クロスレビュー
牧場が舞台だが、畑仕事や家畜の世話などをバリバリこなしていくシミュレーションではなく、老婆が気ままに余生を過ごすという変わり種。チュートリアルがなく、操作や遊びかたに少し戸惑うけれど、できることが限定されているので、次第に理解できる仕組み。暖色系の温かさが感じられるグラフィックの世界で、残り少ない人生最期の時間をどのように暮らすか? いろいろ考えさせられる作品。
週刊ファミ通1578号より
おばあさんの晩節を体験するという珍しいコンセプトの作品だが、終活への関心が高まる昨今では現代的なテーマに感じられ、描かれる物語は心に染み入るものがある。生活自体はゆったりした趣だけど、すぐに1日が過ぎていくので、意外に忙しさやたいへんさを感じるかも。最初はできることを把握するのにもひと苦労するので、もう少し説明が欲しかった気もするが、手探り感も楽しさのうちかな。
週刊ファミ通1578号より
孤独な環境でスローライフを満喫できると思いきや、リアルタイム進行するゲーム内時間の速さと、お婆さん(プレイヤーキャラ)の行動の遅さに、シリアスに向き合うことになります。くり返しプレイし、状況で示される小目的を達成していくことで、荒涼としたアートスタイルの向こう側にある“豊かさ”が見えてくるでしょう。たまに発生する珍現象が、演出なのか不具合なのかがわかりにくい点は困りもの。
週刊ファミ通1578号より
テーマ、ビジュアル、サウンド、すべてが詩のように美しい。ゲームとして楽しいかどうかは“?”ですが、心に残る体験となることは確か。加えて、興味を持ったユーザーが、ためらわずに手に取れる価格であることを評価しました。やりたいこと、やるべきことが多いのに対し、動作がのろく、時間も足りず、もどかしいことこのうえなし。ですが、それこそが彼女として生きる、本作の大切な部分なのです。
週刊ファミ通1578号より
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