タイムトラベルが題材なだけあって、SF好きにはたまらない内容。複数の主人公の視点が絡んでいく展開は、時間ものとしてうまく落とし込まれており、グイグイと引き込まれる。ニンテンドー3DS版は、イベント以外の文章が下画面に集約されているため、プレイしやすい印象を受けた。
週刊ファミ通1231号より
ストーリー展開が秀逸。いいところで“TIME STOP”がかかるため、先が気になってやめどきが難しい。とくに、謎が収束していく終盤は圧巻。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などのタイムトラベル作品のオマージュが随所にあって、ついニヤニヤしてしまう。味のある用語解説もよかった。
週刊ファミ通1231号より
ザッピング形式のアドベンチャーゲームとしては、従来のものから大きな変化は少なく、難度は低め。ですが、それらのシステムと物語構造の結びつきが強く、ゲームでしか作りえない説得力と感動を生み出しています。3DS版は選択肢が下画面で表示されるので、見やすさの面で上。
週刊ファミ通1231号より
操作中の主人公の行動が、ほかの人物たちの状況に影響するという、ザッピングものとしてはオーソドックスなシステム。一本道ではあるけど、ドラマを観ているような物語と演出がよく、展開が気になってプレイし続けてしまう。クリアー後のお楽しみ要素もあって、いい感じです。
週刊ファミ通1231号より
この作品はイシイ監督の「428」をプレイしているかどうかによって、レビューの評価が違ってくるのではないでしょうか? ただし、この作品を購入しようと考える人の中では、428が良かったから、という理由は大きい筈。
そこが難しい。
私自身は当然、428の面白さを求めて、タイムトラベラーズを予約して購入しました。普段はアドベンチャーはそうプレイする方ではなく、RPG中心なのですが、428は特別な存在。
ストーリー・キャラクター何より、システムの良さ。テキストを読むだけ、選択だけのイメージがあったアドベンチャーと言う思いこみを壊してくれた画期的な作品でした。
今作品はその上、声フェチでもある部分も刺激してくれる、フルボイスのストーリー。これでは期待するな、という方が無理。ただこんな思いが、知らずにハードルを上げすぎていたのかもしれません。
クリアまで10時間。フルボイスを飛ばさず全部の選択をやった上で、この短さ。上がりきっていた期待感の反動で、クリア後の評価はかなり低いものでした。正直、50点がいい所だと・・・。
クリアした後もTTフォンなど不必要なモノも不快でしかなく、この時にレビューを書いていたら罵倒だけだったでしょう。
しかし、終わったあと、もう一度ルートをまわってみたら少し変わりました。
私は有理達科学部のストーリーが好きだったのですが、プレイ中はどうしても他の濃いキャラ(だれとは言いませんが、マスクの人)に意識を持っていかれがちだったのです。
それが、有理だけのルートをまわると、一本なので非常にキャラやストーリーが入りやすい。新道も、刑事もそうです。
ザッピングの面白さを求めるとしたら、つまり、システムの面白さやシナリオの厚みを期待すれば、もっと点数は下がります。
しかしノベルゲームとして、シナリオの良さ(言葉遣い・キャラの造形や演出)
を堪能したいと考えれば、70点でもいいのではないかと考え直したのです。
もちろん、自分にとって傑作だった「428」には及びません。せめてもう少し、シナリオが長ければ・・・と少々残念なのは確かです。
最後になりましたが、フルボイス・声優の演技、そしてキャスティングには文句のつけ様がないのは記しておきます。ゲームでのボイスは、どの作品もこうであって欲しいものです。