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人工知能技術が次世代ゲームをおもしろくする
【AOGC 2007 tokyo】

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●次世代ゲームで歯ごたえのあるCPU戦が楽しめる

 

▲フロム・ソフトウェアの三宅氏。
 

 次世代ゲームを切り開くのはAI技術――フロム・ソフトウェアの三宅陽一郎氏が”人工知能が拓くオンラインゲームの可能性”と題した講演を実施。同氏はXbox 360用ソフト『クロムハウンズ』のゲームAIを手がけたクリエーターで、”人工知能(AI)技術とは何か?”という初歩的なところから、その応用技術、展望までを語った。

 

 人工知能とは簡単に説明すると、たとえば「お腹が減ったからご飯を食べたい」というような生命の生理現象をバーチャル上で表現する技術。研究が始まったのは`56年のことで、まだまだ未成熟の分野と言っていい。CPUというキャラクターが登場するゲーム分野では、とくに研究が盛んかと思いきや、そうでもないという。
 

 

▲AI技術が次世代ゲームを牽引する。

 

 「AI技術は目に見えて進化を実感できるものではないので、グラフィック偏重でゲーム分野は発展してきました。国内では一般的な基礎研究がされていない状態ですね」(三宅)

 

 とはいうものの、世界規模で見ればAIに関する多数の研究成果がでてきたことに加え、ハードウェアの劇的な進化で、ゲーム機自体のシミュレーション能力も向上してきた。これまでゲームは2D、3D、ネットワークと成長してきたが、次世代ゲームではAIこそが新しいゲームデザインを誕生させる、と三宅氏は力説する。

 

 専門的な要素は割愛するが、『クロムハウンズ』では、リアルタイムで状況が変化するオンライン上でもCOMが戦況に応じて動き、”敵地の粉砕”という目的を果たす。これは、”敵地の粉砕”という最終目的までの過程を、本拠地から出発→本拠地に近い通信塔をとる→2番目に近い通信塔をとる→敵本拠地を占領する、というように細かくプログラミングすることで実現できる。
 

▲『クロムハウンズ』では戦況に応じて、AIが考え、戦略をかえていく。左の細かい文字が実行内容だ。


 もっと日常的な事柄で説明すると、”新宿で映画を観る”という目的があったとする。この行動は自宅から最寄り駅まで歩く→最寄駅から新宿へ行く→新宿駅から映画館まで歩く→映画を観るというように細かく分解することが可能。最終的に複雑な動作でも、行動を一からプランニングすることで、単純行動の集合体となる。これをゴール指向型プランニングと呼ぶという。「AIの基盤を作るとき、"今日は味方を守る動作を加えよう"などと、日に日に行動パターンを増やしていくわけです。だんだんかしこくなってきたなと、生き物を育てている感覚ですね(笑)」(三宅)。
 

▲CPUの行動を一からプランニングしていくことがAI技術の第一歩。
 

 

 これにプラスして、地形データを自分で判断し、足くナビゲーションシステムを加えたり、”弱い敵だけに集中砲火を浴びせる”、”弱い味方を援護する”、”ただ援護するだけでなく、あまりにも敵が多い場合は見殺しにする”、などいった戦略的な選択肢を加えていくと、状況が刻々と変わるオンラインゲームでも歯ごたえのある賢いAIを演出することができる。CPUが自分で判断し、より効率のよい行動をとる、これまでの決まった行動しかとらないCPUと比較すると、俄然ゲームがおもしろくなるのは明らかだ。
 

▲AI技術が利用されているゲームの代表例。

 

 将来的には、プレイヤーとCPUが自然に混じって行動したり、CPUどうしの戦いを楽しむ、というゲームも可能になるという。「AI研究にはゲームの未来を引き拓く力があるんです。アメリカでは研究が進んでいるが、人気のファーストパーソンシューティングが中心になっている。日本ではさまざまなジャンルが存在するので、日本だからこそチャレンジできるAI分野があるはず」(同)。AI技術についてセミナーなども開催されつつあるが、今後は産官学で取り組む必要がありそうだ。

 

 

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