杉並区の中学校がXboxでオンライン授業を実施!
2005/7/8
●ビデオチャットを使って福祉の勉強を!

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▲教室から椅子を持ち運んで、コンピュータ室に1年生全員が集結。 |
マイクロソフトが杉並区の小中学校などに教育的利用を目的として、Xboxを提供していることはすでにお伝えしているとおり(→関連記事)。その利用プログラムのひとつとして、本日7月8日、杉並区立中瀬中学校でXboxビデオチャットを利用したオンライン授業が行われたぞ。
今回のオンライン授業の講師は、スペシャルオリンピックスの理事長を務める細川佳代子氏。スペシャルオリンピックスとは、知的発達障害のある人たちにスポーツを教え、日常的なトレーニングはもちろんのこと世界競技大会なども実施する団体。中瀬中の1年生の科目に、福祉について学ぶ時間があり、今回Xboxを利用して細川理事長から直接話を聞く機会が設けられたわけだ。
Xboxとビデオチャットが設置されたコンピュータ室に、1年生3クラスの85名の生徒が大集結。画面に細川氏が登場して挨拶をすると、生徒たちは拍手でそれに応えた。最初はどちらも緊張気味に見えたものの、お互いの言葉や表情などがリアルタイムに問題なく伝わり、すんなりとコミュニケーションができるように。細川氏は、「この日を楽しみにしていました。誰もが初めてのオンライン授業ですが、こんなすばらしいことを実現していただいたマイクロソフトさんに、まずお礼を言いたいと思います」と挨拶。

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▲生徒たちの反応を見ながら笑顔で丁寧に語っていた、スペシャルオリンピックス理事長の細川佳代子氏。 |
授業は、事前に各クラスでまとめられた15個の質問を代表の生徒たちが順に発表して、ひとつひとつに細川氏が答えていく、という形で進行した。"なぜ細川さんは理事長をしているのですか?"など、中学生らしい率直な質問にも、細川氏は分かりやすく説明。スペシャルオリンピックスの活動を通じて、ボランティアを心から楽しいと感じるようになった、と自身の体験談が語られた。最後には、生徒が事前に決められた質問以外に「どうやったらボランティアになれるのか」といった疑問を投げかける場面も。普段の授業とは違うシチュエーションに、生徒たち全員が積極的な姿勢を見せていたぞ。

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▲15名の生徒代表が質問を行い、細川氏は生徒たちの反応を確かめながら説明。マイクを通してはっきりと声が届くが、念のため生徒たちはフリップを用意していた。 |
オンライン授業終了後、生徒たちに感想を聞くと、皆口を揃えて「楽しかった」と満足げ。スペシャルオリンピックスへの理解や関心も深まったようだ。Xboxのビデオチャットについては、「ちょっと声がずれたけど、スムーズに話ができて問題なかった」、「うちにもXboxが欲しい」と好感触だった様子。マイクロソフトが杉並区にXboxを提供したことについても知っており、「マイクロソフト、偉い!」と同社を身近に感じたようだった。
杉並区のXboxを活用した教育プログラムは、今回のオンライン授業が2回目。生徒たちの反応はもとより、先生からも「生徒の自主性が見られてよかった」との声が聞かれ、大成功と言えるのではないだろうか。今後、Xboxのコミュニケーションツールとしての利用がさらに広がっていくことに期待したい。