他人の感情を読み取れる能力自体はフィクションの作品にはよく出てくるので、このシリーズとしてはパンチが弱いかもと最初は思いもしたけど、ぜんぜんそんなことはなく、ドラマに深みを与え、主人公のアレックスへの感情移入も強まっていきます。先が気になる展開に引き込まれるし、選択肢がどう影響したのか想像しながら読み進めるのもおもしろい。すばらしい音楽が作り出すムードも最高です。
週刊ファミ通1733号より
登場人物のセリフや表情変化のみならず、何気ないモノにさえも膨大な情報量の感情が宿っているように思える物語世界は、愛しくもあり切なくもあり。油断しているとゲーム内ゲーム(『アルカノイド』風)でさえも涙腺が緩みます。プレイヤーのあらゆる決断を否定しない物語展開も見事ですが、各エピソード終了時にやり残しの行動やミニゲーム結果、苦渋の二択を一覧で確認できるのもいいですね。
週刊ファミ通1733号より
町ののどかな景色と閉鎖的な側面の対比に象徴される、美醜丸ごと描写されたドラマに、心温まる思いをしたり傷ついたりと、感情が揺さぶられます。人物の描写も見事で、とりわけゲイブは本気でその死を悼んだほど。音楽もすばらしい。ゲーム的に惜しいと思ったのは、超能力がシナリオに与える影響の弱さ。しかし物語としては、とくに真相の究明において、むしろその点に正しさを感じました。
週刊ファミ通1733号より
細部まで作り込まれた建物や小物類、演技力のある登場人物の動きで、プレイしてすぐアメリカの田舎町を訪れた気分に。主人公が持つ他人の感情を読み取る能力が、物語を進めるカギとなるだけなく、垣間見る“本音”や“過去”が、小さな町の住民たちの暮らしと歴史に厚みを与え、ドラマを奥深いものにする。シリーズの魅力の“選択”も、心が見えるからこそ悩み深くなる場合があることがおもしろい。
週刊ファミ通1733号より