人狼ゲームをモチーフとして物語や演出面に盛り込むだけでなく、役割を変えながらくり返しプレイし、推理や言動も自分で考えて行うという、醍醐味をしっかりと体験できるひとり用のゲームとして仕上げたのが見事。1プレイがすぐに終わるのもあって、何度も遊びたくなるうえに、周回を重ねるごとに解き明かされていく部分もあり、アドベンチャーとしてのおもしろさも両立させていることに舌を巻く。
週刊ファミ通1642号より
ひとたび始めてしまうと、1回10分程度の人狼ゲームの勝敗に一喜一憂し、時折発生するストーリーイベントの衝撃におののき……といったサイクルから抜け出せなくなります。“このイベント”を“このタイミング”で見た、という強烈な一回性を誰もが体験できる強固なゲームデザインに、ただただ感服です。本編以外の要素の少なさを底知れなさと感じてしまうのは、さすがに贔屓目が過ぎるでしょうか。
週刊ファミ通1642号より
絵画的な立ち絵と言語不明の不思議なボーカル曲が、独特のSF世界を形作っています。背後に真実の物語を匂わせつつ、とにかくいまを生き延びるのにその都度集中させられる構成が巧み。敵だと見破ったのに、仲よしへの投票をためらってしまうなど、プレイヤーの人間くさい感情も引き出される、人狼ゲームの見事なアレンジです。オリジナルと同様に疑い疑われる状況が続くので、苦手な人もいそう。
週刊ファミ通1642号より
遊ぶ人数やルールで敷居が高めになりがちな人狼ゲームを、未体験者でも気軽に遊べる形でゲームに落とし込んだデザインが見事。対人プレイに比べるとヒリヒリする駆け引きこそ薄いが、キャラや物語の掘り下げ、経験値による能力アップといったゲーム的アプローチでの没入感あり。くり返しプレイが基本で、淡々とした進行に感じるときもあるけれど、人狼ゲームを短時間でサクサク遊べるのは魅力的。
週刊ファミ通1642号より