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【AOGC 2006】ガンホーの森下氏、コーエーの松原氏などが講演

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●アジアのオンラインゲームについて考える

AOGC2006

▲AOGC2006はオンラインゲームやネットワーク事業の関係者を対象に開催。どのセッションもかなりの盛況ぶりだった。


 "アジア オンラインゲーム カンファレンス 2006 東京(AOGC2006 Tokyo)"が都内で開催された。これはブロードバンド推進協議会主催のイベントで、昨年に続いての開催となる。アジアのオンラインゲームの現状と今後の可能性についてのさまざまな講演が展開され、2月9日と10日の2日間に渡り、全部で24のセッションが予定されているのだ。初日の2月9日は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役社長の森下一喜氏による基調講演、ソウル中央大学経営学科助教授の魏晶玄(ウィ・ジョンヒョン)氏などが参加しての韓国セッション、コーエー執行役員の松原健二氏による特別講義など興味深い講演が相次いだ。

●目指すのは滞在し続けるコミュニテイメントメディア
基調講演
ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長 森下一喜氏


ガンホー・オンライン・エンターテイメント 代表取締役社長 森下一喜氏

▲「オンラインゲームは総合メディアになる」と森下氏。ゲーム内での広告展開も計画されているという。
 

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは日本でもっとも成功しているオンラインゲーム『ラグナロクオンライン』を軸に急成長を遂げたゲーム会社だ。最近では、ゲーム開発会社のゲームアーツを子会社化したほか、ジー・モードやブロッコリーの筆頭株主になるなど、幅広い展開に目を向けていることがうかがえる。

 森下氏は、日本のオンラインゲーム市場の現状について「ブロードバンドの急速な普及により市場が拡大し、サービス形態もモバイルや家庭用ゲーム機、コミュニティーやブログなど多様化している。いまは我々にとってターニングポイント。非常にチャンスのある市場になりつつあると思います」と分析。また、次世代ゲーム機についても「期待されるのはネットワークコミュニティーとしての可能性です」、「パラダイムシフトによる産業革命が起こる」と期待を寄せ、PC以外への展開にも意欲を見せた。そして、次世代へ向けてつぎのように語った。

 「次世代に求められるのは何か? それは遊び"方"を提供するサービスへのシフトです。これからはインターネット産業が持つ技術(ネットワークシステムやコミュニティの運営、サーバー管理など)とゲーム産業の技術(ゲームデザインや世界観構築など)が融合し、革命的なビジネスモデルが創造される。ガンホーは現在オンラインゲームのパブリッシャーですが、将来的にはオンラインゲームコミュニティー、さらには総合コミュニテイメント企業に向かう。ブロードバンド時代で大事なのはページビューではなく、滞在時間です。コンテンツを軸に滞在し続けるコミュニテインメントメディアを目指します」(森下) 

 

●地域の市場特性に合わせた戦略が重要
韓国セッション
コンテンツ経営研究所所長/ソウル中央大学経営学科助教授 魏晶玄氏

 

コンテンツ経営研究所所長/ソウル中央大学経営学科助教授 魏晶玄氏

▲魏氏は各国を自分の足で巡り市場を分析。アジア市場全体を把握している。
 

 魏氏はアジア各国の市場の現状と問題点について的確に分析している。地域別の市場についてはつぎのように解説している。なかなか興味深い内容となっていたので、簡単に紹介しよう。


韓国市場 MMORPGのゲーム性の向上、とくにグラフィック水準の強化が最近のトレンドです。しかし、グラフィック偏重は危険だと考えています。というのも、クオリティーの高いグラフィックはコストがかかるわりに、ユーザーにはそれほど魅力が伝わらないからです。シンプルなグラフィックでもおもしろいゲームは作れるはずですし、それに、いくらすごいグラフィックでもユーザーはやがて飽きてしまいます。また、韓国のオンラインゲーム市場の成長は鈍化しています。市場が成熟してきた中で、MMORPGからカジュアルゲームにジャンルが拡大し、料金体系も月定額制からアイテム課金へシフトしつつあります。メーカーには、新たなビジネスモデルの構築が求められるでしょう。

日本市場 日本市場はビデオゲームとアーケードゲームが中心です。PCのオンラインゲームには、なかなかユーザーは移ってきません。なぜ、そうなのか? それはゲーム性においてビデオゲーム、アーケードゲームが優れているから。オンラインゲームの魅力は体験しなければわかりません。日本では、娯楽において選択肢が多いですから、PCまでなかなかたどりつかないのではないでしょうか。そんな中で、MMORPGが過剰にリリースされているようにも思います。一方で、日本型オンラインゲームの可能性をアーケードゲームで見ることができます。セガの『三国志大戦』と『甲虫王者ムシキング』を見て、私は「オンラインゲームの魅力をよく理解している人が作っているんだろうなあ」と思ったんですね。人間どうしの対戦の楽しさはオンラインでのマッチングに、カード収集の射幸心はアイテム課金に通じる。日本においては、PCをフォーマットとしない独自の発展もあると考えられます。

中国市場 オンラインゲーム市場は24億7000万元規模、ユーザー数は約2634万人。ほぼ成熟期と言ってもいいでしょう。特徴的なのは中国政府の強力な支援もあって、2005年は192タイトル(前年比76パーセント増)が中国で開発され、開発者数も前年比3倍の12600人に。また、開発能力が急速に向上し、『完美世界』といった3Dゲームもリリース。さらに、『剣侠情縁(The Swordman)』のベトナムでの正式サービス開始など、海外への進出も目立っています。

アセアン諸国 東南アジアにおいては、ブロードバンドなどのインフラ整備が大都市だけでしか進んでいません。オンラインゲーム市場は大都市の島を中心に形成されているイメージです。ゲーム市場の広がりはPCバンが中心となっていて、ほかにあまりエンターテイメントがないなかで安価な娯楽として受け入れられているようです。ユーザーの性向は中国と似ていますが、タイは仏教、ベトナムは社会主義、マレーシアはイスラム教というように地域によって文化的な障壁もあります。地域ごとの発展の差も大きいですね。


AOGC2006

▲「『三国志大戦』や『甲虫王者ムシキング』に日本のオンラインゲームの成功のカギがある」とも語った。


 魏氏は、「地域ごとに市場やユーザーのパターンの違いを把握することが大事」と説く。このあたりに、海外における成功のカギがあるのは確かだろう。 

 

●日本での普及のカギは、やはり家庭用ゲーム機
特別講演
コーエー 執行役員 ソフトウェア事業部ソフトウェア5部 松原健二氏


コーエー 執行役員 ソフトウェア事業部ソフトウェア5部 松原健二氏

▲松原氏は「次世代ゲーム機では、オンラインゲームの新たな形が提示できる可能性もある」と語った。
 

 コーエーは家庭用ゲーム機、PCで多数のオンラインゲームを展開。日本国内だけでなくアジアでも大きなブランド力を持っている。これらのオンラインゲームを手がける人物が松原氏だ。前回のAOGC2005に続いて参加した松原氏が、コーエーのオンラインゲーム戦略を語った。

 松原氏は日本のオンラインゲーム市場に関して、「カギを握るのはやはり家庭用ゲーム機」と言い切る。次世代ゲーム機のXbox 360、プレイステーション3、レボリューション(コードネーム)はどれもオンラインに対応することが発表されているが、これに対しては「オンラインゲームを支援する機能がどれだけあるかが重要。課金やマッチングなどの心配をすることなく、コンテンツ作りに専念できる環境があってほしい」とコメント。すでに発売されたXbox 360以外は、まだ明らかにされていないことも多く、「コーエーとしてはこれから見定めて、判断していく」とも語った。
 

AOGC2006

▲「プレイステーション3は現行機のシェアを受け継ぎ大きな市場になるだろう」というのが松原氏の見解。コーエーはプレイステーション2でもいち早くオンライン対応ソフトを投入した実績もあり、プレイステーション3での期待も大きいとのこと。

 

AOGC2006

▲任天堂がニンテンドーDSで示した敷居の低いオンラインサービスに対して「レボリューションでも、まったく新しい方向性のサービスが構築できる可能性を感じる」と松原氏も期待。



 また、アジア市場に関しても言及。『大航海時代 Online』や『信長の野望 Online』は韓国や台湾でも展開している。これについて松原氏はつぎのように語っている。

 「市場によってユーザーの考えかたが異なることを実感しました。例えば、韓国では"インターフェイスを韓国のゲームに合わせてほしい"というリクエストが多かったですね。というのも、オンラインゲームのインターフェイスの標準というのがあって、ユーザーはそれで遊びたいんですね。一方、台湾は逆で"日本の仕様と同じにしてほしい"と言うんです。台湾では、日本のものにそのまま触れるという文化が根づいていて、むしろ"日本と同じ"が好まれるんですね」(松原)

 さらに、開発中のオンラインゲームについてもコメント。Yahoo BB向けに提供予定の『真・三國無双BB』については「詳細はもうしばらくしたら、発表できると思う」、『三国志 Online』については「はじめから、アジアや欧米でも展開予定」と語っていた。 


 なお、AOGC2006の2日目は、マイクロソフトのXbox Liveに関する講演や中国市場をテーマにしたセッションが予定されている。こちらも後日、リポートするのでお楽しみに。

※AOGC2006公式ホームページはこちら 

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