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フロム・ソフトウェアが開発! 日本人向けの3Dバーチャルコミュニティが発表

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●リアルな東京を再現した子供でも楽しめるメタヴァース、"meet-me"
 

 2007年6月5日、トランスコスモスとフロム・ソフトウェア、産経新聞社が協同で発表会を開催。新たなメタヴァース(仮想空間)"meet-me"を発表。併行して事業を展開する合弁会社、Cop-core(ココア)が設立される。
 

 

 メタヴァースとは、現実世界(ユニバース)に対する仮想世界を表す言葉で、SF小説『スノウ・クラッシュ』が語源。すでに米国リンデンラボが運営するセカンドライフが先行してサービスを行っており、プレイステーション3のHomeも同種のサービスと見られる。ユーザーは自分の分身になるアバターを作って、3D空間の中で生活でき、ほかのユーザーとのコミュニケーションや、3D空間内で提供されるさまざまなコンテンツが楽しめる。今回発表されたmeet-meは、PC向け3Dバーチャルコミュニティという点ではセカンドライフと同じだが、東京23区が再現され、基本的に日本向けのサービスである点、また、ユーザークリエイティビティーを制限することで、公序良俗に反する行為が排除される点が大きく違う。
 

 発表会ではまず、トランスコスモス専務取締役、森山雅勝氏が事業を説明。森山氏は以前からメタヴァースに関心を持っていたとのことで、「ポイントやマイルが溜まるサービスがアンケートなどの対価として一般的になると、それは現実の通貨と同じではないか?」(森山氏)と思っていたという。このようなポイントサービスをメタヴァースに取り入れることで、おもしろいことができると考えていたところ、フロム・ソフトウェアの神直利氏(代表取締役)と出会い、企画がスタートしたと語った。
 

 森山氏によると、meet-meの特徴は、「ユーザーに完全にゆだねない」(森山氏)こと。セカンドライフはユーザークリエイティビティー(ユーザーの創造性)が大きな特徴で、ユーザーがアバターを始め、服やアクセサリー、家、自動車などさまざまな物を自由に作ることができる。一方、このmeet-meはユーザークリエイティビティーを制限することで、「信頼できる情報を出していく」(森山氏)のだという。
 

 3D空間は東京23区内の地形とランドマークがリアルに再現されたものに。「リアル(の地形)を持ってくるサービスなので、未来みたいなものを作れると思う。こんな風になったらいいなあと思うものが構築されていく」(森山氏)だという。森山氏の発言に続いてデモ映像が放映されたが、そこで映し出されたのは渋谷の風景。109のビルがあり、一見して渋谷とわかる風景だったが、現実にはない観覧車や住居なども観られ、現実とは似て非なる世界であることがわかった。
 

▲黄色いボールが跳ねるとともに、ビルや住宅がつぎつぎと建っていくイメージ映像。花火や観覧車、飛行船も登場した。

 

 森山氏に続いて、フロム・ソフトウェアの神氏が発言。神氏によると、meet-meの3D空間は、東京23区を再現したもので、621.5平方キロメートルの空間内に建物数170万。駅の数は600駅以上になる。「開発はハードで地獄のようだが、社員一丸となって作っている」(神氏)。『アーマード・コア』シリーズなど、ゲームソフトの開発力でも定評のある同社が総力を挙げて制作しているだけに、期待が高まる。
 

 システムについては、「(セカンドライフのような)オープンソースは日本人には向いていないと思う」と神氏。オープンソースとは、ソフトのコードなどを公開することで、ユーザーがソフトの改変ができること。ユーザーが自由にコンテンツを制作できる利点がある反面、公序良俗に反するコンテンツが出回る危険もはらんでいる。meet-meでは、アバターやアイテムなどを制作するツールが配布されるのではなく、「よりユーザーライクでわかりやすいインターフェースを用意する」(神氏)されるという。ゲームでキャラクターメイキングをするのに近いものになるようだ。自分の分身を簡単に作れるとともに、システム面で公序良俗に反する表現が排除できる。
 

 神氏の発言の後、制作中の画面が公開された。デモ映像と同じ渋谷駅前だったが、109のビルのほか、東急百貨店のビル、TSUTAYAが入っている大型スクリーンがついたビルなども見られた。ただし、これも渋谷のようで現実の渋谷ではない空間で、実際には店舗があるところが住宅になっていたり、何故かマンボウが泳ぐ水槽になっていたりする。神氏によると、「ランドマークは23区分作っていくが、あいだの空間はユーザーに作ってもらう」という。画面にはアバターも登場。ショートパンツ姿の女性だったが、セカンドライフのアバターのような欧米風ではなく、日本人が好みそうな印象だった。

▲今回見せてもらえたのは渋谷駅周辺。まずは渋谷区が制作されているというが、東京23区全域が舞台とは、スケールが大きい。

 

 続いて産経新聞社の阿部雅美氏がコメント。阿部氏はまず、「もうひとつのインターネットができると言うか、インターネットを飲み込むものができる」と、meet-meの可能性に言及したのち、この事業での産経新聞社の役割について語った。ひとつは、女性や子供が長く遊べる健全な空間にすること。もうひとつは、メタヴァース内での情報の発信だ。新聞や雑誌を発行しているスキルを活かして、「この世界で起きている出来事や、現実の世界で起きている出来事を報道する」という。

▲左からフロム・ソフトウェアの神氏、トランスコスモスの森山氏、産経新聞社の阿部氏。

 

 また、第1弾の参入企業としてアニメーション制作会社のぴえろとプロダクション・アイジーが紹介された。ぴえろの本間道幸常務取締役営業本部長は「ビジネスチャンスを感じている。当社のキャラクター開発力、ライセンス事業のスキルを活かせると思う。(メタヴァース内で)歌手やアイドルを作ってもいいのではないか。また、ここでアニメを劇場公開してもおもしろい」と事業構想を語った。また、プロダクション・アイジーの石川光久代表取締役社長は「こうしていますが、お互い腹の中は真っ黒(笑)。ぴえろさんといっしょに何かをするということは現実の世界ではあり得ないこと」と、メタヴァースの利点を語った。
 

 発表終了後に行われた質疑応答で、改めてmeet-meの理念が語られた。アダルトコンテンツやギャンブルを排除することに関して、森山氏が「(公序良俗に反するものは)作ってもしょうがない。我々がやる意味がないと思います」と発言。システム面に加えて、監視体制や通報システムを整えることで、子供でも楽しめる世界を構築するという。なお、公序良俗に関する判断は「リアルな世界でダメなものはこの世界でもダメです。また、運営が判断すれば違法でなくてもダメです」と、踏み込んだ判断がされることが明らかにされた。
 

 メタヴァース内の通貨を現金との交換については、「当初は考えていません。また、直接現金とは交換できないけれど、ポイントサービスの導入は考えています」(森山氏)と、含みを持たせる回答だった。メタヴァース内の土地の取得に関しては、まず法人向けに予約が受け付けられるとのことだが「企業だけが得をするということはない」(森山氏)と確約。ユーザーにはマンションなどの居場所を提供することが検討されているようだ。土地の転売が横行しないような対策もとられるという。
 

 今後のスケジュールは、2007年中にα版がリリース。βテスト、正式サービスの開始はそのあととなる。
 

 発表会は、セカンドライフのような先行するメタヴァースで発生している、公序良俗に反するコンテンツの横行などの問題を克服する措置が明確にされた。また、セカンドライフと違い、日本向けのサービスであることも大きなメリットとなる。日本ではまだ、根付いていない新たなサービスだけに、今後の情報にも注目が集まる。


 

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