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爽快感やゲーム性など、あらゆる面でレベルの高いアクション『NINETY-NINE NIGHTS II(ナインティナイン ナイツII)』インプレッション
【プレイ・インプレッション】

2010/7/30

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●異なる種族の戦士たちが、力をあわせて夜の王へ戦いを挑む

 KONAMIのXbox 360用ソフト『NINETY-NINE NIGHTS II(ナインティナイン ナイツII)』は、ファンタジーの世界を題材にしたアクションゲームである。簡単な操作で武器を振り回し、敵を爽快になぎ倒すことができる。しかし本作は、ただそれだけの単純なゲームではない。敵の配置や地形、ボスの動きかたなどを理解すれば、より楽に敵を倒せるように作られている。その多様な魅力を、ファミ通Xbox 360を中心にレビューや攻略記事を担当してきた古株ライター、石井ぜんじがインプレッションする。

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▲地形要素やスキルの使い方など、ちょっとしたところに攻略要素が存在する。爽快感と戦略性、成長要素が、バランスよく組み合わさっている。


●複数の戦士の視点が、重層的な世界観の広がりを産む


 本作の魅力のひとつは、ていねいに描かれたキャラクターと、そこから見えてくる世界観である。アクションゲームなので、RPGなどと比べてムービーシーンは多くないし、長いテキストでくどくど説明されることはない。だが短い中にも情報が詰まっており、背景を想像させるように演出されているのが特徴だ。
 使用できるキャラクターは、主人公となるグレンのほかに、エルフの王女セフィア、ダークエルフのザジ、ハーフ・オーガのマグニ、ゴブリンのレフがいる。どの人物も種族が違い、戦う理由など、思うところが微妙に違うのがポイントだ。別のキャラクターを選べば、そのキャラクターの視点で物語は進む。プレイヤーは複数の視点で戦いの推移を見ることになり、それが重層的な世界観の構築に貢献している。
 また同じ戦場が舞台でも、取るべき行動がキャラクターによって異なっている。別れたキャラクターが再び出会ったり、情報を得て針路を変えたりと、同じ時を歩んでいるように感じさせる演出が凝っている。
 これらの演出は、スピーディーなアクションのリズムを崩さず、世界観を表現しているところに価値がある。本作はアクションゲームであり、ストーリーは決して複雑なものではない。だが巧みなキャラクター造形、ゲーム内の演出は、ただのアクションにしっかりとプラスアルファを加えてくれている。

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▲価値観が違う戦士たちが、それぞれの役割を果たして戦っていく。キャラクター造形や声優の演技もすぐれており、思い入れを深めてくれる。

 
●ただ剣を振るだけではない、学習効果の積み重ねが味わいを深める

 本作のベースとなるのは、ひとりで大量の敵をなぎ倒す爽快感だ。武器を振り回していけば敵を巻き込んで、どんどん倒していくことができる。この爽快感は本作の魅力の大きな部分を占めており、それを求めてプレイするのは間違ったことではない。
 だがノーマルの難度で遊ぶと、意外に敵が手ごわいと感じるかもしれない。矢を撃つ敵、槍で突いてくる騎兵、空を飛ぶ敵など、バリエーション豊かな敵が待ち受けている。それぞれ対処法が違うので、ただ武器を振り回しているだけではダメージをくらいやすい。
 逆に言えば、しっかりと状況を判断し、考えながらプレイをすれば楽に進むことができるということである。考えるプレイといっても、とくにパズル要素が複雑なわけではない。どの敵から先に倒すか考えたり、地形を利用したり、スキルを活用したりと、ちょっとした工夫が役に立つ。ひとつひとつの工夫は些細なものだ。だがその積み重ねが、確実に敵との戦いを楽にしてくれる。
 同じステージでも、1回、2回とくり返すほどに楽になる。これらの学習効果による上達は、さりげないアレンジではあるが意図的に組み込まれたものだろう。アクションゲームが好きなプレイヤーにとって、このような「うまくなった」と感じさせるゲーム性は魅力的に感じるはずだ。

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▲敵の出現場所を覚えるだけでも、動きの質は変わってくる。プレイを重ねれば、上達を感じさせてくれるゲームに仕上がっている。


●成長要素と難度変更がプレイヤーを救済する


 アクションスキルの高いプレイヤーなら、ノーマルの難度で一直線にラストまで目指すことができるかもしれない。だが本作は一度クリアーしたステージはくり返し選ぶことができ、それによってプレイヤーキャラを成長させることができる。挑戦しているステージが難しすぎると思ったら、前のステージで経験を積めばよいのだ。成長するのは、キャラクター自身の体力、武器の破壊力、アクセサリー(スキルを使うために必要)の性能など。これらのレベルを上げていけば、より速く、楽に敵を倒せるようになってくる。
 また難度はいつでも変えられるため、そのステージが難しいと思ったらノーマルからイージーに変えてもいい。イージーで成長させたキャラクターを、ノーマルの難度で使うことも可能だ。根気よくプレイすれば、いつかはクリアーできるようなシステムになっている。

 このように、本作は歯ごたえのある難度とゲーム性を持つ反面、抜け道も用意されている。アクションが苦手な人でもくり返しプレイすればなんとかなるので、間口はそれなりに広い。

同じステージを何度もプレイし、成長させていく楽しみかたは、日本のアクションゲーマーならおなじみのシステムだ。筆者はこのようなタイプのアクションには慣れており、十分に楽しむことができる。 
 ただゲーム本来の意味で考えると、間違った行動をすればやられてしまい、正しい行動をすれば生き残る、というのがあるべき姿のはずだ。成長さえすれば、ベストではない方法でもボスを倒せるというバランスは、学習効果を半減させ、何が正しい攻略法なのかをあいまいにしてしまう。
 このあいまいさが、自身が成長するアクションゲームに慣れていないプレイヤーにとってわかりづらいかもしれない。とくに海外のプレイヤーには、この部分が理解されていないように筆者には思える。
 本作は学習効果と、成長要素がうまく組み合わされた作品である。それを理解して、ある程度時間をかけ、自分に適した難度で楽しんでいくといいだろう。

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▲一度クリアーしたステージをくり返しプレイすることにより、キャラクターが成長して難度が下がる。バランスよくレベルアップしていこう。


●アクションを彩る豊富なスキルの数々


 本作は手持ちの武器以外に、数々のスキルを装備することができる。スキルの数は非常に多く、同時に8つまで装備できるので選択肢は非常に広い。この組み合わせで、キャラクターの性能を大幅にアレンジすることができる。
 スキルにはプレイヤーが操作をして使うものと、装備すると自動で効果を発揮するものがある。攻撃系のスキルは、単調になりやすい武器での攻撃にアクセントを加えてくれるだろう。自動で効果を発揮するスキルは、ステージの特徴によって付け替えてみるのもよい。
 スキルは多くの場合、ステージを探索することで発見できる。重要なポイントは、一度発見したスキルは、別のキャラクターでも使いまわせるということだ。つまり多くのキャラクターを平行して使えば使うほど、スキルの選択肢が増えていく。スキルの中には、強力な効果を持つものも存在する。いろいろ使い比べてみて、使いやすいスキルを探してみよう。

 スキルを活用すれば、自分なりのスタイルでプレイヤーをアレンジできる。スキルの選択や使いかたは奥が深いが、ワンパターンになりがちなところには注意したい。発見したスキルはどのキャラクターもつけられるため、一部の強力なスキルで統一することが可能なのだ。
 シンプルなシステムにしたおかげで、戦いかたがわかりやすくなったことも確かだ。より種族の特性を演出したい場合は、性能よりもキャラクターの雰囲気に合ったスキルを選ぶといいだろう。自由度の高い本作には、そのような遊びかたがふさわしいのではないかと思う。

 本作はあらゆる面で質の高いアクションゲームである。だが成長システムやスキルのシステムに特徴があるため、遊びかたしだいで難しくもなれば、やさしくもなる。その魅力を引き出すのは、プレイヤーの力量にかかっているのかもしれない。


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▲スキルの中には、強力な効果を発揮するものがある。能力に特化するのか、雰囲気重視で選ぶのかは、プレイヤーの選択にかかっている。

 

筆者紹介 石井ぜんじ

ファミ通Xbox 360誌でクロスレビュー、攻略を担当する古株ライター。ゲームの文章を書き始めてから20数年、飽きずに続けております。過去に『NINJA GAIDEN(ニンジャ ガイデン)』シリーズ攻略本、『シュタインズ・ゲート公式資料集』に参加。最近ではアーケードゲーム『ボーダーブレイク』の攻略本などにも関わりました。これからも好きなゲームを応援したいですね。


 『NINETY-NINE NIGHTS II(ナインティナイン ナイツII)』

■機種:Xbox 360
■発売元:KONAMI
■発売日:2010年7月22日発売
■価格:7140円[税込]
■テイスト:ファンタジー
■ジャンル:アクション
■プレイ人数:1人(オンラインプレイ時:2人)
■CERO:17歳以上対象


※『NINETY-NINE NIGHTS II(ナインティナイン ナイツ II)』の公式サイトはこちら

[石井ぜんじの過去のレビュー記事]
※萌え要素とミステリーの融合による独特の世界を創り上げた『メモリーズオフ ゆびきりの記憶』インプレッション
※光源を巧みに活かした独特の演出が秀逸、『アラン ウェイク』インプレッション
※これまでにない斬新な戦闘システムが爽快さへと誘う『エンド オブ エタニティ』
※ゲーム性のクオリティーアップが世界への没入感をより高める『アサシン クリードII』インプレッション
※時間という禁断のテーマに挑んだ本格派ノベルゲーム『シュタインズ・ゲート』インプレッション
※じっくりと余韻を楽しみたい大人のギャルゲー『ドリームクラブ』インプレッション
※プレイヤーの腕がしっかり反映される『バイオニック コマンドー』インプレッション
※戦略性がほどよくアクションに融け込んだ絶妙のバランス『真・三國無双5 Empires』インプレッション
 

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