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第6回 『ゼビウス』(中編)
ゲーム人生回顧録 - 乱舞吉田

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 今回も『ゼビウス』について書きます。ゲームセンターに入荷されたばかりの『ゼビウス』をひと目見た僕は、いままでにない美麗なグラフィックに衝撃を受け、ふだんは見ているだけの1回100円のゲームセンターでプレイ! 確かなおもしろさを感じ、行きつけの1プレイ50円のゲームセンターに入荷する日を待ち望む……ものの、なかなか入荷せず。そしてやっと入荷したかと思ったら、その店も1プレイ100円だった! ショボーン……。というところまで書きましたよね。今回は、その続きです。

 

 1回100円だった『ゼビウス』も、しばらくすると1回50円にプレイ料金が変更になりました。1回50円で遊べるようになって、当然のことながらプレイ回数が増えました。ゲームというものは遊べば遊んだぶんだけ(ある程度のところまでは)上達するモノなので、当然のことながら少しずつ先のエリアへと進めるようになっていきました。それでも当時の僕は、縦スクロールのシューティングゲーム……とういうかシューティングゲーム自体をあまりやりこんだ経験がなかったので、自機の操作感覚に慣れるまで、けっこう時間がかかりました。『ゼビウス』が登場するまえに、すでにコナミから『スクランブル』という横スクロールのシューティングゲームが発売されていたのですが、それは僕はあまり遊んでなかったんですね。『スクランブル』以外の当時のシューティングゲームはというと、『スペースインベーダー』や『ギャラクシアン』、『ムーンクレスタ』などのように、ほとんどが自機を左右2方向に移動させるタイプのものでした。なので、『ゼビウス』で自機を8方向に自在に動かして、敵の弾を避けたり、地上物に照準を合わせるといった行為は、新鮮である反面、けっこう手応えのあるものでした。とはいっても、僕自身、反射神経が鈍いほうではないし、手先も不器用ではなかったので、まぁ、プレイ回数に応じて少しずつ上達していったんですよ。

 

 でもしばらくすると、難所というか壁にブチ当りました。エリア9です。ここに登場する炸裂弾が苦手でした。赤く点滅する模様のついた大きな黒い玉(正式名称は、ガルザカート)。コイツは、画面の上から直進してきたあとに自爆し、打上花火のように20発もの弾を放射状にまき散らすのです。まだシューティングゲームの腕が未熟だった僕にとっては、それはもう恐るべき敵でした。コイツは出現してすぐに自機の弾を当てれば倒せるのですが、画面上のどの位置から出現するかはランダムなので、撃ち落とせればラッキー! で、撃ち落とせなかった場合は、かなりの確率で炸裂した弾に撃墜されてゲームオーバーになっていました。撃ち落とせるのは、だいたい2回に1回くらい。で、撃ち損ねてしまったとき、炸裂弾の回避に成功するのは、5回のうち1回くらいだったんです。当時は、「こんなの絶対避けられないよ! 運だよ、運!」と思っていましたね、マジで。なので、炸裂するまえに撃墜できるかどうかが、運命のカギを握っていたんです。しかも、コイツが出現するまえには、敵の攻撃がピタリと止んで、代わりに攻撃してこないふたつの四角い物体(シオナイト)が登場してクルクルと自機の周りを回転し、そのあと合体して飛び去っていくという……なんだかよくわからない不思議な演出がありました(この演出については、のちに設定を知って感心することになるのですが)。なので、四角い物体が登場すると、そのあとに登場する炸裂弾のことが頭に浮かび、ドキドキしたものです。ここを無傷で越えられるか、ここで自機を失うかが、当時の僕の大きなポイントでした。ここを無事に越えられれば、またしばらく先のエリアまで進めて、だいたいエリア12でゲームオーバーになるという感じ。『ゼビウス』をプレイすると、エリア9で終わるか、エリア12で終わるか。しばらくのあいだ、僕の『ゼビウス』のプレイ進行状態は、そのどちらかで安定していました。

 

 そんな状態が続いていたところで、第4回で紹介した"マイコンスーパソフトマガジン"が別冊付録に付いた"ベーマガ(マイコンBASICマガジン)"の、1983年12月号が発売されました。1冊目の"『マッピー』大解析"に次いでの、2冊目は……"めざせ1000万点『ゼビウス』大解析"でした! ライターは、『マッピー』に引き続き、"うる星あんず"氏。この号から3回連続で『ゼビウス』の大特集が組まれました。12月号では、キャラクターと隠しキャラタクターの紹介、『ゼビウス』の原本ともいえる小説"ファードラウト"の概要が掲載されていましたっけ。僕は、もう『マッピー』のときと同じ状態になりましたね。速攻で買って、家で何度も読み返しました。

 

 その本で、『ゼビウス』のいろいろなことを知りました。ゲームが製作されるまえに、3部作のSF小説が書かれていたこと。登場する敵キャラクターのそれぞれに、ちゃんとした設定があること。"ゼビ語"という独自の言語があり、その法則性に基づいてキャラクターの名前がつけられていることなど。たとえば、あの憎っくき炸裂弾の名称が"ガルザカート"で、"エナジーボンバーダー"という別名があり、コードネームが"ブルズアイ"ということ。"ガル"というのは、ゼビ語で"大きい"という意味があること。"ガルザカート"のほかにも"ザカート"という敵がいて、その巨大なヤツだから"ガルザカート"という名前であること。クルクルまわるヤツは"シオナイト"という名称で、"ゼプ・ナイト"と"キャス・ナイト"が合体したものであること。そしてそれは敵ではなく、ゼビウス星の反乱分子が搭乗していて、自機(ソルバルウ)にこの先が危険であること(ガルザカートが出現する)を警告してくれていたことなど……。ふ〜ん、そうか。なるほどね!! ゲーム中では不可解に感じられた数々のできごとのひとつひとつに、ちゃんとした意味、理由があったわけです。いままで、こんなに緻密な設定に基づいて作成されたゲームはなかったので、ものすごく大きな衝撃を受けました。なんか、アニメ界でたとえるなら『機動戦士ガンダム』が登場したときのような感じというか。『ガンダム』も、それまでは巨大ロボットの存在自体があたりまえだったところに、ミノフスキー粒子というレーダーを無効化する物質があるために、目視戦闘の重要性が生まれて、モビルスーツが開発されたという設定がありました。これにも関心させられたものでしたが、『ガンダム』に負けないくらい『ゼビウス』もスゴイな! と。あとで知ることになるのですが、『ゼビウス』の作者である遠藤雅伸氏は、『伝説巨人イデオン』に大きな影響を受けたということです。

 

 僕は『マッピー』のときと同様、またしても"ベーマガ"を機にゲームの奥深さに感動させられ、改めて『ゼビウス』にハマっていったのでした。その様子は、次回にて。

 

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