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リードゲームデザイナーが明かす、『アサシン クリードII』を支える3本の柱
【GDC 2010リポート】

2010/3/14

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●プレイテストは、朝起きて鏡を見るようなもの

 

 2010年3月9日〜13日(現地時間)の5日間、アメリカ・サンフランシスコのモスコーニセンターにて、ゲームクリエーターによる国際会議、 GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2010が開催。世界中のクリエーターによる講演が多数予定されている。ファミ通.comではその模様を総力リポートする。
 

アサシン クリードII

 2010年3月13日、この日で5日間にわたって行われたGDC 2010も閉幕。セッション“Designing ASSASSIN‘S CREED 2”は、最終日最後のタイムライン上に設けられたこともあって、登壇したユービーアイソフトのリードゲームデザイナーPatrick Plourde氏が開演に先立ち、ともにゲーム業界で働く聴講者へ労いの言葉を送るという形でスタートした。

 

 Patrick氏はこのセッションで、『アサシン クリードII』完成までの経緯などを通じて、ゲーム開発におけるクリエーターの心がまえなどを紹介。話はまず、同作の開発がスタートした2008年当時の状況から始まった。Patrick氏によれば、プロジェクトが立ち上がった当初は、全世界で800万本のヒットを記録した前作からの正統進化を予定していたが、そのハードルはすぐに上げられることになったという。機械仕掛けのギミック、娼婦の登場、新たな暗殺手段など数多くの要素を盛り込むことが求められ、開発の規模も世界3ヵ所のユービーアイソフトのスタジオを動員するほど巨大に。ちなみに、ひとつのタイトルを複数の開発スタジオで手掛けるというのは同社にとって初の試みだったという。

 

 このような大作を手掛けるうえで、クリエーターに求められるのは“どのようなゲームを作るか?”を確立してから開発に臨むことであるとPatrick氏は語る。大作となれば、つい“アレも、コレも”とあらゆる要素を取り込もうとしがちだが、それを続けていると“フランケンシュタイン”のようにつぎはぎだらけで魂のない作品になってしまうというわけだ。「ユーザーが楽しいもの。それを絶対条件に不必要なものはカットし、手が抜けるところは手を抜く」(Patrick)。Patrick氏はこの理念にもとづいて、作品のコアをはっきりさせる、それを実現するための確かな資料、自分のゲームデザインが正しいかどうかの検証、というゲームを作るうえで大切な3本の柱を提示。また、クリエーターは作品に対して誠実であるべきとし「自分の趣味などを作品に押しつけない。また、大風呂敷を広げるだけなのは作品の質を保てないうえに、スタッフの信頼を得るこもできないでしょう」と語った。
 

アサシン クリードII-1
アサシン クリードII-2


 

アサシン クリードII-3

 ここからPatrick氏は、『アサシン クリードII』の開発を上記の3本柱に沿って説明。コアをはっきりさせるに関しては、“タイミングを重視した戦闘”、“変化に富んだマップナビゲーション”、“ソーシャルステルス”という点がそれに当たる。前作と本作の両方をプレイした人なら、どれもピンと来る話だろう。まず“タイミングを重視した戦闘”だが、今回は前作と比べてコンボがベースとなっており、相手の反応を見ながら戦うという戦術性が増している。“変化に富んだマップナビゲーション”は、ゴールへ辿り着くための選択肢がより多彩になったというもの。“ソーシャルステルス”は群集に紛れて対象のもとへ進入または逃亡するといったシリーズならではの要素について。前作でも大きなウリとなっていた部分だが、『アサシン クリードII』ではその手段がより多彩になり強化されているのだ。
 

アサシン クリードII-4
アサシン クリードII-5

 

 2本目の柱、作品のコアを実現するための確かな資料は、開発スタッフへいかに自分の意思を伝えるか? に、言い換えられる。Patrick氏はプログラマーへの指示を例に挙げ、一般的なパワーポイントや、書籍のように重厚な資料が彼らには向かないと説明。「彼らはふだんからコードを見ているわけです(笑)」とジョークを交えつつ、エクセルで項目ごとにリスト化された資料で、簡潔に伝えるのが最前の方法であったと述べた。
 

アサシン クリードII-9
アサシン クリードII-10


 自分のゲームデザインが正しいかどうかの検証、という3本目の柱はプレイテストがとにかく重要だという意味で、Patrick氏はゲームを作るうえでのキーになると言い切る。「プレイテストは、我々が朝起きて鏡を見るようなもの。寝癖が立ったままでは会社に行くことができません(笑)」。テストを重ねて問題を洗い出し、作品に磨きをかけることはもちろん、ときにはテストプレイヤーに「このゲームは楽しい?」と率直に聞くことも必要であるという。たとえば『アサシン クリードII』では、テストプレイを重ねた結果、マップ内でほとんどの人が通過しない場所が見つかるなど、先述した“変化に富んだマップナビゲーション”を達成するうえでの重要な発見もあったそうだ。

 

アサシン クリードII-6
アサシン クリードII-7

 

 こうして、Patrick氏の考えるゲーム開発における3本柱をすべてクリアーした状態で『アサシン クリードII』は世に送り出された。その結果、ゲームメディアのメタスコアで高評価を叩き出し、販売本数についても前作に並ぶ800万本を記録。与えられたミッションはコンプリートされたのであった。
 

アサシン クリードII-8

 

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