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第3回東京国際CG映像祭で『鬼武者3』と『FFVII AC』のCG秘話が披露!

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●ゲーム史上屈指のクオリティーを誇る『鬼武者3』のオープニングCGはこうしてできた!

 10月30日、東京、六本木アカデミーヒルズにて、第3回東京国際CG映像祭が開催された。"CG映像のコンテンツ産業の振興を図る"ことを目的に開かれたこのイベントだが、ここ数年の盛んなCG映像事情を反映してか、各ジャンルからのバラエティーに富んだコンテンツが集結した。なかでも人気なのはゲーム関連コンテンツで、『鬼武者3』と『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』の講演会が行われ、来場者にゲームCGのクオリティーの高さを見せつけていたのだ。ここでは、そのふたつの講演会の模様をお届けしよう。

▲第17回東京国際映画祭の協賛企画として行われた、第3回東京国際CG映像祭。アニメやゲームなど日本の誇るCG映像がお目見えした。会場は立錐の余地もないほどの盛況ぶりで500人近くが来場。『ファイナルファンタジーVII』人気ゆえか、女性の来場者が目立った。



▲「CGの魅力は無限の可能性があること。今日できないことが明日はできる」という倉澤氏。

 驚異的なオープニングCGが世界的に評価された『鬼武者3』。そのCGを手がけたのが、ROBOTの倉澤幹隆プロデューサー。同氏をゲストに招いての"メイキング オブ『鬼武者3』CGシネマティックスとその系譜"は、『鬼武者』シリーズのオープニングCGの流れを辿る、興味深い講演となった。ゲームパートとCGパートを明確に分離して、それぞれ別のプロデューサーを立てた『鬼武者』。CGパートのプロデューサーである倉澤氏にとって、『鬼武者』シリーズはいかに発売元のカプコンのリクエストに応えるか、の歴史でもあった。カプコンの"映画的な映像を表現すること"や"戦国時代の合戦をCGで描きたい"といった、そのときどきの要望に対し、映画監督を演出に起用したり、モーションキャプチャーの新技術を取り入れることで対応。クオリティーの高い映像を作り上げてきた。その集大成とも言えるのが『鬼武者3』のオープニングCG。「世界マーケットをターゲットにした」という『鬼武者3』のオープニングCGでは、香港のアクション俳優であり監督のドニー・イェンをアクション監督に起用。香港から本場のアクションアクターを招いて、モーション・キャプチャーを敢行した。また、「より実写に近いものを」という山崎貴監督の希望により、背景には実写を使用し、ミニチュアを作成して立体の質感をかもしだしている。さらには、ゲームCGとしては初のHDRIライティング(実写撮影時のライティング情報をそのまま使用できる画像フォーマット)を採用するなど、細部に至るまでこだわりぬいた制作姿勢を貫いている。準備期間に半年、制作スタッフは総勢70名を数えるまでになったというオープニングCGの制作は、さながら映画撮影をしているかのよう。これだけの努力があってこそ、初めてあれだけのハイクオリティーの映像が可能になるということを実感させられたのだ。最後に倉澤氏は「理想は高く、足は地に。自分は何がやりたいのか、何ができるのか、何を学ばなければならないかを明確にしてください。一期一会、人との出会いを大切に、どんどんチャレンジしてください」というエールを来場者に送り、講演の幕は閉じた。

▲『鬼武者3』のオープニングCGは、ワールドクラスのエンターテイメントへの挑戦だったという倉澤氏。その挑戦は、世界から大きな賞賛をもって迎えられた。

 

●『FFVII AC』の進行状況は60パーセント!? 

 ゲームCGと言えばやはり外せないのがスクウェア・エニックス。"『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』コンピレーション オブ FFVII"と題された講義は、執行役員の橋本真司氏によるプロデューサー論と、コ・ディレクターの野末武司氏らによる具体的な製作技法の紹介の2本立てで行われた。

▲国際映画祭などに出展して、「日本のコンテンツは世界中で待たれていることを実感した」と橋本氏。

 まず壇上に立った橋本氏は、「これだけ人気のある『ファイナルファンタジーVII』を放っておく手はないということで、"コンピレーション"による展開を企画しました。それぞれ異なるメディアで登場する4つの作品において、『FFVII』の世界にさらなる広がりができ、新たなる謎が生み出されていくわけです。そんななか、『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』(以下『AC』)は、『FFVII』の完全続編として企画がスタートしました。ゲームではなく映像作品なのですが、先ごろのヴェネチア国際映画祭などを筆頭に、世界中の映画祭からオファーをいただいているんです」とコメントした。そして、ゲーム制作の役割として、プロデューサーやプロダクトマネージャーなどがあることを紹介。"多人数の指揮系統の確立"や"スタッフのモチベーションの維持"といったプロデューサーの仕事内容を列挙してくれた。

▲「このコンピレーションにより、次の夢が開ければ」と橋本氏。


 おつぎは、「『AC』をどうやって作っているかの舞台裏をはじめて明かします」との言葉とともに、実際に制作を担当している3人(ディレクターの野末武司氏、キャラクタースーパーバイザーの宮本桂氏、シーケンススーパーバイザーの森泉仁智氏)にバトンタッチ。「CGコンセプトとしては、いかにキャラをデフォルメするか」(野末)、「絵コンテに関しては、3D上でのレイアウト(ビデオコンテ)を重視しました」(森泉)、「キャラ作りで心がけたのは、クオリティーとコストバランス。やるべきはやり、省くべきは省く」(宮本)など、ファンならずとも興味深い発言が続出。当初20分程度で考えていた映像は、シナリオなどの見直しにより70分近くに膨らむ見通しで、現在40名のスタッフが制作中とのことだ。

▲左から野末氏、宮本氏、森泉氏。『AC』ではキャラのパターンを男、女、子どもの3体とし、いろいろなキャラはそこから派生させたとのこと。


 講演がいちばん盛り上がったのは、最後の質疑応答。会場には熱心な『FFVII』ファンが多かったようで、アツイ質問が続出。とくに元気な女子高生の「実際のところ進行状況は?」という単刀直入な問いに「ざっくり60パーセントですね」(野末)、「これからどんどん完成度も上がっていきますよ。現状PSPのUMDと、DVDでのリリースを考えているのですが、発売時期に関しては映像業界との調整の必要もあり、完成したら即発売というわけにはいかないかもしれません。なるべく早くリリースしたいと思っています」(橋本)など、開発者をたじたじとさせる質問も。講演には秘蔵映像の紹介なども織り交ぜられ、来場者には満足の内容となったようだ。

▲「『AC』でのひとキャラあたりのポリゴン数は?」との来場者の質問に、「じつはポリゴン数はそんなに多くなくて、『ファイナルファンタジーX』よりも少ないくらいなんです(野末)」など、熱心な質問が続々。

 

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