HOME> ゲーム> ゲームも映画も次回作への意欲満々、カプコン稲船敬二氏が語る『デッドライジング2』の魅力
●『デッドライジング2:
CASE 0』は2010年8月31日に400マイクロソフトポイントで配信
2010年7月22日〜25日(現地時間)、アメリカ・サンディエゴにてキャラクターコンテンツの祭典“Comic-Con
International 2010(コミコン)”が開催。ゲームメーカーも注力する、このイベントの模様をリポートする。
▲エグセクティブプロデューサーの稲船氏。 |
ゾンビをテーマに全世界で大ヒットを記録したカプコンの『デッドライジング』。プロデューサーの稲船氏いわく、会社が思っていた以上に大ヒットを記録したことから(ご本人はもっと売れると思っていたらしいが)、続編を制作することになったという同作だが、『デッドライジング2』の制作にあたっては、「もっともっとエキサイティングに、もっと全米に向けた、アメリカの人たちが喜ぶ『デッドライジング』を作りたい!」との意気込みのもとに開発をスタートしたという。コミコン開催初日の2010年7月22日には、そんな北米のゲームファン注目の『デッドライジング2』のセッションが行われた。登壇したのは、エグセクティブプロデューサーの稲船氏と、プロデューサーの大原晋作氏のふたりで、ゲームの魅力がふんだんに語られた。
▲プロデューサーの大原晋作氏 |
まず語られたのが、先行配信されるXbox
LIVE配信タイトル『デッドライジング2: CASE 0』。これに対して稲船氏は、「ふつうに体験版を配信するのはよくあるが、それだとおもしろくないないので、『デッドライジング2』の前の出来事をユーザーの皆さんにわかってほしくて『CASE
0』の配信を決意した」と説明。『CASE 0』で描かれるのは、『2』から3年前、『1』から2年後の出来事で、『CASE 0』をプレイすれば、すんなりと『デッドライジング2』に入っていけるようになっている。金額も、ボリューム的に見て800マイクロソフトポイントがふさわしいとの会社の判断がありつつも、「多くの人に遊んでもらいたい」(稲船)との思いから、400マイクロソフトポイントに決定。「はっきり言って赤字なのですが、会社の反対を押し切ってプロデューサー判断で決めました」とのことだ。しかも、ゾンビと戦って遊ぶだけなら、無料で何時間でも遊べるという。さらに、発売日も、2010年8月31日なることが正式にアナウンスされた。
おつぎに触れられたのが「要望が高かった」(稲船)というマルチプレイ。『1』では、開発期間の問題などから収録を断念したというマルチプレイだが、『2』はしっかりと実装。マルチプレイでは、テレビのゲームショウに参加するという形式で、ゾンビと遊ぶ10種類程度のミニゲームを用意。そこで友だちと競い合うことになるという。協力プレイに関しては、チームプレイの最中に友だちを呼び出して、ゾンビを相手にいっしょに戦うことが可能になる。「自分が作ったコンボ武器を友だちに見せ合って自慢する……といった遊びかたもおもしろいのでは」と稲船氏。
ここでサービス精神旺盛な稲船氏は、「ここに来た人たちだけの秘密」として来場者のために開発の裏話を披露してくれた。ご存じのとおり、『デッドライジング2』では“フォーチュンシティー”というカジノが舞台になる。舞台をカジノにした理由について稲船氏は、前作の『1』で、ショッピングモールを舞台にしたときに、カリフォルニア中のショッピングモールを取材して、取材だと言いつつ買い物をしていたという経緯から、カジノの街を舞台にすれば、「ラスベガスに取材で行けるのでは?」との思いからだったという。ところが、稲船氏はあまりのスケジュールの忙しさにラスベガスにはついに行けなかったらしい(もちろん、スタッフの皆さんは足しげく通ったそうです)。と、半分冗談のエピソードは別にして、当初、舞台はカジノではなくて、遊園地を考えていたのだとか。それは、「大人向けのゲームだからこそ、子ども向けの舞台で展開されるギャップを目指していたから」(稲船)なのだという。武器のコンボに際して使用されるカードはその名残で、最初は子ども向けのトレーディングカードをイメージして作ったものとのこと。この“ギャップ”というのは、『デッドライジング2』を紐解くキーワードのひとつになるのかもしれない。
また、セッションでは、稲船敬二氏の第1回監督作品となる『屍病汚染
DEAD RISING』(英語タイトルは『ZOMBREX DEAD RISING SUN』)も紹介。「ホラー映画が大好きで、80年代のローバジェット(低予算で制作された映画)のテイストをいかに盛り込めるかということで、チープな映画を作ってみました」と稲船氏。映画は真面目にやりながらも、武装車椅子など、くだらないことを随所に取り入れているという。ヒロインは物語の冒頭からゾンビに感染しており、「主人公が感染しているゾンビ映画はなかなか珍しいのではないか」と稲船氏。主人公たちがいかにゾンビに対抗するための“ZOMBREX”を探していくかのストーリーになるという。
とても興味深かったのが、日米のゾンビエキストラの質の違い。かつて稲船氏は『バイオハザード2』のプロデューサーを担当したときに、テレビCMのディレクションをゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督に依頼。そのときのアメリカ人のゾンビのエキストラを見て、「すごいな、この人たちは演技指導をしなくてもこんなにゾンビの演技ができるんだ。アメリカ人はこんなにゾンビが好きなのか!」と実感したという。今回の『屍病汚染
DEAD RISING』を撮影するときに、日本人のエキストラも同じようにゾンビの演技をしてくれるのかと期待していたところ、「ずごく下手で、ぜんぜんゾンビに見えない」(稲船)ことに驚いたという。とはいえ、さすがにエキストラに演技指導をしている余裕はなく、結果として、映画の中には相当おかしなゾンビが出てくることになってしまったのだとか。ゾンビと幽霊を間違えて、「うらめしや〜」よろしく演技をしているゾンビもいるのだとか(笑)。「ここにいる皆さんの応援があれば第2弾の映画も作れます。第2弾の構想もありますので、ぜひ応援してください!」と最後に次回作への積極的な意欲も見せた稲船氏だった。
次回作ということでは最後の質疑応答で興味深いやりとりが。質問者が『1』の主人公であるフランク・ウエストが『2』に出てこないのか聞いたところ、稲船氏は「フランク・ウエストがすごい人気なのはよく知っています。今回はお休みしてもらって次回に備えてもらおうと思っています」とのこと。あるいは『デッドライジング』もシリーズ化に? ということを期待させる稲船氏の返事だった。『デッドライジング』シリーズのさらなる広がりを予感させるセッションだったと言えるだろう。
※[関連記事]ゾンビ祭に鈴木亜美もやってきた! 『デッドライジング2』最新情報も
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