ファミ通.com 携帯電話の方はファミ通MAXをご覧ください。

ファミ通媒体メニュー



カプコンの『大神(OKAMI)』完成プレス発表会が開催

  • はてなブックマークに追加
  • ライブドアクリップに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録

●開発期間3年あまりを経て、クローバースタジオのオリジナル第一弾が完成!

▲いよいよ完成と相成った『大神(OKAMI)』の完成プレス発表会が開催!


 2006年4月14日、カプコンのプレイステーション2用ソフト、『大神(OKAMI)』完成プレス発表会が開催された。稲葉敦志氏率いるクローバースタジオのオリジナル第一弾となる本作は、和風テイストのグラフィックと、独特の世界観が大きな注目を集める意欲作。神である"アマテラス"を主人公に、妖怪と戦い大地に緑を取り戻すことを目的としており、独特なシステムを採用していることも特筆すべき特徴だ。

▲美しい大自然を舞台に、人間や動物との触れ合いが描かれる"ネイチャーアドベンチャー"。クローバースタジオの意欲作だ。

▲本作の大きな特徴である"筆しらべ"。世界を絵のように切り取って筆で描くことで、その描いたことを実現させることができる。


 4月20日の発売を控えた完成プレス発表会では、まずはプロデューサーの稲葉氏が登壇。「制作発表から2年、開発がスタートしてから3年。ものすごい長い時間をかけて作品を作りました。いまは、やっとできたという開放感があります」とコメント。続けて「作品のコンセプトは"自然"です。植物が持っている生命力をゲーム機とグラフィックを使って表現しています。生臭い植物の生命力を、CGを使って表現したらこうなりましたが、うまく表現できたと思っています」と『大神(OKAMI)』について説明した。おつぎはディレクターの神谷英樹氏の登壇。「開発がスタートしてから10キロ太りました。だから本当は人前に姿を出したくないんです」と発言し、来場者を大いに笑わせたのだ。以降は、稲葉氏と神谷氏のトークセッションという形で発表会は進行。「(作品ができた開放感から)ふだん言えないこともべらべらしゃべってしまうけど、どんどん記事に書いてください(笑)」(稲葉)との言葉どおり、開発秘話満載の楽しいトークショウとなったのだ。

▲クローバースタジオの稲葉敦志氏(左)と、神谷英樹氏(右)。完成プレス発表会では、ふたりの思いのたけが語られた。

▲最初はリアルなグラフィックが作られた。「この方向性はすぐに諦めました。この方向でいったらダメになっていましたね」(稲葉)。

▲デザイン的な遊びを入れていったら、いまのアマテラスに近いデザインができあがったという。「リアルな表現に行き詰っていたので、おもしろそうだと思いましたね」(神谷)とのこと。

▲最初にプレイアブルな作品を披露したのは2005年のE3。「最初はE3に行くのが不安でたまらなかったけど、結果としてこんなにたくさんの賞をいただきました」(稲葉)。ここで自信が確信に変わったという。


 また、トークショウの合間には、主題歌の『Reset』を担当する歌手の平原綾香がビデオ出演。「すごく神々しい感じがして、いままでにこんなゲームがあるのかと思いました。ゲームをしていて癒されました。(歌では)日本人が本来持っている美しい姿を表現したくて、琴を取り入れつついまの感じを入れました。ゲームにまつわる言葉を入れたくて"リセット"を使ったのですが、こういう時代なので自分の気持ちにもリセットを入れたくなる……という思いが込められています。この歌を聴いて、リセットしてほしいです」とコメントした。稲葉氏によると、平原綾香は本当に『大神(OKAMI)』が気に入ったようで、このビデオ出演のコメントをもらうために、平原に会ったところ「約束の時間が8時から11時遅れて、クリエーターはわがままなものなのかなと思っていたのですが、じつはずっと『大神(OKAMI)』をプレイしていたらしいんです。お会いしてお話すると『大神(OKAMI)』の話がとまらなくて、『大神(OKAMI)』への思いが溢れるようでした」とのことだった。また、発表会では、「いい音楽を作ってくれたので、映像でお返しをしたいと思った」(稲葉)との思いから、『Reset』の楽曲にのせて(フルコーラス!)、この会場だけの特別映像を上映。平原綾香の美声と雅な『大神(OKAMI)』の映像の見事なマッチングに来場者は酔いしれていた。

▲メインビジュアルを描く木村圭吾氏との出会いも語られた。「たまたま美術館に入ったら、木村さんの桜の絵があって、呆然としました。これをぜひ『大神(OKAMI)』に入れたいと思って、僕にしては初めてというくらいのわがままを言いました」(稲葉)。結果として、『大神(OKAMI)』の世界観を形作ることに。

▲主題歌『Reset』を担当する平原綾香はビデオ出演。実際にゲームをプレイして楽曲を作ったという平原は、『大神(OKAMI)』をとても気に入ってくれた。


 最後に、稲葉氏が「絶対の自信を持っている作品なので、できればたくさんの人に遊んでほしい」とコメントすると、それに呼応するかのように神谷氏が「いままで作ってきたなかでも特別に思い入れの深い作品です。紆余曲折がありましたが、胸をはれる唯一無二の作品ができました。いまオリジナル作品に対する逆風が吹いていますが、そのなかでも何かの真似事だったり、借り物ではないものを作っていきたいです。この気持ちがどこまでユーザーの方に届くが不安ですが、自分のものを見る目を信じて、作品を感じとってほしいです」いまの素直な心情を吐露した。

 さらに、発表会の中締めには"特別映像"として、クローバースタジオの最新作であるプレイステーション2用ソフト『ゴッドハンド』が紹介。「『大神(OKAMI)』のテーマは"大自然と癒し"なのですが、『ゴッドハンド』のテーマは、"暴力と暴力と暴力と笑い"です。ふたつの作品はまったくテイストが違うのですが、おもしろいソフトを提供していきたい、それがクローバースタジオなのです」と締めくくった。

 こうして完成プレス発表会は好評のうちに幕を閉じた。稲葉氏と神谷氏の和気あいあいとしたやり取りの端々からは、ふたりのゲーム作りに対するこだわりとプライドを感じ取ることができた。優秀なスタッフの高い志に支えられた傑作『大神(OKAMI)』。4月20日の発売までもうすぐだ。

▲完成プレス発表会のあとには、実際に『大神(OKAMI)』を試遊する機会も設けられた。皆さんのめり込むように楽しんでいました。

 

稲葉敦志氏と神谷英樹氏のぶっちゃけトークを抄録

▲というわけで、稲葉氏と神谷氏のトークセッションを収録。「ふだん言えないこともべらべらしゃべってしまうかもしれないけど、どんどん記事に書いてください(笑)」(稲葉)とのお言葉に甘えて、本当に書いちゃいますからね、稲葉さん!


――『大神(OKAMI)』どのように生まれたのですか?

稲葉 立ち話から始まったんです。神谷に「何か新しいネタあります?」って聞いたら、「よくぞ聞いてくれた!」という顔をして、「自然を描いてみたいんだよね」と言われたんです。神谷とそのセリフのギャップにやられました(笑)。

神谷 そんなことはないですよ。こう見えても僕は田舎暮らしで、長野県出身なのですが、大学に進学するときに大故郷を離れたのですが、大阪で過ごすうちに望郷の思いが強くなった。あと、僕が『ビューティフル ジョー』の開発をしていたときに、隣で『バイオハザード』の開発をしていたんですね。で、その映像のクオリティーにものすごい感心したのですが、そこで、「こうしたホラーの臨場感を明るいものに振り向けたらどうなるんだろう……」と考えたんです。そのふたつが結びついて、『ビューティフル ジョー』がひと段落ついたときに、「美しい映像で、自然を描いてみたいな」と素直に思ったというわけです。

稲葉 いま思うと、3年まえの自分を叱りつけたいですね(笑)。そのキーワードだけでゴーサインを出すべきではなかった。キーワードだけで何とかなるだろうと思ったんですが、結局何ともならずに時間ばかり経ちましたからね。『ビューティフル ジョー』をずるずるに延ばして苦労したあとだったので、神谷も『大神(OKAMI)』ではちゃんとやってくれるだろうと思ったのですが……。

神谷 (笑)

――大自然をテーマにしたとのことですが……。

神谷 本当に素直な形で表現したかったので、最初は写実的なグラフィックでした。しかも、最初にあったのは、何もないところに爆発的に木々が生まれてくる……というイメージだけでした。それをどう遊ぶんだ、という肝心なところでは何もアイデアがなかった。チームにはったりをかましたくて、映像を作ってはみたのですが、それ以上何も考えていなかった。いまから思うと、風呂敷がでかすぎましたね(笑)。

稲葉 リアルな方向性はすぐに諦めていましたね。あのときチームも「これはダメだ」と思っていたのがありありで、チーム自身もよくわからない感じで、このままいったらテームもコンセプトどおり表現できないだろうな、と思っていました。

神谷 最初に作った映像は、まさにこの映像にしか対応していないんですよね。実際に遊ぶようなものは作れないだろうなとは思っていました。

――行き詰った状態を打破したものは何だったのですか?

神谷 神様が狼ということだけは決まっていたので、デザイナーにいくつかプロトタイプを作ってもらったんですね。そこで、デザイナーがデザイン的に少し遊んで、筆のタッチの日本画っぽいものを出してきた。その絵を見たときに、ゲームにしたらすごくおもしろそうだと素直に思ったんです。正直、リアルな表現に行き詰っていたので、最終的にゲーム全体をこういうタッチにしようと思いました。

稲葉 神谷に「このタッチをどう思いますか?」と聞かれたときは断れない雰囲気があったんですが(笑)、最終的にこれにオーケーを出した自分を褒めてあげたいですね。チーム全体にわくわく感がありましたね。

――それからは順調に?

稲葉 絵だけは進んだけど、神谷はいつも絵しか進まない(笑)。2004年4月に発表会があったので、無理やり映像をでっち上げたのですが、ゲーム内容は固まらないままでした。でも、映像を作らせると、神谷はうまいんですよ、なぜか(笑)。

神谷 こういう映像を作ったら、ゲームができるかな……と思ったら、そうでもなかった(笑)。

稲葉 あのころは、ああでもない、こうでもないとおよそモノ作りとはかけ離れた雰囲気でしたね。みんな「どうせこのゲームはつまらないだろうな」と思いながら作っている雰囲気がありありでした(笑)。

神谷 あのころは、作ったものを1週間単位でプロデューサーにチェックしてもらう、という体制にしたんですけれど、とにかくプロデューサーチェックのために作ったものという体裁のものばかり。六角形のヘックスを動き回るシミュレーションだったり、光の輪くぐりだったり、コイン集めだったりと、とにかくさむくてさむくて(笑)。プロデューサーにプレゼンする僕自身がいちばん辛かった。

稲葉 当時は、一発目にしてクローバースタジオも終わりになるんじゃないかと本気で思っていました。『大神(OKAMI)』のプロジェクトをやめるつもりはなかったですが、本当に完成しないんじゃないかという雰囲気。まるで、出口の見えない感じでしたね。

――まさに本当に完成しないのでは?という感じですが、そこからきっかけになるものは何だったのですか

神谷 きっかけは、"稲葉にムチャクチャ怒られた事件"ですね(笑)。

稲葉 チームを死ぬほど怒りました。「この穀つぶしが!」とはさすがに言いませんでしたけどね(笑)。

神谷 そこで本気になった……というわけではないですが、みんなで集まってミーティングをして、そこで根幹となるアイデアが生まれました。「神様だからなにもかもできるだろう……」という意見が出て、筆で書いたことが現実になるという"筆しらべ"が生まれたんです。そのときは、これは来たな(!)と思いました(笑)。

稲葉 僕もいいアイデアだと思いましたが、正直まわりの人にはあまり評判がよくなかった。ただ、それがために、それだけ新しいアイデアかな……とは思いましたね。

神谷 最初に筆しらべを作ったときは、コントローラーで筆を動かして描くというのが、予想以上に辛かった。「これはダメかも……」と何回も諦めかけたのですが、そのうちに慣れてきた(笑)。あと、丸を描くときにいびつになってしまうのですが、何かを描いてくれるだけでも楽しんでくれるのでは……と思い直しているうちに、いけそうな気がしてきたんです。

稲葉 ユーザーに慣れを強いるゲームというのも、いまどき珍しいですよね。そういう意味ではチャレンジではありました。筆しらべができてからは、チームの雰囲気は格段によくなって、目標というものが見えてきた。で「さあ、E3に向けてプレイアブルなロムを用意しよう」ということになったのですが、そこでまたさんざん神谷とモメましたね(笑)。難易度の高いものばかり作るんですよ、神谷が。

 神谷が筆しらべで橋をきっちりと作らないといけない体裁にしたのですが、僕が「そんなものを入れると、それしかないと思われるからやめろ!」と言ったのに、「いや、こういう様式美だと思わせておいて、本当はもっと簡単だったというほうが、ギャップがあっていいから……」とか、わけのわからないことばかり言っていたんです。あげくに、「E3のロムはこれで妥協しますけど……」とか、切れているのが丸出しの雰囲気で言い出したり。それで、僕もけっこう本気でムカついて、「コロスぞ!」と思いましたね(笑)。でも、あんまりプロデューサーの業務命令というのはしたくなくて、納得のいくまで話し合いましたけどね。

神谷 その年(2005年)の東京ゲームショウでユーザーが、苦戦しているのを見て、「これは、ちゃんとヒントを与えないといけないんだな」と反省しました。学ぶところは多かったですね。

稲葉 話をE3に戻しますが、初めてのプレイアブルがE3ということで本当に不安だったんですよ。和風テイストがアメリカ人に受け入れられるのかどうか、本当に心配で。「試遊台に人がひとりもつかなかったらどうしよう」と思うと、E3へ行くのがイヤでイヤでしょうがなかった。でも、結果として賞をたくさんいただいて、ものすごくうれしかったですね。ここまでもらうとは思わなかったです。自慢話になってしまいますが(笑)。「これならいけるかな」ということで、自信が確信に変わったのですが、そういう意味では、その年のE3は大きかった。

――そこまで評価されたということで、思い出深い?

稲葉 ふつうの話だったら、そこから作り続けるだけで、「めでたしめでたし」となるんですが、ぜんぜんそんなことはなくて、そこから1年で作らないといけなかったのですが、作らないといけないものは膨大にあるし、書かないといけないシナリオは山ほどあるしで大変だった。

神谷 たいへんでしたね。

稲葉 そのころは仕事がいっぱいいっぱいで、揉めごとはあまりなかったのですが(笑)、チームのみんなには言われました。「神谷にシナリオを書かせるな。あいつにシナリオを書かせていると終わらないから」って。

神谷 一日中シナリオを書いていても終わらないんですよね。もちろんディレクターなので、「チェックすることがあったら、遠慮なく呼んでくれ」とはスタッフに言っているんです。でも、シナリオに没頭しているときに呼ばれると、「わかった」とは答えるのですが、目が「コロスぞ」と言っているんでしょうね。スタッフもなかなか呼ぶ雰囲気になれないようで(笑)。

稲葉 僕が印象に残っているもめごとがあって(笑)、それは難易度ですね。神谷の作ったシナリオがすばらしくて、それを味わってもらうために「難易度は低めにしましょう」という話になった。そこで「このゲームにイージーモードをつけるのはどうですか?」と相談したんです。結果として、イージーモードはつけなったのですが、それはなぜかというと、その当時に神谷に言われたことをそのとおりに再現しますと、「イージーモード!? はぁ、プロデューサー命令だったら入れないことはないけど、俺はやらないよ。俺にそんなヒマはないし、イージーモードを入れるんだったら、ノーマルモードをメチャクチャ難しくしてやる」と言われて、「このクズ野郎!」と思いましたね(笑)。あのときはいちばんもめました。

神谷 若かったね(笑)。

稲葉 若かったって、数ヵ月まえだよ!

神谷 まあ、難易度設定はしたくはなかったんですよ。難易度は毎回調整が難しいですよね。

稲葉 今回の作品はボリュームも相当あるので、難易度調整はたいへんだとは思うんですけどね。僕は「難易度を下げろ」とばかり言っていたので、スタッフのあいだでもフラストレーションが溜まる部分があったのかもしれないですね。で、初めて通しでゲームのチェックをして、解けるのですが、何か噛み応えがほしいなあ……と思ったのが、マスターアップのけっこう間近で、ほかのクリエーターだったら怒りそうなスケジュールだったのですが、神谷に「追加しませんか?」と言ったら、神谷はけっこうノリノリで、難しいおまけゲームを作ってくれました。あのときは本当に楽しそうでしたね?

神谷 大手を振ってできますからね。「やれと言われればやるよ」という感じでした(笑)。

稲葉 『大神(OKAMI)』はふつうにプレイするぶんには、割と楽しくお話に没頭できるのですが、ちょっとわき道にそれると、けっこう毒があって凶暴な顔を持っているゲームではあります。まあ、ユーザーしだいで楽しめるゲームだと思いますよ。

――プロモーション活動のお話を。今回はメインビジュアルに、有名な日本画家の木村圭吾さんを起用していますが……。

稲葉 これは完全に僕の独断で決めました。木村さんの絵との出会いは本当に偶然で、たまたま立ち寄った美術館に木村さんの桜の絵があったんです。いつもはそんなに美術館に立ち寄る人でもないんですけどね。で、その絵がスゴイ迫力で、本当にびっくりしました。絵を見て初めて言葉が出なくなるという体験をしたんです。風景画なのに、明らかに僕よりもものすごい生命力を持っている。ただし、そのときはこれを『大神(OKAMI)』に使う、という発想はなかったんです。ところが東京ゲームショウのプロモビデオを作っているときに、"桜の季節に『大神(OKAMI)』を発売する"という単語が出てきて、それが木村先生の作品に直結してしまった。で、なんとか木村先生の作品を『大神(OKAMI)』に……ということでスタッフに、ムリを言いました。そこまでわがままを言ったのは初めてですね。

▲パッケージにも使用された、木村圭吾氏による"野生の胎動"。まさに"絵力"溢れる力作だ。

▲発表会には木村圭吾氏も出席「来ていただけるとは思わなかったので、いまドキドキしています。すばらしい作品を使わせてくれてありがとうございます。この作品を使わせてもらうことで、『大神(OKAMI)』に1本違う筋ができました。本当に感謝してもし足りないくらいです」(稲葉)とのこと。ちなみに、4月15日から4月30日まで、渋谷Q-FRONTにて木村圭吾展を開催中だ。


――楽曲ではタイアップをしていますよね。

稲葉 僕にしては珍しいことですね。『大神(OKAMI)』は人に伝えるのが難しいゲームなので、いろいろな方法でアプローチしないといけない。で、目から伝えるのは木村先生の作品でカバーできたので、耳から伝えるものがほしい……。そういう漠然とした思いをもって神谷に相談に行ったんですよ。

神谷 個人的にはいろいろと広がりができそうで、わくわくしていました。ただ、忌まわしき過去がたくさんあったので、そういう意味では稲葉も心配だったかもしれないです。こういうタイアップは、基本的にろくなものにならないケースが多い。某『デビル』のときも、会社の上司に韓国のポップスを聴かされて、「これどうかな?」と言われて、「えーっ!」とか思った経験がありますからね(笑)。

稲葉 僕も『バイオハザード』をクリアーして衝撃を受けましたからね。当時はいちユーザーだったのですが……。「俺の時間を返せ!」って思いました。
 『大神(OKAMI)』のタイアップも、失敗したら作品を汚すことになるよな……とかドキドキしながら神谷に相談しました。で、最初はインストルメンタルにしようと思っていたんです。ボーカルは考えていなかった。世界中で販売するものだし、日本語の歌詞をのせるのは違うかな……と思っていたからです。ところが、ある段階から、歌が入るとまた違う1本の筋が通るような感じがしてきた。それでボーカルで行こうと思い直したときに、候補に挙がったのが、平原綾香さんだったのです。平原さんについては、平原さん自身が『大神(OKAMI)』を気に入ってくださったというのが大きいです。お互いの印象が悪くて、なまじお金の付き合いになってしまうとゲームを汚すことになってしまう。平原さんに『大神(OKAMI)』を気に入ってもらえて本当によかった。

稲葉 映像のインタビューをしているのは僕なのですが、当初8時からの予定が10時くらいになったんですね。で、「アーティストはわがままなものなのかな」と思っていたら、ずっと『大神(OKAMI)』をプレイしていたらしいんですよ。で、インタビューをすると『大神(OKAMI)』のことを語りだしてとまらなくなった。歌にもゲームにもムチャクチャ思い入れを持ってもらっていますね。

神谷 この曲をもらってから、シナリオを書くときはずっとヘビーローテーションで聴いていました。自転車で通勤するときも口ずさんでいましたね。「この歌を知っているのは日本で俺ひとりだいうことで、悦に入っていました。

稲葉 楽曲を作っていただくまえに、実際にプレイしていただいたりと、ほぼ同時進行だったのですが、こうしてぶつかりあっていることは珍しいんじゃないですかね。結果的にいいものができてよかったです。

▲平原綾香とのタイアップについて、大いに語る稲葉氏と神谷氏。すばらしいコラボレーションがゲームを一層盛り上げる。

 



※『大神(OKAMI)』の公式サイトはこちら 

 

ソーシャルブックマーク

  • はてなブックマークに追加
  • ライブドアクリップに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録

この記事の個別URL

TVゲーム関連最新ニュース