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日本発、アクション・シューティングの金字塔『ロスト プラネット 2』インプレッション
【プレイ・インプレッション】

2010/5/25

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●カプコン入魂の3Dアクション・シューティング、いよいよ登場!

 海外メーカーのタイトルがメインストリームとなっているFPS・TPS(一人称視点シューティング・三人称視点シューティング)のジャンルにおいて、純粋な新作でありながら映像表現、ゲーム性ともに世界で高い評価を得た、『ロスト プラネット エクストリーム コンディション』。そのシリーズ最新作が、プレイステーション3とXbox 360でいよいよ登場する。昨年秋に配信されたキャンペーン体験版と、今年4月に配信されたオンラインバトル体験版も大好評で、発売をいまかいまかと待っていた人も多いことだろう。今回は、ライターの黒鉄タカスエが、4人協力プレイが可能なキャンペーンモードを中心にプレイインプレッションをお届けする。

●温暖化が進むEDN-3rdに、新たな危機が迫る

 まずは、ストーリーの概要について軽く解説しておこう。『ロストプラネット』シリーズの舞台となるのは入植実験惑星EDN-3rd。もともとは雪と氷に覆われた極寒の惑星だが、前作のキャンペーンで主人公ウェインとその仲間たちが取った行動が引き金となって環境は激変、草木の生い茂る緑豊かなフィールドが広がる人類にとって住みやすい惑星へと姿を変えつつあった。入植を行っていた人々は、新資源サーマルエナジー(T-ENG)を生きる糧にしながら、原住生物エイクリッド(AK)に対抗するためそれぞれに異なるコミュニティー(雪賊)を形成。彼らさまざまな雪賊たちによるオムニバスストーリーが、『ロスト プラネット2』のキャンペーンで描かれている。ちなみに、キャンペーンは複数のエピソードに分かれており、それぞれに主役となる雪賊が違う。しかし全体を通してみるとひとつの“とある”危機に、人類がいかに立ち向かっていくかが描かれている。

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●アクション要素の強いTPS

 本作は、キャラクター背後からの視点で、さまざまな銃火器や機動兵器バイタルスーツ(VS)を使って敵対する雪賊やAKを倒していく、スタイルとしてはTPSのゲームとなっている。しかし、一般的なFPS・TPSとは少し違い、高低差があり起伏に富んだステージで戦うアクション要素の強いものとなっている。画面内のキャラクターも、足元まで見える程度に小さく、ジャンプで足場を飛び移ったりする際に分かりやすく考えられているのだ。

 アクション要素が強いことを顕著に表しているのがロープアンカーの存在で、これを使うことで通常では登れないような高い所に飛び移るなどの上下の動きが自由に行える。より高低差のあるマップでの戦闘が楽しくなるように設計されているのだ。

 また、一般的なFPS・TPSにはまず登場しないようなVSの存在も特徴的。素早い機動力で戦場をかき回したり、はるか上空から爆撃を行ったりとさまざまなバリエーションの機体が用意されている。たしかに強力ではあるのだが、関節などの装甲の薄い場所を集中攻撃すれば生身でも十分対処可能な、絶妙なバランス感覚はさすがといったところだろう。

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●協力プレイで超巨大なAKに挑むのが熱すぎる!

 本作キャンペーンの最大のキモは4人でのオンライン協力プレイが可能になったこと。つぎつぎと押し寄せてくる雪賊やAKの群れ、建物のサイズをはるかに凌駕する巨大なAKなどに、仲間とともに立ち向かうことができる。この、「協力して巨大な敵に挑む」というのが文句なしにただひたすら盛り上がるのだ。

 たとえばキャンペーンのエピソード3に登場する超巨大AK“アカメ”戦。列車の車両を一口でかみ砕いてしまうサイズのアカメに対抗するために列車砲を使わなければならないのだが、そのためには弾の装填、照準操作、砲塔の旋回など複雑な手順が必要となる。これが仲間といっしょならばそれぞれ役割分担を行い、効率よく撃退することができる。銃座に座っていると周囲の状況が確認できず、砂中に潜ったアカメがどちらから出現したか分からなくなることが多いが、そういった場合のフォローも、砲塔の旋回補佐やボイスチャットで居場所を教えることで可能。ただバラバラに戦っていては勝利することも難しく、積極的に協力しなければならないように設計されているのだ。

 ちなみに、ソロでプレイした場合には最大3人までBOT(AIで動くキャラクター)を連れていけるのだが、アカメ戦では砲弾の装填くらいしかやってくれない。自分で砲身の旋回を行い、砲手席に座って弱点を狙い、たまに飛んでくるザコAKを掃除し、車体がダメージを受けたら冷却装置を稼働させにいかなければならないのだ。これはこれでイッパイイッパイ感がおもしろいのだが、つくづく協力プレイの快適さ、おもしろさを感じさせてくれるシチュエーションといえるだろう。

 またVSにも、仲間が機体につかまるためのフックが用意されていたり、3人乗りのものがあったりと、前作から協力プレイに合わせたパワーアップがなされている。とくに、キャンペーン中盤以降で出現する3タイプに変形するVSや合体可能なVSは必見。必要論だけで語ってしまうと、ぶっちゃけいなくても困らないのだが、ただひたすらカッコイイ(そしてもちろん強い)。余談になるが、こういったお約束的な遊び心が、ハードSFの世界観に違和感なく組み込まれているのは、相当設定が練り込まれている証拠なのではないかと思う。


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●男の子心をくすぐる設定やシチュエーション

 日本発のアクション・シューティングとして確固たる地位を確立しつつある『ロスト プラネット』。その遊びやすさ、TPSとしての完成度の高さはもちろんだが、世界設定やシチュエーションもまた魅力あふれるものとなっている。

 機動兵器で巨大モンスターに立ち向かうとか、超巨大だが取り回しの悪い列車砲でこれまた超巨大なモンスターを吹っ飛ばすとか、VSで大気圏突入し仲間の機体がどんどん爆散していく中、ボロボロになって不時着するとか……、思わずうなってしまうようなケレン味たっぷりの燃えるシチュエーション、個人的にはもうこれだけで十分満足だ。

 おそらくは誰しもが一度は想像したことのある、ロボ×巨大モンスターのシチュエーションをかなりの精度でゲーム化したタイトル、それが『ロスト プラネット 2』ともいえる。TPSとしてのシステムがどうとかグラフィックがどうとか、そういう部分ももちろん大切だが、「こんなシチュエーションをゲームで遊びたい!」という欲求をそのまま実現してくれている点も意外と重要なのではないだろうか。

 本稿が掲載されているころにはすでにソフトは発売され、多くのプレイヤーが日夜を問わずキャンペーンに、オンラインバトルに勤しんでいることだろう。まだ購入・プレイしていないという方は、公式サイトのトレーラーをまずはチェックしてみてほしい。このトレーラーのシチュエーション(とくにFINAL EPISODEトレーラーは目頭が熱くなること請け合いだ)にピンと来る人ならば、購入しても損はしないはず。EDN-3rdでともにプレイできる日を楽しみにしている。


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筆者紹介 黒鉄タカスエ

『アルカディア』出身の編集・DTP屋兼ライターで、“広く浅く“が身上の雑食ゲーマー。『ロスプラ2』はリアクション(挑発)もすごく増えてて、オンラインでいろいろと楽しめそう。個人的には"○でなく×"がお気に入りだ。どういったシチュエーションで使うかと言われたらちょっと困るが(笑)。


『ロスト プラネット 2』

対応機種

プレイステーション3、 Xbox 360

メーカー

カプコン

発売日

2010年5月20日発売

価格

7990円[税込]

テイスト/ジャンル

SF/アクション・シューティング

備考

プレイステーション3版はPlayStation Network対応、Xbox 360はXbox LIVE対応


※『ロスト プラネット 2』の公式サイトはこちら

 

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