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第14回 ゲーム&ウォッチ(中編)
ゲーム人生回顧録 - 乱舞吉田

 前回に続いて、ゲーム&ウォッチの話です。ゲーム&ウォッチは携帯用液晶ゲーム機の先駆けとして登場し、シルバー、ゴールド、ワイドスクリーンとシリーズを重ね、一大ブームを巻き起こしました。しかし、ブームに便乗するように他社からも数多くの携帯用液晶ゲーム機が発売され、いつしか市場は飽和状態に! そして、携帯用液晶ゲーム機ブームも終了か? と思われたころ、任天堂からゲーム&ウォッチの新シリーズ、マルチスクリーンが発売されたのです。

 

 '82年から発売されたマルチスクリーンシリーズは、従来のゲーム&ウォッチとは外見が大きく変わっていました。ふだんはコンパクトのように折り畳まれていて、パカっと開いてゲームで遊ぶのです。液晶画面が上下にひとつずつあり、2画面構成となっていました。このことにより従来の1画面のときよりも変化に富んだゲームの再現が可能になったわけです。上下に開くものと、左右に開くものの2タイプが存在しました。そしてさらに、2画面になったのに価格は据え置きで6000円のまま。これには、任天堂の意地を感じましたね。結果、マルチスクリーンシリーズは市場に溢れる多くの携帯液晶ゲーム機のなかでも、ひときわ注目を集める存在になりました。

 

マルチスクリーン

▲マルチスクリーンタイプの閉じた状態の本体写真。従来のカードタイプとは違って、ちょっと厚みのあるコンパクトタイプでした。

 

 日本で発売されたマルチスクリーンシリーズは8タイトル。なぜ"日本で"とあえて書いたのかは、のちほど説明しますね。で、その日本で発売されたタイトルは、パイプから漏れるオイルをバケツで受けてベランダから捨てる『オイルパニック』、アーケードの同タイトルをもとにアレンジした『ドンキーコング』、ミッキーとドナルドで協力してビル火災を消化する『ミッキー&ドナルド』、殺虫剤で害虫から花を守る『グリーンハウス』、掠われたドンキーコングをジュニアが救い出す『ドンキーコング2』、マリオとルイージでビン詰め工場を手伝う『マリオブラザーズ』、そのままピンボールをゲーム&ウォッチ化した『ピンボール』、トランプのブラックジャックが遊べる『ブラックジャック』です。

 

 本体のデザインから注目を集めたマルチスクリーンシリーズですが、その中でいちばん人気だったタイトルが『ドンキーコング』!! これは同社の同名アーケードゲームを、ゲーム&ウォッチに移植したものです。移植と言っても全4面からなるアーケード版を、2画面とはいえ液晶画面でソックリ再現するのは常識的に不可能。しかしゲーム&ウォッチ版の『ドンキーコング』は、アーケード版の特徴的な要素の中から、25メートル(1面)の樽ジャンプと100メートル(4面)の足場崩しのふたつに特化。それにアレンジを加えて、2画面からなるオリジナルゲームとしてまとめあげられていたのです。もとのアーケード版自体が非常に知名度が高くて人気もあったゲームですが、そのテイストを引き継ぎつつ、ゲーム&ウォッチ風のアレンジも効いている。そして何より、ゲームとして遊んで楽しい! マルチスクリーンという本体のデザインも新しい。ゲーム&ウォッチの『ドンキーコング』は、すべてにおいて傑作と呼ぶにふさわしいデキだったのです。なので爆発的にヒットしました! もう、メチャクチャ売れました。たしかゲーム&ウォッチのなかで、いちばん売れたタイトルだと記憶しています。僕も買いましたし、持っている友だちも多かったですね。そうそう、操作性もよかった。いまではファミコンでおなじみの+ボタンですが、それが初めて採用されたのがこの『ドンキーコング』なんですよ。

 

液晶表示を全開にした『ドンキーコング』

▲これが、『ドンキーコング』。そのすべての液晶表示を全開にした画面です。遊んだことがない人でも、これである程度どんな動きのゲームなのか、わかってもらえるんじゃないかな?

 

 爆発的に売れた『ドンキーコング』のあとも、マルチスクリーンシリーズは続々発売されていくのですが、その売上は少しずつ下降線をたどっていったようです。実際にゲーム内容で『ドンキーコング』を越えるものありませんでしたし、2画面同時にゲーム進行するものあり、それは斬新な反面、難易度が高めになりがちでした。また、2画面である必要性のないゲームデザインのものもありました……。結局、『ドンキーコング』に始まり『ドンキーコング』で終わったシリーズとも言えるでしょう。また、このころのゲーム&ウォッチは、マルチスクリーンシリーズと平行して、もうひとつのシリーズも展開されていました。それは、従来の1画面タイプに戻ったニューワイドシリーズです。

 

 ニューワイドシリーズは、'82年から日本で3タイトルのみ発売されました。アーケードの同タイトルをもとにアレンジした『ドンキーコングJR』、マリオを操作してセメントを落とさないように運ぶ『マリオズ・セメント・ファクトリー』、ゴールドシリーズのリメイク版の『マンホール』です。すでに携帯用液晶ゲーム機ブームは去りつつあったため、『ドンキーコング』以降のマルチスクリーンシリーズ同様、爆発的なヒットはありませんでした。『ドンキーコングJR』は、1画面にしてはよくできていて、けっこうおもしろかったのですが……。

 

 そしてゲーム&ウォッチは、'83年以降、任天堂自身の手により、じょじょにフェードアウトしていくことになります。そう、あの"ファミコン"こと"ファミリーコンピュータ"の登場によってです。子供たちの興味は、完全にファミコンへと移り変わって行きました。ファミコンの発売後もゲーム&ウォッチの新シリーズは発売されていたのですが、いずれも短命で終わっています。ちなみにファミコン発売後のゲーム&ウォッチシリーズには、カラー液晶を取り入れ卓上型となった"カラースクリーン・テーブルトップ"、そのコンパクト版の"パノラマスクリーン"、高級感をウリにした"スーパーカラー"、対戦プレイに重点を置いた"マイクロVSシステム"などがありました。

 

 というわけで、ファミコンの登場で日本ではブームが去ってしまったゲーム&ウォッチですが、海外ではその後も安定した人気を保っていたようです。前述で"日本で"とあえて書いていたのは、その理由によります。ゲーム&ウォッチの中には、海外販売のみで、日本では発売されなかったタイトルがけっこうあるんですよ。『ドンキーコング』のほかに、任天堂の看板タイトルのゲーム&ウォッチ版があること、知っていましたか? そんな日本未発売の代表作を、次回にて紹介したいと思います。

 


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