法律を題材にして、論理パズルのゲームとしてまとめ上げていることに感服。捜査書類とにらめっこしながら、過去の判例を用いたり、供述のほころびを発見するなどして有罪を証明するプロセスがおもしろい。何より、正義を執行するだけではなくて、後ろめたい気持ちを抱かせるストーリーが刺激的。なかなか思い通りにいかないこともあってもやもやするときもあるけれど、引き込まれます。
週刊ファミ通1682号より
ゲーム画面の視認性はいまひとつ。警察署内の人間関係も文章を注意深く読まないと把握しにくいのですが、あれこれ推測しながら書類を読み返す作業には不思議な中毒性があります。法的判断の根拠の何たるかが身に付く知的好奇心と、複数の事件がつながっていくストーリーへの好奇心が同時に刺激されるのもいいですね。コマンドバトル風の尋問シーンなど全体的に毒気が強めな点は好みの分かれるところ。
週刊ファミ通1682号より
警察の構造的な問題への批判など、強烈なメッセージ性を感じる作品。正義を貫いたためにゲームオーバーになったり、クリアーして後味の悪い思いをしたり、有罪と無罪のどちらに転んでもモヤモヤしたり。そんな仕掛けもあり、マルチエンディングということもあって、ほかに解決策はないか、ゲーム内資料を掘り起こし、首っ引きで探求に熱中してしまいます。和訳もすばらしい。操作にはやや難あり。
週刊ファミ通1682号より
絵的要素を極力排除し、事件を現場でなく事務室で描く野心的なテキストアドベンチャー。無機質な文体で書かれた供述調書に何度も目を通すことで浮かんでくる物語。証言の矛盾や些細な事実を積み重ねて事件を解決していく様は、社会派ミステリー小説を読み解くような感覚に近い。何十もの選択肢から答えを選ぶため、運要素皆無の激ムズ仕様。失敗時のフォローやヒント機能が充実していれば……。
週刊ファミ通1682号より