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オンラインゲーム開発に至る道程をガンホー・堀氏が語った
【AOGC 2007 Tokyo】

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●デベロッパーとしてのガンホーが歩んできた道のり

 

 オンラインゲームの国際的なセッション"アジア オンラインゲーム カンファレンス 2007 東京(AOGC 2007 tokyo)"2日目、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの取締役開発本部長である堀誠一氏の講演では、これまであまり語られることのなかった"デベロッパー(オンラインゲーム開発企業)としてのガンホー"が歩んできた道のりが語られた。

 

▲ガンホー・オンライン・エンターテイメントの開発本部長である堀誠一氏。初の自社開発タイトル『グランディアオンライン』開発にも携わっている。

 

●出発点は実験とプロダクトからの学習から

 ガンホーがデベロッパーを目指して最初に行ったのは、Framework(開発プラットフォーム)の創出であったと言う。そのために、まず取り掛かったのがネットワーク実験。ガンホーは初めて参加した東京ゲームショウ2003にて、本社と会場を回線で結びレイテイシー(通信遅延)モデルの実験を行った。その目的は、当時のオンラインゲームで取りざたされていた"ラグ"の正体を突き止めること。ここが開発の第一歩となり、続いてオンラインゲームの開発・運営システムの"あるべき姿"を模索する作業が始まった。

 

 グラフィックに関しては、当時3Dモデルの開発を行っていたゲームメーカーは多かったが、PCの環境はユーザーによってまちまちなのでコンシューマーゲーム開発と同じ土壌では行えない。そこで、アニメーション会社が大量のアニメを毎週放送していても、その制作工程に遅延が発生しないシステムに着目し、ノウハウの取り込みを図った。続く基幹システムの汎用性向上を目指した過程では、運用ワークフローやサポートシステムといった項目を研鑽し、自社開発につながるパートナー企業との協業開発に着手。

 

▲ネットワーク上発生する"ラグの正体"、これを突き止めることからガンホーの開発はスタート。

 

▲すでにスタートしていた運営『ラグナロクオンライン』などのプロダクトから学習し、協業開発などを経て、自社タイトルの開発に着手。


●オンラインゲーム開発の壁

 

 堀氏はオンラインゲームの開発には、環境以外にも"壁"が存在すると語った。それは、オンラインゲームがサーバー上に実体を持つための"ゲームモデル(処理系)とUI(ユーザーインターフェイス)の乖離"。あいまいな思考実験と仕様でスタートした結果、不測の事態が連鎖して起こり、対処のしようがなくなってしまう"不特定多数の事象が致命的"である点。サービスを続ける以上、継続開発が要求される"アップデートの脅威"。という3点を挙げた。

 

▲PC向けオンラインゲームの開発には、独自の"壁"が存在する。

 

 ガンホーも失敗を重ねながら、永続的にサービスを提供できるように、開発工程や人の育てかたを踏まえ、"思想を持った開発が行える環境"を整備しなければならないと思い至る。そのため、当時のオンラインゲームとしては非常に厳しいレベルにあったFPSとFramewor制作を目的としたプロジェクト"Rondo"を立ち上げた。Rondoは音楽の"円舞曲"を意味するように、FPSがゲームステージをクリアーしていくシーケンスと、開発環境そのものを再利用していくことへの意気込みを込めて名づけられたそうだ。

 

▲自社の開発思想を永続的サイクルに組み込むため、Framaworkの創出が必要であったと語られた。

 

 しかしガンホーはRondoの開発を自社の開発環境整備だけが目的ではなく、オンラインゲームサービスが運用されていく過程で、パートナー企業などと同じ技術・ロジックを継承するためのシステムと位置づけている。より有効な開発プロダクトが現れた際には、それらを取り込めるよう意図されているとのこと。むしろ、ツールを使った作業自体がノウハウと考えFrameworkを構成していく。堀氏は、「これが、長期の生き残りを考えたうえで重要になる」と語った。

 

▲Rondoプロジェクトは単なる開発環境の構築を目的としたものではなく、それ自体がガンホーの長期的な生き残り戦術の一端を担う存在なのだ。

 

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