■■ようやく発売された『3』■■
糸井重里氏の名作RPG『MOTHER』。
前作、前々作ともにクリア済みで、その感動は未だに色あせていない。
『1』(ファミコン版)をプレイしたのは小学生の頃。
『2』(スーパーファミコン版)は中学生。
『2』から『3』が発売されるのに要した年月は、実に12年。
いまや家庭も持った社会人である私がプレイする『3』。
時間の経つのはあっという間だな〜と感慨深くプレイした。
■■シナリオ・世界観■■
このシリーズのキモといえるのが、糸井氏のシナリオ。
『3』でもちょっとせつなくて、ちょっとヘンな物語が展開する。
また、登場人物だけではなく、建物や武器、アイテムまで
ひとくせもふたくせもある『MOTHER』らしい世界が
広がっていて、この世界にドップリ浸かれるシアワセ。
これはまぎれもなく『MOTHER』。
12年も待っていた甲斐があったというもの(笑)。
■■相変わらず熱いバトル■■
『MOTHER』シリーズ伝統の“ドラムシステム”は健在。
HPが徐々に(ドラム回転式に)減っていくので、どんなに大ダメージを受けても
ドラムが「0」に到達する前に敵を倒せば、戦闘不能にならずに済む。
『1』をプレイしたときにはこの素晴らしいアイデアにシャッポを脱いだ(脱帽した)記憶がある。
これに“サウンドバトル”が追加されたことを歓迎したい。
戦闘時の音楽のリズムを見抜いて、そのリズムに乗って攻撃ボタンを押せれば最大15回の追加攻撃が出来る。
これによってバトルに緊張感が生まれている。
■■微妙な違和感は、年をとったせいなのかな■■
ただ、『1』『2』をプレイしたときのワクワク感が『3』ではあまり感じられなかった。
「さあ、冒険に出発だ!次の町はどこかな?たどり着けるかな?」
といった感じがなかった。RPGにとって大事だと思う。
『3』では、全体マップの狭さと一方的なシナリオ展開が災いして
期待していたようなドキドキ感が無かったのだ。
マップが切り替え式なのも、意外と冷める原因だったかも。
また、『2』をクリアしたときは涙が止まらなかったんだけど、
今回は「ああ、クリアしたな」と冷静だった。
(え?それは年をとったせい?)
■■さいごに■■
『MOTHER』シリーズ未経験の人はこの世界観を体験してみて欲しいし、
シリーズをプレイ済みの人も『MOTHER』の結末を見て欲しいので是非。
私的には、もっと“冒険っぽい冒険”をしたかった想いが強く残ったので
すこし辛口の71点です。
長い空白の後登場した有名シリーズの続編。
ナンバーは続編であるが、ファイナルファンタジー等と同様
ストーリーは独立していると言えるので、
特別に前作を遊んでいなくても問題はない。
尚、マスコットキャラクター等は前作を引き継いでいる。
オーソドックスなRPGのつくりではあるが、
全体的に糸井氏ならではのファジーさが介入する。
戦闘時のHPは回転するリールのように表示され、
たとえばHP100のキャラクターが120のダメージを
受けたとしても、リールが回転し徐々にHPが減っていくため、
0になる前に回復が成立すれば戦闘不能になることはない。
また、攻撃する際BGMのリズムにあわせて
ボタンを叩くことでダメージにボーナスがつく。
しかしやはり特筆すべきはテキストの表現であり、
ドット絵とテキストによる表現は糸井氏ならではの暖かみがある。
これには一見の価値があり、
これこそが筆者がもっともこのゲームにおいて薦めたい箇所である。
ストーリーは序盤から非常に重要な展開があるため
具体的なことに触れることはできないが、
問題提起、メッセージ性を豊富に含んでいる。
不満点として、張られた伏線の未消化感、
BGMと不協和な効果音が入ってしまうことへの不満、
もう少しストレートな表現のエンディングが欲しい、
という点を挙げておきたい。
採点に非常に迷うところではあるが、
他の方々が高得点をつける事が予想されるので
あえて75点にとどめたいと思う。