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社会の諸問題をゲームで解決する!? 東大でシリアスゲームの講義が開催!!

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●社会問題を解決するためにゲームの技術を応用するシリアスゲーム

 学問的な立場からゲーム研究に取り組んでいる、東大ゲーム研究プロジェクトが定例研究会を実施。ペンシルバニア州立大学大学院博士課程の藤本徹氏をゲストに招いての、"北米におけるシリアスゲームの展開"と題する講義を行った。 

 軍事や教育など、社会の諸問題における問題解決のためのゲームとして、近年北米を中心に脚光を浴びている"シリアスゲーム"。今回の講義は、日本ではいまだなじみの浅い"シリアスゲーム"を深く知る絶好の機会として、一般にも広く門戸を開放して行われた。会場には、50人以上の聴講者が集まったのだ。

▲東大ゲーム研究プロジェクトの定例会として行われた講演。北米では脚光を浴びているシリアスゲームについてレクチャーした。


 まず藤本氏は、シリアスゲームのコンセプトから説明。「ビジネスや軍事、教育、医療福祉など、社会問題を解決するためにゲームの技術を応用することがシリアスゲームです。ここ2〜3年、シリアスゲームというひとつのコンセプトでコミュニティーを形成し、ノウハウの共有や人的交流などを促進しているんです」とレクチャーした。さらに、シリアスゲーム研究の切り口としては、@市販ゲームの教育への応用、Aゲームを通した学習の学習効果研究、B問題解決のためのゲーム開発といったものがあるとした。「シリアスゲームが教育界で注目されている理由としては、「リアルで危険、高コストな環境を低コストで再現できたり、学習者をひきつけるのに有効だからです」と説明。その一例として、セガの『スーパーモンキーボール2』をプレイすることが、外科手術のトレーニングに効果があったという研究成果が発表されたことを明らかにした。

 また、シリアスゲームの具体例として、米陸軍が新兵募集用マーケティングツールとして開発したシューティングゲーム『America's Army』や、リーダーシップのメカニズムを理解するシミュレーション『VirtualLeade』などが紹介された。さらには、アメリカでは、7年ほどまえよりバーチャルリアリティメディカルセンター(VGVR)をサンディエゴなど数ヵ所に設置。恐怖症治療のためにビデオゲームやバーチャルリアリティを利用して、一定の成果を挙げていることを紹介してくれた(成功率92パーセント)。VGVRによると、『ミッドタウンマッドネス』は運転恐怖症に、『アンリアルチャンピオンシップ』は高所恐怖症や閉所恐怖症の治療に有効とのことだ。

▲シリアスゲームジャパンの藤本徹氏が講演。シリアスゲームのコンセプトから資金調達の必要性まで、幅広く講義してくれた。


 今後は日本でも積極的に、シリアスゲームの活動を展開していくとのこと。その過程では、ゲームで培ったノウハウを教育界に応用……などといった機会も増えるのかもしれない。今後のシリアスゲームの日本での展開に注目したい。


※シリアスゲームジャパンの公式サイトはこちら 

 

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