良かった点
・「ナゾトキ×映画級」というコピーの通り、アニメーションが綺麗で、音楽も作品の奥深さを感じさせるものだと感じました。
・主役二人の声の演技が前作と比べて良くなっている。自然な演技になっていて、特にルーク役の堀北さんの少年声の上手さに驚きました。(前作を経た成長がスゴイ!)
・可愛いミニゲームがあります。
・列車の旅の気分が味わえます。
悪かった点
・全年齢対象のゲームなのにナゾの難易度がとても高い。中学生レベルの数学問題ならまだしも高校レベルの知識が必要なナゾもあった。しかし、物語に関わるナゾは「ひらめき」を使って解ける問題ばかりなので、コンプリートを目指したい人が難しいナゾを頑張れば良いと思う。
・主要人物(パッケージの青年)の登場が遅い。物語の核となる人物なのだが、出番が足りないと感じた。せっかく良い声なのに…
・物語中の謎の真相が、賛否両論ありそう。ナゾを解くのが得意な論理的思考を持つ人ほど、真相に納得いかなくなるんじゃないかと思います。(イイカンジにブッ飛んだ真相なんですけどね…)
総評
前作に比べて物語の繋がりや雰囲気など様々なことが良くなっていた。個性的で魅力的な登場キャラクターやゲームシステムの良さに、はまってしまいました。ナゾは簡単なものから激ムズまで幅が広いので、飽きません。とても良いゲームに出会えて良かったと思います。
前作「〜不思議な町」から9ヶ月ほどというハイペースでリリースされたシリーズ第2作。
基本的なシステムは同じで、画面内に見えている人や建物などをタッチすることで、「ナゾ」が現れたり、ストーリーが進行したりする。操作系は前作から違和感なく行える。ナゾを考えているときの音楽まで同じだ。ヒントを見るためのアイテムが、「ヒントメダル」か「ひらめきコイン」かの違いこそあるが、それ以外はパッと見たところ、前作か本作かどちらの画面か判別がつかないほどだ。
もっとも、広くライトユーザーをターゲットにしているのだから、それは意図的に変えなかった、とみるべきだろう。
また、ナゾ自体も論理的思考を求められるものから、数学的知識を求められるもの、チェスを題材にしたもの、ジグソーパズルなど幅広いジャンルが出題され、飽きのこないものとなっている。ナゾの難易度は歯ごたえあるものも多いが、ヒントも見られるし、わからないものは後回しにできたり極力詰みにならないように工夫されている。
さて、本題の「ナゾトキ×映画級」である。
やわらかなタッチのグラフィックや、音楽はもちろん個人の好みのわかれるところではあるが、見せ方は映画のそれを意識したものになっている。
時折はさまれるアニメムービーのクオリティも高く、世界観の構築に一役買っている。物語上重要な部分ではさまれるナゾも唐突な印象は否めないが、物語に介入している気にさせられ、没入感をより高めてくれる。ここのナゾは難度が低めなのも嬉しい。
ただ肝心のストーリー自体に関しては、練られたものとは言い難い。
とある富豪の一族が物語の軸になっているが、それに関わる伏線が貼られているものの最後まできちんと回収できていないものもあり、エンディングで「あれは?」と感じた部分も。ナゾの核になっている部分も(フィクションとは言え)荒唐無稽な気もした。
設定や見せ方が面白いだけにここは惜しく感じた。
とは言え、ナゾ自体の出来もいいし、操作性もいい。世界観に没入させてくれるだけのパワーをもった作品であることには違いない。かくいう自分も前作と併せてたっぷり40〜50時間くらいは楽しませてもらった。売り上げ本数もかなり出ているので、体験しておいて損はない作品です。