サイバーパンク風の世界観、レトロPC風のグラフィックに加えて、バーテンダーとしてお客にカクテルを作って提供するという内容が独創的でいい。出すカクテルによって物語の展開が変わっていくところもおもしろい。話をガンガン進めるタイプではなく、BGMに耳を傾けながら客の好みのカクテルを作り、会話を楽しみ、じっくりと世界観に浸るタイプの雰囲気ゲー。それだけに、好みは分かれそうかな。
週刊ファミ通1510号より
店にやって来るさまざまな珍客にカクテルを提供しつつ、物語を読み進めていく構成がユニークで、バーテンダー気分を味わえるのもステキ。作るカクテルによってストーリーが枝分かれするシステムは興味深いが、分岐のポイントや条件がわかりにくいかな。セクシャルな話題が多めですが、レトロなデザインと音楽、そしてサイバーパンクの世界観が好きなら、この雰囲気に酔いしれることができるかと。
週刊ファミ通1510号より
常連客や珍客と交わす淡々とした会話の中に、舞台世界の情勢やテクノロジーに関する情報がさりげなく盛り込まれ、ゲーム内日数を重ねるごとに新鮮な発見があります。カクテル作成パートのリスト検索がもう少しスマートなら……といった不満はありますが、サイバーパンク風の世界観にマッチしたBGMと、レトロPCゲームを想起させる各種演出が織り成す夢幻泡影ムードに浸れるだけで、大満足です。
週刊ファミ通1510号より
同人的なノリも含めた独特のムードが光る、唯一無二の作品性に強く引かれました。バーテンダーと客という特殊な距離感での会話を通して、謎めいた作品世界やワケありの登場人物像が少しずつ浮き彫りになる構成がすばらしい。主人公の私生活についての赤裸々な描写には、胸をえぐられます。カクテル作りやジュークボックスでの選曲が、アンニュイな空気やテンポを生む仕掛けとしてうまく機能。
週刊ファミ通1510号より
良かった点
■人生の教科書にもなる
プレイヤーはバーテンダーとなり、色んな事情を抱えるお客さんにお酒を提供するだけなのだけども、そこでお客さんが話すことには、「あ、そういう考え方面白い」と思えるようなセリフや会話が多い。
凄く為になった。これだけでもプレイしてよかったと思える。
■曲
曲がどれもなかなかよくて、予約特典(初回特典か?)でサントラがついてきたんですが、全曲じゃないので全曲収録したサントラが欲しい。
■お酒飲みたくなってくる
ここまでお酒とおつまみ片手にやりたくなるゲームもなかなか・・・。
あの「オン・ザ・ロック」作るときの氷の音が個人的にはいけない。飲みたくなる音だ(笑
そんな私はハイボールとさけるチーズ(スモーク味)片手にプレイしてましたが、やっぱジル(主人公)に作って欲しいよ・・・。
■個性的なキャラクター
ADVなので基本的には、お酒を作って(これが選択肢の代わりになる感じ)テキストを読み進め、エンディングを目指すだけなのですが、どのキャラもかなり個性的で飽きさせない。
特に女の子はどいつもこいつも可愛すぎる!!!
悪かった点
■頭を空っぽにしてプレイはできない
かなり会話が小難しい感じに作られているので、頭を空っぽにしてプレイしたいって人には向いてない。
通常の会話はSFチックで哲学的な会話が多い。
が、この世界観にハマる人はハマる。ハマった。
■同性愛
それほど強い描写があるわけでもないが、割と同性愛に対して偏見の少ない世界観なので、苦手な人はどう思うか・・・。
でもそんな人にこそやってほしいとも思う。
(同性愛者の苦悩、的なものは一切出てこない)
■下ネタがいっぱい
下ネタに嫌悪感を抱くとか、笑えないって人はやめたほうがいいかな・・・。
■システム
vitaだと指でドラッグしたりするのですが、これが微妙にめんどくさい。
vitaTVのほうがやりやすい。
とにかく色々理解ある大人の方がプレイすべきゲーム、という印象。
総評
お酒のように色んな味があって、奥深いゲームでした。
テキスト周りで結構不具合が多いゲームだったのですが、アプデで改善されました。
(そのせいで一部ちゃっちくなってしまったが!)
まだ「改善されてない!」って部分もありますが、それほど気にするようなことでもない。
人生に対して憂いがあったり寂れた背中の人がプレイすると、色々と考えさせられるゲーム。
難しいこと考えるのが好きだとか、考えすぎるのが好きって人にはオススメ。
かなり文学的なゲーム。
あとパケ版はリバーシブルになっているのですが、裏面の方が可愛い。