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レボリューション版『どうぶつの森』の計画も明らかに! 任天堂の江口氏が講演
【GDC2006リポート】

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●おもしろさの原点は何かを考え、プラットフォームに合わせたゲームデザインが必要
 

 米国サンノゼで開催されているGDC2006(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス 2006)で、2006年3月23日に任天堂の江口勝也氏がセッションを行った。講演のお題は"Is that a Franchise in your pocket? ANIMAL CROSSING:WILD WORLD CASESTUDY(ポケットの中にあるのはフランチャイズ? 『おいでよ どうぶつの森』ケーススタディ)"。ニンテンドーDS用ソフト『おいでよ どうぶつの森』について語ったのだ。


▲江口氏は任天堂の情報開発部に所属。『おいでよ どうぶつの森』ではディレクターを務める。

 ご存じのとおり、『おいでよ どうぶつの森』はこの冬に大ブレイクしたゲーム。江口氏によると日本国内だけで出荷本数は248万本。200万本以上を販売してもなお売れ続けており、この勢いはまったく衰える気配すらない。江口氏は「おもしろさの原点はコミュニケーション、そして毎日遊びたいという願望です。でも、そう言われてもあまりピンとこない人が多いのではないでしょうか。じつを言うと、この反応は任天堂社内でも同じだったんです」としたうえで、シリーズ誕生の経緯を語っていた。シリーズ1作目の『どうぶつの森』は2001年にニンテンドウ64で発売されたが、そこへ至るまでの道のりは平坦ではなかった。当初は64DD向けに開発されていた企画で、"どうぶつたちの力を借りて目的を達成していくRPG"だったという。『どうぶつの森』の特徴である"目的がないゲーム"とは随分違った内容だった。ところが、64DDの事業がうまくいかずに企画はニンテンドウ64向けに変更。メディア容量の小さいニンテンドウ64では大幅な仕様削減が必要になった。それで、おもしろさの根幹にあるのは何か? というところで「必要なのプレイヤーの行動がフィールドに反映されること、毎日続けたくなる仕掛け」(江口)と絞り込んでいった。"毎日続けたくなるにはどうするか?"について、江口氏はつぎのように言及している。

 「まずはコミュニケーション。ほかのプレイヤーと感動を分かち合えることが大きな要素。また、地形がプレイヤーごとにバラバラになるように作っていて、家具の好みもひとりひとり違うし、村の景色も自分好みに変えていくこともできる。そうすると見せて自慢したいですいし、またほかのプレイヤーの村との違いに驚いてみたりするんです。それから、現実時間との連動も大きな要素で、プレイヤーは同じ体験を共有することができるんです。そのうえで、ゴールを作らず継続して遊んでもらう。『どうぶつの森』ってじつはすごく不便なことが多い。例えば夜中は店が開いていなかったり、果物が成るまで時間がかかったりとか、ですね。小さな幸せを感じてもらうけど、完全には満足させないでゲームが終わってしまわないようにしたんです」(江口)
 

どうぶつの森

どうぶつの森

▲64DDで企画された『どうぶつの森』の企画書。この時点では目的のあるゲームで、非力な主人公が動物の力を借りて目的を達成するという内容。いまの『どうぶつの森』とはまったく違うものだったのだ。その一方で、現実の時間と連動した仕掛けなど、しっかり受け継がれた要素もある。

 

どうぶつの森

▲プレイヤー自身の村や家は、他人のものと違う特別な場所。プレイヤーごとに個性を出せる自由さも『どうぶつの森』の魅力のひとつ。


 こういったおもしろさの根幹を大事にしたうえで、「プラットフォームの機能を活かしたゲームデザインが重要」と江口氏。『どうぶつの森』は64DDの企画からニンテンドウ64向けに変更。その後もニンテンドーゲームキューブ版、さらには携帯ゲーム機で『おいでよ どうぶつの森』とハードを渡り歩いてきている。そのたびに、ハードにあわせて削ったり、また工夫したりすること(ニンテンドーDSではいつでもセーブできる、など)もあるのだという。

 「『どうぶつの森』は生まれたときからコミュニケーションが命であり、携帯ゲーム機にフィットした企画で、ネットワーク機能への対応も宿命であったように思います。どのようなソフトでもそうですが、ソフトの命は何なのか? おもしろさの原点は何か? ということ考えながら、プラットフォームの持つ特徴からソフトのよい面を引き出す機能を選んで使うことが大事です」(江口)

 さらに続けて、任天堂の次世代ゲーム機"レボリューション(コードネーム)"の話題に……。

 「レボリューションは非常にユニークなコントローラーが特徴です。これをどう活かすのかと考えていくことは、とても楽しいチャレンジだと思います。そしてさらに、私のつぎのチャレンジは、レボリューションの機能をいかに使って、新しい『どうぶつの森』を作るか? ということ。それに加えて、携帯型ゲームで支持を得た『おいでよ どうぶつの森』と据え置き型であるレボリューションの新しい『どうぶつの森』を差別化しつつも、うまく相乗効果を得られる方法考えていくこも大きな課題です」(江口)


 なんと、レボリューション版『どうぶつの森』の計画があることも明らかにしたのだ! レボリューションの機能を活かした『どうぶつの森』とは、はたしてどんなものになるのか? 正式発表を待ちたいところ。

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