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【見習い記者の取材日記】
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第8回 オリジナルタイトルがズラリッ! カプコンのゲームキューブ新作発表会に潜入!
第7回 年末商戦を徹底考察! ユーザーが期待する商品ランキングも発表します!!
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第5回 『FFX-2』が発表されたSQUARE MEETING 2002 AUTUMNを取材!
第4回 Computer Entertainment Rating Organizationについて学ぶ!
第3回 ASOBITCITYを遊びながら取材!
第2回 CEATEC JAPAN 2002を取材!
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第10回 いきなり飛び込んだ衝撃ニュース! エニックスとスクウェアの合併劇を考える!
【見習い記者の取材日記】

●ゲーム業界を驚愕させた出来事に僕も驚愕!

 

 "もしかして来週も店頭取材? と上司のほうに目をやると、「来週も取材行けよ!」と言わんばかりに満面の笑みを浮かべておりました。11月28日にはこの日以上の行列が発生するのでしょうか? こうご期待!"……と、先週はこんな感じで締めましたが……スイマセン!! それどころじゃなくなってしまいました!! 

 こんにちは。新人記者I(ウソツキ)です。このコラムを読んでくれている人にウソの予告をしてしまい心苦しいです。そもそもなぜこうなってしまったのか? すべては11月26日。あの衝撃的ニュースが事の始まりでした。そうです! あの大手ゲームメーカー、エニックスとスクウェアの合併劇です! コラム10回目にして最上級にビッグなネタが舞い込んで来ちゃいましたよ! というわけで、今回のコラムは当初の予定を変更して、11月26日のエニックスとスクウェアの合併劇について書いていきます。両社をいろいろな角度から比較しつつ、このビッグニュースを取り上げたマスコミの反応も調べたいと思います。では、今週もコラムスタートです。

 

●まさかの合併! でもなんでエニックスとスクウェアが合併したの?

 

 僕はこのニュースを聞いたとき、嘘っぱちだろうと思いました。が、上司みずからファミ通.comの速報記事を書いたり、一般のニュースサイトにまで"エニックスとスクウェアが合併"の文字が踊っているのを見ると、信じるしかなくなりました。ファミ通編集部に送られてきたエニックスとスクウェアの合同記者会見の案内を見た上司や諸先輩たちは慌ただしく取材に向かい、僕ひとりが置いてけぼり。いつもは頼んでもいないのに取材に行けとか言うくせに、こういうビッグニュースになると横取りするなんてヒドイです。頭にきたので、上司の机を勝手に物色してやりましたよ。すると今回の合併について両メーカーから送られてきた資料を発見。そこにはこんなことが書いてありました。

 

合併に関するお知らせ

株式会社エニックスと株式会社スクウェアは、平成14年11月26日に行われる取締役会で、平成15年4月1日より両社が対等の精神に基づき合併することを決定しました。新社名は"株式会社スクウェア・エニックス"を予定。

 

 "スクウェア・エニックス"! 漠然と"エニウェア"とか"スクックス"とかになるもんだと思ってました! でもこのほうがシンプルでいいですね。そしてつぎに両社の合併目的が書かれていました。

 

合併の目的

コンピューター技術や通信環境の急速な進歩、普及により、事業機会、展開領域、市場がますます増大し、多様化するゲーム業界で、いかに成長を継続していくのかが、企業のもっとも重要な課題です。コンピューターゲームは創造力や技術力など、デジタルコンテンツにかかるあらゆる能力を必要とします。『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』といった世界的なゲームを生みだしてきた両社が一体となることで、収益基盤を大幅に強化できるばかりか、クリエーター、コンテンツ資産に対する確固たる求心力を最大限に活用したいと考えての合併です。世界最高品質のデジタルコンテンツ・メーカーを目指します。

 

 なるほど。海外も含め、これからさらに広がるであろうゲーム市場を見越して、より質の高いゲームを作る体制を整えるための合併、というわけですね。

 

●今回の合併をエニックス、スクウェア両社長はどう思う?

 

 さて、今回のエニックスとスクウェアの合併劇について、両社の代表はどのような考えを持っているのでしょうか? 会見で何を語ったのか? 両社合同の記者会見を取材してきた上司に尋ねてみると、1本のカセットテープをこめかみに投げつけられました。僕は苦痛で悶絶しながらテープを聴いてみました。

 

エニックス社長 本多圭司氏
(新会社副社長就任) 

スクウェア社長 和田洋一氏
(新会社社長就任) 

本多氏

和田氏

今後ゲーム業界は大幅に変わります。その中で、スクウェアの技術、エニックスの外部資源を融合して、世界中のゲームファンが「すごい!」とうなるようなデジタルコンテンツを作っていきたいと思います。まえまえから和田社長とは、非常に近い考えを持っていました。この2社が協力しあえば、とんでもなくおもしろいことができるのではないか、と思っていました。こんなものがこの世にあったんだ、と思われるようなものを作り出していきたいですね。

今回の合併は攻めの合併です。さらにゲームユーザーの方に喜んでもらうため、また勝ち残っていくために合併を決断しました。エニックスは業界でももっとも優良な会社。スクウェアも完全に業績を回復し、まさに両社が最高の状態での合併となります。またこの2社は、理想的な補完関係にあります。『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』という大きなタイトルを持っていますが、テイストも違い、ユーザーの見かたもまったく違うタイトルです。海外展開についても補完しあっており、オンラインについても、違うタイプの展開をしています。この補完関係をうまく合併に活かし、新しいデジタルコンテンツを作り出したいと思います。

 

 なるほど! 世界最高のソフトメーカーを作る!! すべてのゲームファンをうならせる作品を作る!! 両社長はこう言っているわけですね。カ〜ッコイイ!!

 

強力タッグ結成

▲写真左から、スクウェア社長の和田氏(新会社社長就任)、エニックス会長の福嶋氏(新会社会長就任)、エニックス社長の本多氏(新会社副社長就任)。強力なタッグが誕生した瞬間だ!

 

●僕なりに両社を比較してみました

 

 ゲーム業界を代表する大手ゲームメーカー、エニックスとスクウェア。ともに『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』という強力すぎるRPGを抱えています。一般的に見れば両社は好敵手どうし。その両社が合併したのですから世間が驚くのも無理はありません。そこで合併を記念して僕が両社をいろいろ比較してみましたよ。

 

エニックスとスクウェアを比べる−会社編

 

エニックス

スクウェア

会社設立時期

1980年

1966年

資本金

69億4000万円

119億4500万円

東証一部上場時期

1999年

2000年

従業員数(2002年9月末)

140人

891人

 

 続いてエニックスとスクウェアの看板ゲーム、『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』両シリーズの国内累計出荷本数を調べてみました。

 

国内累計出荷本数−『ドラゴンクエスト』編

タイトル

ハード

発売日

出荷本数

ドラゴンクエスト

ファミコン

`86年5月27日

150万本

ドラゴンクエストII 悪霊の神々

ファミコン

`87年1月26日

242万本

ドラゴンクエストIII そして伝説へ……

ファミコン

`88年2月10日

378万本

ドラゴンクエストIV 導かれし者たち

ファミコン

`90年2月11日

304万本

ドラゴンクエストV 天空の花嫁

スーパーファミコン

`92年9月27日

280万本

ドラゴンクエストVI 幻の大地

スーパーファミコン

`95年12月9日

320万本

ドラゴンクエストVII 〜エデンの戦士たち〜

プレイステーション

2000年8月26日

411万本

※メーカー発表をもとに2002年10月末現在のデータを掲載しています

 

国内累計出荷本数−『ファイナルファンタジー』編

タイトル

ハード

発売日

出荷本数

ファイナルファンタジー

ファミコン

`87年12月18日

51万本

ファイナルファンタジーII

ファミコン

`88年12月17日

76万本

ファイナルファンタジーIII

ファミコン

`90年4月27日

140万本

ファイナルファンタジーIV

スーパーファミコン

`91年7月19日

133万本

ファイナルファンタジーV

スーパーファミコン

`92年12月6日

245万本

ファイナルファンタジーVI

スーパーファミコン

`94年4月2日

255万本

ファイナルファンタジーVII

プレイステーション

`97年1月31日

328万本

ファイナルファンタジーVIII

プレイステーション

`99年2月11日

364万本

ファイナルファンタジーIX

プレイステーション

2000年7月7日

279万本

ファイナルファンタジーX

プレイステーション2

2001年7月19日

249万本

ファイナルファンタジーXI

プレイステーション2

2002年5月16日

21万本

※メーカーの発表をもとに2002年9月30日現在のデータを掲載しています

 

ドラゴンクエストVII

ファイナルファンタジーX-2

▲全7作品の合計出荷本数が2000万本以上を記録している『ドラクエ』シリーズ。

▲『FF』シリーズは全11作品をリリースして、合計出荷本数2141万本。

 

●ゲーム業界に衝撃の与えた11月26日にマスコミの反応は?

 

 ゲーム業界を大きく揺るがせた11月28日のエニックス、スクウェアの合併劇。週刊ファミ通はもちろん、あらゆるメディアがこのニュースを新聞、雑誌で取りあげました。そこでここでは、11月26日当日の夕刊、翌日の朝刊などからこのニュースの見出しを抜粋して、各マスコミがどのように一大合併劇を受け止めたのかご覧ください。

 

各マスコミの"エニックスとスクウェアの合併"の記事見出し

ファミ通.com(11月26日)

「"イノベーションをどのように起こしていくか、その体質を作るための合併です"」

朝日新聞(11月26日夕刊)

ドラクエ ファイナルファンタジー エニクス・スクウェア合併 来年4月

日本経済新聞(11月26日夕刊)

エニックス・スクウェア合併 ゲームソフト 開発力を強化 来年4月に 

読売新聞(11月26日夕刊)

FF・ドラクエ合併

読売新聞(11月27日朝刊)

生き残りへ体力強化 スクウェア エニックス 市場頭打ち、製作費高騰

日本経済新聞(11月27日朝刊)

ゲーム関連株が人気 ゲームソフト再編の引き金に

日経産業新聞(11月27日朝刊)

強者連合 主導権狙う

日刊工業新聞(11月27日朝刊)

多領域利用 世界と競争 攻めの合併、規模追求

日本工業新聞(11月27日朝刊)

ゲームソフト業界7位規模に

朝日新聞(11月27日朝刊)

"いいゲーム"へ体力強化

日経MJ(11月27日)

ゲーム共存 物語第二幕

スポーツニッポン(11月27日)

無敵の呪文だ 最強の魔法だ "合体"

日刊スポーツ(11月27日)

ゲーム業界の勝ち組ガッチリ合併 ゲーマー残念?ソフトの内容が合体しません

週刊ファミ通12月13日号(11月29日売り号)

衝撃のビッグニュース! エニックスとスクウェアが合併を発表!

 

 

●この合併がゲーム業界に革命を起こすか!?

 

 そんなワケで今回のコラムでは、いまだかつてないほどのビッグなニュースを取り上げてしまいました。いやぁ〜、驚きましたね。まさかエニックスとスクウェアが合体しちゃうなんて。いわばスライムがチョコボに乗って走り出すってことですからね(違うかな)。会見の席でエニックスの本多社長の「スクウェアとエニックス、この2社が協力しあえば、とんでもなくおもしろいことができるのではないか」という言葉。スクウェアの和田社長の「今回の合併は攻めの合併です。さらにゲームユーザーの方に喜んでもらうため、また勝ち残っていくために合併を決断しました」という言葉。この力強い両社長の言葉に感動したゲームファンも多いはず。新会社、スクウェア・エニックスの今後に注目していきましょう!


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