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CRI・ミドルウェアとオートデスクが“Game Tools & Middleware Forum 2010”で最新ツールの概要を紹介

2010/7/2

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●CRI・ミドルウェアがサウンドデザインツールの“CRI ADX2”をプレゼン

 2010年7月1日に都内で開催されたミドルウェアとツールをフィーチャーしたカンファレンス“Game Tools & Middleware Forum 2010(GTMF 2010)”。マイクロソフトの新デバイスKinect(キネクト)のお披露目など見どころの多いイベントとなったが、ミドルウェア&ツールメーカーも多数セミナーを開催。ここでは、CRI・ミドルウェアとオートデスクのセミナーをリポートする。

 先日、15年ぶりの大型アップデートとなるサウンドデザインのミドルウェア“CRI ADX2”を発表したばかりのCRI・ミドルウェア。GTMF 2010では代表取締役専務(CTO)押見正雄氏らが登壇し、“高度なサウンドデザインをすべてのプラットフォームに! 新オーディオミドルウェアCRI ADX2の先行紹介“と題された講演を行った。

 映像・音声を専門としたミドルウェア開発会社としておなじみのCRI・ミドルウェアだが、同社がセガサターン向けに“ADX”をリリースしたのが1995年。以降15年間で2093タイトルに採用され(2010年6月24日現在)、サウンドデザインのミドルウェアとして押しも押されもせぬ地位を獲得している。15年ぶりの大型進化となる“CRI ADX2”では、多様化するゲーム開発を強力にサポートするために、マルチプラットフォーム化をさらに推進。さらに、音声データと言えば、大容量かつCPUに負荷をかけることでおなじみだが、“CRI ADX2”では、より低負荷で高圧縮な音声コーデック(圧縮)を追求。従来からある圧縮技術”ADX”に加えて、MP3などと同等の高品質・高圧縮を実現した“HCA”や、複数同時再生時に非常に低負荷な“HCA MX“などの新技術を開発。マシンにかける負荷をより下げているのが特徴だ。さらに、プログラムを書かないでソフトウェアを作り上げることができる、サウンドオーサリングツールの“AtomCraft”を実装。わかりやすいインターフェースで開発ができるようになっている。セミナーでは、ADX2を担当する櫻井敦史氏が登壇し、音声コーデックやサウンドオーサリングツール“Atom Craft”のデモプレイを披露。“CRI ADX2”の使い勝手のよさを披露した。メニュー画面を開いてマウスひとつで各種設定を行っていく様子は、素人の記者が見ていても「自分でも作れるのでは?」と錯覚してしまうほどの魅力に富んだものだった。

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▲▲実際に効果音を鳴らしてCPUの負荷を検証。“ADX”は4〜5%、“HCA”が8〜9%、“HCA MX”2〜3%との数字に(左)。非常に使いやすいインターフェースの“CRI ADX2”(右)。


 また、“CRI ADX2”には、押見氏が「長年の念願であった」というアダプティブミュージックシステムの“ADAMS”も実装している。アダプティブミュージックとは、ゲームの状況に応じて音楽が変化すること。“ADAMS”では、複数のメロディーなどを自由に入れ替えたり、音程を変えずにテンポチェンジをしたり……といったことを簡単な操作で実現。ゲームの演出効果の幅を広げている。ちなみに“ADAMS”は、ただいま発売中のバンダイナムコゲームスのプレイステーション3用ソフト『アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く』の戦闘BGMに採用されているとのことだ。

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▲CRI・ミドルウェアの代表取締役専務(CTO)押見正雄氏(左)と櫻井敦史氏(右)。


 音楽、音声の再生マルチストリーミングの“ADX”のほかに、データ読み込み時の時間を削減する“ファイルマジックPRO”、そして効果音、環境音のデザインを行う“CRI Audio”3つのミドルウェアが組み込まれている“CRI ADX2”。2010年7月1日の提供以降は今後さらなる機能追加を図っていくという。iPhone版などの予定もあるのだとか。まさに、サウンドデザインツールの本命といったところだ。これだけの機能を盛り込んだ“ADX2”だが、押見氏によるとCRI・ミドルウェアでもっとも自信があるのは“サポート”とのこと。CRI・ミドルウェアで誰よりもゲームを愛する櫻井を筆頭に、タイトルのマスターアップのタイミングでムチャクチャがんばってくれるのだとか。技術を引き立てるのは、やはり人の心なのかも。


●より人間らしい動きを実現してくれるオートデスクの“HumanIK”と“Kynapse”

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▲オートデスクのM&Eソフトウェア部 門口洋一郎氏。

 “3ds MAX”に“Maya”、“ソフトイマージ”という業界を代表する3つの3Dグラフィックツールを擁するツールメーカーのオートデスク。同社のM&Eソフトウェア部 門口洋一郎氏は、オートデスクのミドルウェアの最新バージョン“HumanIK 4.5(ヒューマンアイケー)”と“Kynapse 7(キナプス7)”の機能紹介を中心に講演を行った。クリエーターを支援するためのミドルウェアとして重宝されている“HumanIK”と“Kynapse”。かいつまんで説明すると“HumanIK”は関節のある人間の動きをソフトウェアがサポートしてくれるツールで、“Kynapse”はAIのシステムだ。GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2010で発表された“HumanIK 4.5”と“Kynapse 7”だが、両者ともゲーム業界ではすでに確固たる地位を築いており、今回の最新版ではさらに使い勝手がよくなっている。門口氏は講演で、ひとつのモーションパターンから違う動きを算出する“HumanIK”の機能や、各シーンの動的な解析を行う“Kynapse7”などの実演を行った。FPS(一人称視点のシューティング)を例に出すまでもなく、最近のゲームではプレイヤーキャラがいわゆるNPC(ノンプレイヤーキャラ)と複数人数でチームを組んで行動するシチュエーションが多いが、“Kynapse7”ではチームの最適なコーディネーション(プレイヤーキャラを守るために通路があれば監視したり、地理ごとの配置を変えるなど)を実装。群集のアルゴリズム(処理手順)なども改良が図られているという。「人間にとってあたりまえなことでも3Dにとっては複雑な振る舞いになることを“Kynapse7”は行ってくれます」と門口氏は説明してくれたが、その言葉にならうと、まさにより人間らしい行動を実現してくれるのが、“HumanIK”であり“Kynapse”であるようだ。

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▲“HumanIK”では15〜170までのボーンの設定が可能(左)。“Kynapse7”は最適なチームのコーディネーションをしてくれる(中央)。さらには、マップ生成ツールなども(右)。


[関連記事]
※15年ぶりの大型バージョンアップ、CRI・ミドルウェアがサウンド制作ミドルウェアの“CRI ADX2”を提供
※“3ds Max”、“Maya”、“Softimage”、オートデスクが誇る3Dソフトの最新バージョンが揃って発表
※「いかに効率的かつコストを抑えてゲームを開発するか」に応える、3DCGソフトの巨人オートデスクの戦略とは?

 

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