時には褒め、しつけていくのが楽しい感じです。 最終的には命令しなくても適切な行動を取ってくれるようになりますので、 育成シミュレーション的要素もミックスされています。 ただ、このゲーム、怖いかどうかと聞かれると、 ハッキリ言って全然怖くないです。 このゲームで表そうとしているの怖さと言えば、 「追われる恐怖」とか、「逃げる、隠れるしかできない無力さへの恐怖」 でしょう。 怖さのポイントは人それぞれなので、 そういうところに怖さを感じる人もいると思いますが、 このゲームの場合、敵は「追う者」ではなく「探索を邪魔する者」 という感じが強く、出てきても「怖い」と言うより「邪魔くさい」 としか感じません。 まあ、クロックタワーって代々そんな感じではあったのですが、 クロックタワー特有の「突然出てきてビックリ系」 な仕掛けもほとんどなく、拍子抜けな半面、 心臓の弱い人には安心なゲームでもあります。 また、謎解きの難易度はやや高めだと思います。 メモを取らないと解けないような複雑なものも多いので、 やりごたえはあるかと思いますが、 ほーっと感心するような斬新な謎解きはありません。 まあ、結論を言うとこのゲーム、怖さも謎解きも、 いたってフツーのホラーアドベンチャーなわけです。 新鮮味のない反面、欠点も特にないので、 安心して遊べるといえば遊べます。 カプコレだと値段は2000円前後なので、 それを考えれば十分元は取れると思います。 ホラーゲーム好きの方は一応チェックしておきましょう。