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ファミ通.com独占! 『パックマン』の開発者・岩谷徹氏インタビュー
【パックマン 世界大会】

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●「『パックマン』には一生関わり続けていきたい」

▲1980年にアーケード向けにリリースされて以降、全世界で絶大な支持を得た『パックマン』。2005年には世界でもっとも成功した業務用ビデオゲーム機としてギネスブックからも認定されている。世界大会では会場の入り口に筐体が展示されていた。



 『パックマン』のマップを上から見ると摩天楼に似ている――。こんな関係者の発想から、"Xbox 360 パックマン ワールド チャンピオンシップ 決勝大会"は、アメリカ・ニューヨークで行われることになったという。そういった意味では、Xbox LIVE アーケードタイトルとして配信が開始されたばかりの新作『パックマン チャンピオンシップ エディション』がニューヨークで発表されたのは、きわめて自然の流れだったと言えるだろう。2007年6月5日(現地時間)に行われた"Xbox 360 パックマン ワールド チャンピオンシップ 決勝大会"で始めてお披露目された『パックマン チャンピオンシップ エディション』は、大会の参加者たちを大いに魅了し、(事前の練習プレイ時間の短さから)苦しめもした。岩谷氏いわく、「私の会社人生最後の貢献」としてリリースされた『パックマン ワールドチャンピオンシップ エディション』にはどのような思いが込められているのか? ファミ通.comでは『パックマン』の開発者である岩谷氏に単独インタビューを敢行。NAMCO BANDAI Games America Inc.のエグゼクティブバイスプレジデント&COOの岩井理氏にも同席いただき話を聞いた。

▲パックマンを囲んで。左は岩谷徹氏。4月から東京工芸大学のゲームコース教授として就任する傍ら、バンダイナムコゲームス フェローを努める。右はNAMCO BANDAI Games America Inc.のエグゼクティブバイスプレジデント&COOの岩井理氏。


――世界大会が盛況のうちに終了しましたね。
岩谷
 うれしいですね。『パックマン チャンピオンシップ エディション』の担当しているプロデューサーをはじめ、たくさんの人が「どうしたらイベントが盛り上がるか?」ということを考えてくれたんです。そういった意味ではみなさんに感謝しています。"Xbox 360 パックマン ワールド チャンピオンシップ 決勝大会"については、全世界の皆さんが集まることができたのがすばらしく思います。それもXbox LIVE アーケードのネットを使った配信サービスがあればこそです。ゲームもこれから、ネットを使ったコンテンツ配信サービスに、大きく様変わりしていくのかもしれません。あるいは、クラシックなゲームもネットに合ったアレンジをして配信すれば、新たなおもしろさが見えてくるかもしれない。そのように感じますね。世界的にヒットしているゲームはまだまだありますので、ネットで提供することで、新しいビジネスのとっかかりになるのではないでしょうか。

――27年経って世界大会が開かれるということは、『パックマン』の根強い人気を示すものなのでは?
岩谷
 それだけ『パックマン』が古いということなんですけどね(笑)。
岩井 『パックマン』に関しては、一過性のブームに終わらなかったということですよね。とくにアメリカでは『パックマン』の根強いコミュニティーがあって、つねに全国のどこかしらでイベントが開かれていたりする。個人レベルで集まって楽しんでいたりするわけです。"Xbox 360 パックマン ワールド チャンピオンシップ 決勝大会"はその流れ上にあるものと言えるのかもしれないですね。

――それだけの人を惹きつける『パックマン』の魅力とは?
岩谷
 これはいろんなところで発言しているのですが、"シンプルなゲームルールで、誰でもできる"というところが大きいんでしょうね。年齢や性別を問わず。たとえば、映画にしても小説にしても広いユーザー層を持っていると、そのあとの展開がラクですよね。仕掛けをしやすいし、誰でも参加できるという特徴がある。

――世界大会にはイギリスから13歳の男の子が参加していましたものね。
岩井
 そうなんです。あの子はイギリスではお父さんとワン・ツーフィニッシュだったんですよね。親子で世代を超えて楽しめる広がりが『パックマン』にはありますよね。

▲"Xbox 360 パックマン ワールド チャンピオンシップ 決勝大会"の参加者により記念撮影。『パックマン』の根強い広がりを感じさせる。


――"最後のサプライズ"ということで、今回『パックマン チャンピオンシップ エディション』が発表されましたね。
岩谷 『パックマン チャンピオンシップ エディション』は世界大会ありきの企画なんですよ。『パックマン』を配信するときに感じたXbox LIVE アーケードの魅力は、スコアランキングで全世界における順位が出るというところでした。自分でプレイしたスコアが、瞬時にして世界で何位かわかる。それはユーザーとして単純に楽しいですよね。だったら、世界の上位を集めて大会を開いたら楽しいのでは……ということで世界大会が企画されたのですが、同時に我々開発者サイドとしても何かできないか、ということを考えたんです。で、ご存じのようにオリジナルの『パックマン』というのは時間制限がなくていつまでもプレイできてしまう。うまい人だったら20時間でも継続できてしまうわけです。さすがに世界大会を開いて、ニューヨークで延々と20時間も大会を続けるのはツライので(笑)、大会の決着をつけるためにはどうしたらいいのだろう……ということを考えてタイム制限を設けることにしたんです。で、タイム制限のなかでどのようにして変化をつけたらいいだろうというところで、迷路が変化していくという構成にしたんですね。そういうアイデアも若いスタッフが出してくれました。

――今回岩谷さんは監修という形で関わっているんですよね?
岩谷
 はい。スタッフが出してくれたアイデアに対して私のほうで判断をしていくのですが、当初は私的にはNGだったアイデアのなかにも、よくよく話を聞いてみると、じつは『パックマン』らしさが込められていたというケースが多かった。若い開発スタッフは私以上に『パックマン』を深く研究していた、ということを実感させられましたね(笑)。
岩井 開発陣とはけっこう激しいやりとりがあったようですね(笑)。
岩谷 代表的なアイデアが、マップを左右に配したことですね。オリジナルの『パックマン』だとマップはひとつで、すべてのクッキーを食べるとステージクリアーとなります。でも、それだと流れが止まってしまい、イベントとしてはいまひとつ盛り上がりに欠けてしまう。それで、左右にマップを配してつぎからつぎへと展開していくようにしたらどうか、というアイデアが出たんですね。当初私は、クリアーする感覚がなくなってしまうから……という理由で反対したのですが、最終的には紙の上で議論していてもわからないから、試してみようということになった。実際作ってみないとわからないことは多いです(笑)。ゲームはすべてプレイをしてみないとわからないですからね。

――試作をしてみて始めて左右マップのよさがわかったと?
岩谷
 はい。プロジェクトがコンパクトだったことも、気軽な試行錯誤を可能にしたようですね。開発陣はけっこう苦労していたようですが、9人で半年くらいかけて仕上げていますよ。チューニングにかなりの時間をかけたのが、開発陣のこだわりのようです。開発陣いわく"正統進化"ですね。

――こうして27年目にして世界大会が開かれたわけですが、『パックマン』の今後は?
岩谷
 これからもずっと支持されるべくいろいろと考えていきたいと思っています。時系列でちゃんと新しい提案をすべくアレンジするという"継続する努力"をしていきたいと思っています。
岩井 進化のタイミングをみないといけないですね。そういう意味では、Xbox LIVEというインフラは、『パックマン』が進化するためのいい機会だったと思っています。今後の展開については開発陣の若いスタッフが考えてくれるのではないかと思っています。

――今後も岩谷さんは『パックマン』に関わり続ける?
岩谷
 はい。"バンダイナムコゲームスの岩谷"としては最後の贈り物になりますが、今後も"東京工芸大学の岩谷"として、できることならば『パックマン』に関わり続けていきたいですね。
岩井 『パックマン』に関しては、大御所のロックバンドのような感じですね。久しぶりに来日してコンサートを開いたら、「あら、解散したんじゃなかったのか!?」と思いつつもつい会場に足を運んでしまうという(笑)。それだけ"スタンダード"の域に達しているということですよね。
岩谷 今後の『パックマン』の展開にもぜひ、ご期待ください。 

▲マップの壁は当初思い描いていたとおりの"ネオン管"のイメージが、よりリアルに表現できるようになったとのこと。

▲『パックマン ワールドチャンピオンシップ エディション』の設定資料を特別に入手。開発当初のタイトルは『Pacman in NEW YORK』だったようだ。「リアルタイムでMAPが変わるっていうのはどうですか?」というコメントも。


 

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