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【見習い記者の取材日記】
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第4回 Computer Entertainment Rating Organizationについて学ぶ!
【見習い記者の取材日記】

●秋も深まり仕事が多忙になってきた僕に辛く当たるコラム

 

 こんにちは。新人記者Iです。ここ最近仕事多いためか、妙に体がだるいんです。そのことを周囲の人たちに漏らすと、「たいして仕事もしていないクセに(同期編集者)」とか「おまえが仕事の安請け合いをするからだ(上司)」とか「疲弊役者(諸先輩)」と、100パーセント逆ねぎらいの言葉を僕に投げつけてくるんです。おかげさまで最近すっかりネガティブです。そんな悲しい日常を払拭すべく、初めてデジタルカメラを買いました! さっそく周囲の人たちに「このデジカメは300万画像なんですよ〜」って自慢してやりましたよ! そしたら諸先輩がなぜか悲しそうな顔で「……すごいねー。よかったねー」と一言。その微妙なリアクションに僕は激怒! 300万画像はデジタルカメラの中では優秀な性能なはず。もっと興味を持ってくれてもいいのに! と思いつつデジタルカメラの説明書に目をやると……300万なのは画像じゃなくて画素でした。300万画像だとしたら、一生かかっても撮りきらないでしょう……。少々切なくなりつつ、今週のコラムスタートです。今回はいつもにも増して難しいテーマを選んでしまいました。

 

●CEROって言われても困るんですけど……

 

 ある日僕が出社すると、大人気ない上司がいきなり僕の首根っこつかんで「CERO(セロ)を勉強しろ!」と言うではないですか。……CEROってなんですか? ゲーム? 人名? 場所? いきなり路頭に迷った僕。そこで僕の隣に座っているある先輩に質問してみると、面倒くさそうな表情をまったく隠さない失礼な表情で、以下のように答えてくれました。

 

         先輩の教え

CEROとは"Computer Entertainment Rating Organization(コンピュータエンタテインメントレーディング機構)"の略称。コンピュータエンターテインメント文化の健全な発展のため、表現の自由を最大限に尊重しつつ、ゲーム内の表現を社会常識的に審査して、そのゲームの対象年齢を決定する団体。今年の6月に発足。ゲームメーカーは自社のゲームソフトが社会の求める倫理水準に適合するかどうかの判断をCEROにしてもらう。年齢制限を必要とするゲームソフトに関しては、いくつかの年齢に区分けされたマークをパッケージに明示することができる。このようにゲームソフトの内容を倫理的に審査して、対象年齢を振り分けることをレーティングと呼ぶ。

 

 ようするにゲーム中の表現が、その年齢の人に見せてもいいかどうかをはっきりと線引きをしてくれる団体、というわけだ。なるほど。

 

●じゃあこんな場合は審査対象に入るの?

 

 とりあえず、CEROが家庭用ゲームソフトの内容から対象年齢を審査する団体だ、ってことはわかりました。しかし、そこで疑問が浮かびました。たとえばオンラインゲームの場合、いくらゲーム内容が倫理水準に適合していても、チャット等でおげれつなセリフがバンバン発せられたらダメなんじゃないんですか? そこで、僕の隣の先輩に再度取材しようとしたら、「俺に取材するな! 自分で調べろ!」と怒鳴られたので、反省してCERO側に取材してみました。

 

         取材の結果

アーケードマシンとかは審査してくれるんですか?

基本的に国内で販売される家庭用ゲームソフトのみ。パソコンゲーム、アーケードゲーム、携帯電話コンテンツは含まれません。

じゃあ家庭用オンラインゲームは?

ゲームの骨格部分は審査しますが、チャットや掲示板などユーザーの手で変化する部分は対象外です。

隠しコマンドや裏技で、いかがわしいモードをプレイできるように作られていたら?

本編以外でも、ゲームに収録される表現はすべて審査の対象です。

ではパッケージや説明書に、お下劣なことが表記されたらどうですか?

パッケージや同梱される印刷物、販促物も同様に審査します。ただし、テレビや雑誌の広告は含まれません。

 

●どういう表現が審査の対象になるの?

 

 倫理水準に適合した表現って言ってますけど、正確にどんな表現がよろしくないのでしょうか? さっきまで隣で寝ていた諸先輩の姿が見あたりません。これは、「もう俺を頼るな」という先輩の無言の教えと思い、再度CERO側に取材しました。

 

         審査対象になる表現

性表現

性器、局部、性行為、性行為に関連する抱擁と愛撫、性的刺激を目的とする排泄、下着の露出、不倫、強姦、近親姦など

暴力表現

出血、身体の分離と欠損、死体、子供に恐怖を与える表現、対戦格闘、ケンカなど

反社会的行為表現

犯罪助長、飲酒、喫煙、麻薬、ギャンブル、虐待行為など

言語・思想関連表現

放送禁止用語、差別用語、、差別を助長する用語、人物・国・宗教・政治の敵視、蔑視、非難、中傷など

その他

上記と同等と判断された表現

 

 ゲームソフトを審査する際、以上の表現が審査の対象となります。その表現の種類、度合いなどによって、ゲームソフトに"対象年齢"が割り振られるのです。CEROが定めた該当区分は"全年齢対象"、"18歳以上対象"、"15歳以上対象"、"12歳以上対象"、"教育系/データベース系"の5種類。これら5種類のマークがそれぞれのゲームソフトのパッケージに明示されるというわけです。

 

●CEROに審査してもらうまでの流れは?

 

 ゲームメーカーがCEROに審査を依頼するには、まず対象ゲームの映像や資料、問診票を、任意でCEROに提出します。それを受け取ったCEROが、ゲーム業界とは関連のない、一般人3名を審査員として選出。その3名がゲームソフトを審査して、結果をCEROに報告する。その報告をもとにCEROが適性年齢をはじき出し、ゲームソフトの該当区分が決定する、というわけです。あとは審査を依頼したゲームメーカーが、その報告に納得すればすべて終了。めでたくパッケージに、該当区分のマークが貼られる、というわけです。

 

▲ナムコから11月28日に発売されるXbox用ソフト『デッド トゥ ライツ』は、CEROの審査の結果、18歳以上対象ソフトに指定されたぞ。

 

●レーティング制度は広がるか!?

 

 さて、今回はCEROについて学びましたが、みなさんいかがでしたでしょうか? ゲームメーカーが任意で審査を依頼したゲームソフトを、倫理的に検討し、対象年齢を決めるレーティング制度。もしこの制度が広がって、すべてのゲームソフトに対象年齢のマークが表示されたらどうなるのでしょう? もちろん、対象年齢のマークには絶対的な権限はなく、あくまでもソフトを買ううえでの判断基準のひとつ、ということになります。でもこの制度が欧米のように定着すれば、ゲームソフトの買いかたに変化が出てくるかもしれませんね。今回、CEROについて学んでみて本当にそう思いました。あっ! あといいかがわしい表現で僕を辱める諸先輩たちを、一度CEROに審査してもらおうと本気で思いました。

 

(C)2002 NAMCO HOMETEK Inc. ※画面は北米版『デッド トゥ ライツ』の開発中のものです。

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