HOME> ゲーム> 最後に待っていたのは大量のニンテンドー3DS、任天堂発表会リポート
●サプライズに始まり、サプライズに終わった発表会
現地時間2010年6月15日、任天堂がプレスカンファレンスを開催。別記事でも紹介しているとおり宮本茂氏による『ゼルダの伝説』シリーズ最新作のデモプレイ、ニンテンドー3DSの詳細発表など、ソフト、ハードともに充実の内容となった。
イベントの進行を担当したのはニンテンドウ・オブ・アメリカのレジー・フィザメイ氏。同氏は冒頭、「E3は新しいテクノロジーに満ちている」と前置きをしたうえで「技術とゲームデザインが完璧な形で組み合わさった」ものとして、Wii向け『ゼルダの伝説』シリーズ最新作『The
Legend of Zelda:Skyward Sword』を紹介した。同作のプレゼンにはなんと宮本茂氏本人も登場して、みずからデモプレイを披露。また、ソフトの発売時期について「今年いっぱいくらい開発にかかりそう」と語ったうえで、「来年(2011年)には皆さんにお届けできると思います」とした。
続いて発表されたのは、「文化、年齢、性別のハードルを越える作品」(フィザメイ)Wii用ソフト『Mario
Sports Mix』。タイトルにもある通り、マリオたちがさまざまなスポーツに挑戦するタイトルで、映像の中ではビーチバレー、ホッケー、ドッジボール、バスケットといった競技を確認することができた。発売は北米で2011年を予定している。
再び登場したフィザメイ氏は、“Wii所有者の多くは『Wiiスポーツ』、『Wii
Fit』を遊んだらそれ以外はあまり遊ばない”といったWiiでよく言われる憶測について触れ、それが誤解であるとコメント。『マリオカートWii』、『New
スーパーマリオブラザーズ Wii』といった魅力的なタイトルを出し続け、ユーザーを満足させてきたといった旨を説明した。そして、さらにWiiの勢いを加速させるタイトル、Wii用ソフト『Wii
Party』を発表。本作は13のパーティーゲーム、70以上のミニゲームを収録しており、それらを自分たちが作ったMiiで遊ぶことができる。発売は北米のホリデーシーズンを予定している。
また、サードパーティーからも魅力的なタイトルが。2009年にユービーアイソフトから発売され北米でヒットを記録した『Just
Dance』の続編『Just Dance 2』が発表された。
WiiだけでなくニンテンドーDSにもファン待望の作品が登場。本格RPG『Golden
Sun』(日本名『黄金太陽』)シリーズの最新作『Golden Sun:Dark Dawn』だ。発表以来久しく続報が出ていなかった本作だが、今回はゲームプレイ画面をふんだんに盛り込んだプロモーションムービーが公開に。温かみのあるグラフィック、タッチペンを使ったアクション、ニンテンドーDSの上下2画面を使ったバトル演出などで来場者の目を釘付けした。
“Golden”つながりということでつぎに紹介されたのは、ニンテンドウ64で登場し、熱狂的なファンを生んだタイトルのWii版『GoldenEye
007』 。『007』シリーズから8人のクラシックなキャラクター、16のモードを収録しており、発売は北米で2010年のホリデーシーズンを予定している。オッド・ジョブやジョーズといった歴代の悪役キャラも登場するようだ。なお同作の開発および発売はアクティビジョンが行う。
世界的な人気キャラクター、ミッキーマウスもWiiにやってくることが明らかに。ディズニーインタラクティブスタジオが開発中のWii用ソフト『Disney
Epic Mickey』だ。しかも手掛けるのは、『ウルティマ』シリーズや『デウスエクス』などでおなじみのゲーム業界の重鎮、ウォーレン・スペクター氏。ウォーレン・スペクター氏とミッキーマウスという組み合わせもユニークだが、スペクター氏は制作に相当の手応えを感じている様子。ゲームは1980年代のディズニーの世界観をモチーフとしており、今回のデモでは“ベンチャーランド”と呼ばれるエリアが披露された。キモとなるのは、主人公のミッキーによる絵の具と薄め液を使ったアクション。絵の具を使うとマップ上にさまざまなオブジェを登場させることができ、逆に薄め液を使うと消すことができる。世界をどう変えるか? というのが本作のテーマとなっているようだ。また、3Dマップ以外に横スクロールの2Dマップも登場するようで、バリエーション豊かな遊びが体験できそう。発売は北米で2010年ホリデーシーズンを予定。スペクター氏が手掛けるミッキーマウスワールドに期待したい。
新作タイトルの紹介はさらに続く。据え置き機では7年ぶりとなる『星のカービィ』シリーズの新作、Wii用ソフト『Kirby's
Epic Yarn』はアートワークの大幅な変更が印象的。『星のカービィ』シリーズではつねに、親しみを覚えるやわらかなグラフィックであったが、本作ではそれがさらに進化(?)し、ゲームの世界が毛糸と布で描かれるているのだ。しかしフィザメイ氏は「もっとも大きな進化は見た目ではなく、遊びかたにあります」とコメント。映像を確認した限りでは、布に通った糸を引っ張ってフィールドの形を変化させたり、敵が放った弾を受け止めて返すといったアクションがあり、同氏の言葉どおりこれまでにないプレイ体験を提供してくれそう。北米で2010年秋の発売を予定している。
発売が間近に迫った北米版『ドラゴンクエストIX
星空の守り人』、『METROID Other M』の映像も公開された。コーエーテクモゲームスとのコラボによる『METROID Other M』は、海外では2010年8月31日に発売されることもアナウンスされた。続いて『ドンキーコング』シリーズの最新作、Wii用ソフト『Donkey
Kong Country Returns 』が発表に。横スクロールアクションで、ステージ内には『ドンキーコング』シリーズらしい愉快なギミックも満載だ。発売は北米で2010年のホリデーシーズンを予定。
怒涛のタイトル紹介のあと、フィザメイ氏は「皆さんをゲームの未来へ連れていきます」と語り、ニンテンドー3DS本体がお披露目に。ハードについて紹介したのは任天堂の岩田聡社長。同氏は近年3D立体視が世界的に注目を集めているが、家庭で楽しむにはまだコスト的に高いと語り、加えて「少なからずメガネのためにお金を支払わなければいけない(笑)」とジョークまじりに3Dメガネのありかたに言及。3D立体視を楽しむうえで「よりよい方法があると思う」とし、ニンテンドー3DSがメガネを必要としない、裸眼3D立体視であることを宣言した。なお、ニンテンドー3DSの機能や対応タイトルについては別記事に詳しいので、そちらを参照してほしい。
発表会の最後にフィザメイ氏は「ニンテンドー3DSほどに新しい体験を提供してくれるものはない」と力強く語り、会場の人へその魅力を「いままでとはまったく違った形で、お伝えする」とコメント。するとスクリーンでは、ニンテンドー3DSのプロモーション映像が公開に。椅子に置かれたニンテンドー3DSを手に取ると、画面からさまざまな物が飛び出し、最後はゲーム画面の中へ吸い込まれてしまう……という内容で、演じるのはなんと岩田氏と宮本氏。最後にはフィザメイ氏も登場し、ふたりが吸い込まれたニンテンドー3DSを見るとその中ではクッパに追いかけられるふたりの姿が。そして、それを楽しそうに見ていたフィザメイ氏も、画面から飛び出したクッパに炎を吐かれて真っ黒に……とユーモアに満ちた映像となっていた。とは言え、これは手のかかったジョーク。映像終了後、フィザメイ氏が「実物に勝るものない」と発言すると、ステージ後方および会場横からニンテンドー3DSを持ったコンパニオンたちが大量に入場し、加えてステージ前方には宮本氏が実演した『The
Legend of Zelda:Skyward Sword』の体験台も出現。E3会場へ足を運ばなくとも、すぐに体験できる機会を設けたというわけだ。こうして、最後の最後までサプライズに満ちた任天堂のプレスカンファレンスは、来場者の大歓声とともに終了となった。
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