直線ばかりで描かれる無機質な風景と、どこまでも続くループ構造がアートの世界に入り込んだようで魅了される。重力が働く方向を切り換えるパズルも夢中に。いつでも重力の方向を変えられるわけではなく、垂直方向の壁に接近したときに地面とすることができるのがミソで、パズルを解く工程を考えるのがおもしろい。方向感覚を狂わされやすいこともあり、3D酔いしやすい人はちょっと要注意か。
週刊ファミ通1693号より
ポイントは“特定面の床でないと作動しないギミックをいかに動かすか”。ふとしたイタズラ心と偶然の積み重ねで、行けなかった場所に行けるようになるのがいいですね。体裁としては3Dパズルですが、エロスが極力排除された閉鎖空間をシームレスに移動し続けることで喚起されるエモーションを味わうインスタレーション的作品でもあります。ちょっとした段差を越えられない違和感など、些事です。
週刊ファミ通1693号より
「そこにも行けるんだ!」。独自の法則で成り立っている不思議な空間を自由に駆け回り、突破していく感覚に魅了されます。角度を変えてあたりを見回すたびに、意外な発見がつぎつぎともたらされ、新たに広がる世界に興味が尽きません。直線で表現された人工的な美しさを湛えるアートに、自然を感じさせる演出が挟まるのもすてき。遊園地のビックリハウス的な作用があり、人によっては酔ってしまうかも。
週刊ファミ通1693号より
幾何学模様をベースとした、無機質でアーティスティックなステージは、一人称視点との相乗効果で探索を神秘的に。パズルは脱出系がメインのシンプルなルールながら、重力を切り換えて立体ステージを進むスタイルが、確かな手応えをもたらす。テキストは排除され、ヒントも表示されないため、ブレイクスルーが必要な場面もあり、難度は高め。それゆえ、正しいルートで進んでいるのか不安になることも。
週刊ファミ通1693号より