HOME> ゲーム> 『ファイナルファンタジーXIV』田中弘道プロデューサーたちにインタビュー!
●気になるβ版情報も!
E3 2010会場で、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)プロデューサーの田中弘道氏と、北米版の運営プロデューサーである黒澤尉志(くろさわやすし)氏にインタビューを敢行! β版の情報など、気になる最新情報が満載だぞ!
――今回試遊されたバージョンが、β版ということでよいでしょうか?
田中 かなり近いものです。まだ最終デバッグが終わっていないのと、バランスの調整をしていますので、β版の一段階前というところですね。
――このタイミングで導入された理由は?
田中 前々から、この頃にはβテストをやっていないといけないだろうとは思っていました。思ったよりα版に時間がかかってしまいましたけれど。
――今回のバージョンでは、キャラクターメイクが大幅に変わりましたが?
田中 かなり完成版に近くなりました。ミコッテのしっぽの色が選べなかったり、エレゼンの耳の形が選べなかったりという点はありますが、それは製品版までには実装します
――また、バトルでも、エフェクトゲージが撤廃されるなどの変化がありました。
田中 αテストを始める前に、開発サイドではすでにバトルのテンポに問題があるため方針転換をすることになっていましたが、念のためプレイヤーの意見も聞いておこうということで、αテストはそのままスタートさせました。やはり、プレイヤーの皆さんからも、テンポをアップしてほしいという意見が多かったため、テンポアップの方向性で開発を進行しました。アクションゲージについても、ゲージが満タンになってから攻撃する、という方式ではテンポが悪くなりますので、先にたまっているアクションゲージを消費しながら戦う方法に変更されました。今回ぎりぎりで開発が間に合ったところまでをE3で公開していますが、日本では現在もさらにデバッグとバランス調整が進行中です。
――そのほかに変更点はありますか?
田中 アクションバーの枠がα版の20個から30個に増えています。よりプレイヤーが自分好みに配置できるようになるかと思います。ほかにも、HPとMPはシステム側で成長するようにし、属性についてはエレメンタルボーナスというものを設け、フィジカルボーナスとは別のものになりました。α版より、よりシンプルなシステムになったと思います。
――3D対応のバージョンも出展されていましたが。
田中 3Dについてはまだ検討中です。今回参考出展している3Dサラウンド版(3画面)は、nVidiaさんに協力していただいて、試しに作ってみたものです。
――β版になり、グラフィックも大幅に変わりましたが、プレイするPCのスペックにも変更がありますか?
田中 遠景をぼかしたり、アンビエントオクルージョン(背景に影を落とす処理)などは、多少処理に負荷がかかりますのでオプションにしていますが、それ以外の部分はα版より軽くなっています。また、α版ではプロジェクションシャドウという影の付け方にしていましたが、今回はデプスバッファシャドウという、よりくっきり影が出るものに変えました。
――では、β版の段階から、もうグラフィックはある程度カスタマイズできるということでしょうか?
田中 メインメニューで設定できるものもありますし、PCでしたらゲームを立ち上げる前に設定できるものもあります。また、ベンチマークのソフトの配布も始まりましたので、それでプレイヤーの皆さんにはスペックを確認していただければと思います。
――今回の試遊はPC版でしたが、プレイステーション3版についてはいかがでしょう?
田中 鋭意開発中です。SCEさんと協力しながら進めています。また、プレイステーション3の環境は個人が変えることはできないとはいえ、オプションでいろいろと設定できるようにはしたいです。プレイステーション2版の『FFXI』(※1)でもその形をとっていましたので。
――実際にこのβテストが公開されるのはいつ?
田中 今回ご覧いただいたバージョンに、入れるべきシステムはほぼ実装を完了、近いうちには公開できると思います。現在はデバッグなどを行っています。αテストは、今週でいったん終了し、日本に帰ったらすぐにβテストの準備を始める予定です。多少ブランクはあるかもしれませんけれども、1ヵ月はお待たせしないと思います。
――黒澤さんは北米運営プロデューサーということですが、北米のプレイヤーのα版への反応はいかがでしたか?
黒澤 北米のプレイヤーの方から挙がってきた意見を定期的にまとめているのですが、かなり多くのご意見をいただいています。それを開発に渡して、お客様にフィードバックする……という流れをくり返すことで、どんどん環境がよくなっていると思いますね。
田中 日本はもちろん、北米、欧州についても、毎週レポートが挙がってきますので、つねにどういう意見が来ているかを見ながら開発しています。
――北米は日本のプレイヤーに比べ、かなり意見が多いとのことですが?
黒澤 どんどん言ってくれるので助かっています(笑)。
田中 海外の方の発言量は日本の10倍くらいありますね。
――日本、北米、欧州でどのようなコミュニティーを導入する予定ですか?
黒澤 『FFXI』の形を踏襲し、全世界同じワールドで展開しますので、コミュニティーも全世界共通で楽しめるものを導入します。
田中 βテストの途中で、各プレイヤーさんが利用できるコミュニティーツールを導入する予定です。いわゆるプレイヤーサイトといいますか、各プレイヤーが固有のページを持つ、というものです。掲示板機能なども各自が持てるようにします。
――そのほかに予定しているコミュニケーション要素は?
田中 『FFXI』と同じように、簡易翻訳の機能は用意しようと思っています。また、リンクシェル(※2)に相当するものは今回も用意しますが、もう一段階大きい仕組みとして、"カンパニー"と呼ばれるものが導入される予定です。現在開発が鋭意準備中ですので、詳細は、これからの発表を待っていてください。
――ボイスチャットの導入の予定は?
田中 対応の予定はいまのところありません。PCとプレイステーション3の両方にまたがるボイスチャットシステムは難しいですし。また、海外の人とボイスチャットするにしても、リアルタイムで翻訳する機能を実装するのはかなり難しいと思います。そこは文字ベースのほうがやりやすいと思いますので。
――最後に、プレイヤーへのメッセージをお願いします。
田中 まもなくβテストが始まりますので、ぜひそちらをお楽しみに。開発が忙しくてE3に来られなかった河本(ディレクター)ら、開発陣に代わりましてお伝え申し上げます。
黒澤 世界中の皆さんに楽しんでいただけるように、さまざまな意見を開発に伝えていきますので、期待していてください。
※1:田中氏らが手掛けたMMORPG。サービス開始から8周年を迎えた現在も、全世界から多くのプレイヤーが集まり、活況を呈している。今月には大型バージョンアップも予定されている。
※2:『FFXI』に登場するアイテムのひとつ。装着することで、装着したプレイヤー同士がどこにいても会話すること
ができる。同時に通信可能なリンクシェルメンバーは最大64人。通称LSと呼ばれ、単なる通信手段というよりも、同じ目的を持つプレイヤーや気の合う仲間が集まるコミュニティの旗印として利用されている。
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