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突撃インタビュー!――『グランド・セフト・オート:チャイナタウンウォーズ』はRockstarの魅力が詰まったフルゲーム

2010/3/11

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●なぜオープンワールドにするのかまで根掘り葉掘り聞いてきました

 

gtactwlogo

  Rockstar Gamesが誇る『グランド・セフト・オート(以下、GTA)』の世界をニンテンドーDSで実現した『グランド・セフト・オート:チャイナタウンウォーズ(以下、GTA:CTW)』。日本ではサイバーフロントから販売されている本作が、2010年3月11日にPSP(プレイステーション・ポータブル)でも発売される。これを記念して、本作のアソシエイト・プロデューサーであるRockstar NYのリッチ・ロザード氏に話を聞いた。
 

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 ――まず、『GTA:CTW』のプロジェクトがどうやって始まったか教えてください。

リッチ・ロザード(以下、ロザード) 『グランド・セフト・オート:バイスシティ・ストーリーズ』のあと少し時間があって、携帯ゲーム機の『GTA』について開発元のRockstar Leedsともう一度考えることにしたんだ。当時はニンテンドーDSが出てきたころで、挑戦的なゲーム機だと思った僕らは、それを活かした次世代のゲームプレイを創りだすことにした。どうやってニンテンドーDSを最大限に活かすのか? 三人称視点にしようと思えば多分できたんだけど、DSの解像度の問題もあって別のアプローチをすることにした。見やすいこと、そしてそんなにゲームをしない人でも楽しく遊べること。最初の目的はこのふたつだったんだ。

 

――ハードコアゲーマー以外の層のことも考えたんですね。

ロザード そう、じつはいま言ったことにはちょっと矛盾がある。41才のビジネスマンでも遊べるものにしなきゃいけないが、同時にニンテンドーDSの限界を押し上げるものにしなくてはならない。だから、3Dのリバティーシティをそのまま再現することにした。それと、タッチペンをうまく使いたかった。何から何までタッチペンを使わせる変なゲームもあるけど、使わないのはもったいないよね。まとめよう。新しいゲーム機には、ふさわしい新しいゲームプレイ体験をもたらしたい。そしてそれは、シリーズのファンと、新しいプレイヤーをそれぞれ満足させるものにしたかったんだ。


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▲『GTAIV』と『GTA:CTW』のスタージャンクション。視点が変わったものの、『GTAIV』のプレイヤーならおなじみの名所が『GTA:CTW』でも再現されている。

 

――オリジナルの『GTA』、『GTA2』の見下ろし型の視点に戻ったわけですが、ものすごい綺麗に作らないと「あぁ、やっぱり携帯ゲーム機だね」と、恐らく一段低く見られてしまう可能性があります。この辺は苦労されましたか?


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ロザード それだよ! 最初にスクリーンショットを公開したときも、GTAファンの掲示板にはそういった意見が書かれていた。『GTA:サンアンドレアス』とかと比較して「これは逆行している」って言われたりね。『GTA:CTW』は実際に遊んでみないとちょっとわかりにくいところがある。動画を配信して動いている様子を見てもらえたのはよかった。最終的にはレビューで高い評価を受けることができた。ファミ通の評価も誇りに思っているよ、9、9、9……8。グラフィックの見た目だけなら昔のスタイルに似ているけど、据え置きゲーム機と同じ世界観、同じプレイ経験を提供できればきっと評価されると思っていたよ。

 

――最初に画像が公開されたときに、僕は「オリジナル『GTA』スタイルじゃん、超スゲェ!」って騒いでたんです。でも周りはあんまり盛り上がっていなかったから「あれ、もしかしてダメなのか?」と心配になりつつも、海外版が日本に輸入されたら即買いに行ったんです。で、遊んでみたら、トップダウンビュー(見下ろし視点)で、どこまで行っても3Dのリバティーシティが続いているのが体験できてビックリしましたよ!

 

ロザード そう言ってもらえるとうれしい。ネット時代は情報がものすごいスピードで行き来して、何についても厳しい目で見ようとする人が多いから難しいよ。もっとおもしろいもののおもしろい部分を伝えてほしいもんだね。

 

――Rockstarはずっとオープンワールド(箱庭型)のゲームを作ってきました。でも、3Dのリバティーシティをローディングのないオープンワールドで携帯ゲーム機に実現するのはたいへんだったと思うんですが。

 

ロザード 難しかった。ハードウェアには長所と短所があって、ニンテンドーDSのカートリッジは容量こそ多くないが、アクセスが早い。だからテクスチャーや音楽をストリーミングすることができた。PSPのUMDは大容量だが、その分解像度も大きくなるのでデータが大きくなる。そしてアクセスがニンテンドーDSのカートリッジと比べると遅いから、今度はUMDがついていけるように調整しなきゃいけない。どちらかというとPSP版の作業のほうがたいへんだった。画質をアップして、音楽の音質もよくして……というだけでデータ量が増えるからね。

 

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――街が巨大で、人がバラバラに動いていて、音楽が鳴っていて……という部分を見ただけでも、紛れもなくRockstarのゲームですよね。そのたいへんな思いをしてもオープンワールドでゲームを体感してもらうというのは、Rockstarのポリシーなんですか? もっと簡単にやるなら、ステージ1、ステージ2……とすればいいけど、Rockstarは絶対にそうしないですよね。

 

ロザード 『GTA』、『ミッドナイトクラブ』、ほとんどのRockstarのゲームではオープンワールドを採用している。それはユーザーがプレイを決めるようにしたいからなんだ。ミッション中はミッションのやり方はプレイヤーが決めるべきだし、ミッションが終わっても体験できる世界を残しておかなきゃいけない。そして、オープンワールドを作るだけなら簡単だが、Rockstarでは、そこにどういう人がいて、何をやっているのかといったことを考えているんだ。いまのゲーマーは鋭く、いろんなチョイスができる。よそのオープンワールドじゃなくてウチのを選んでもらうために、リアリティーある雰囲気や、生き生きとした感じを味わってもらえるようにしているんだ。

 

――キーになる舞台としてチャイナタウンを選んだ理由を教えてください。

 

ロザード マフィアの話も、西海岸のギャングの話もやった。でも中華系のトライアド(三合会)の話は何年もやってなかった。リバティーシティにはこだわって作られた中華街があって、ここならファンの興味を惹くストーリーができると思ったんだ。


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――タッチペンで行う動作が、銃を組み立てたり、“ブツ”の売買だったり、エンジンの直結だったり、ヒドいものばかりなのはなぜですか? 何か“カジュアル”なイメージがあるタッチペン操作への皮肉すら感じますが(笑)

 

ロザード 中華街の三合会の話だから、その話にふさわしいミニゲームじゃなきゃいけない。当たり障りのない日常のことでミニゲームを作ったら、それはストーリーへの裏切りになる。ミニゲームのためにミニゲームを作ったと思われてしまうよ。皮肉がちょっとあるのは認めるけど、ショッキングなことをしたかったわけじゃない。GTAの移動の基本は車を盗んで運転することだから、そのためのミニゲームを作るのはある意味当然だよね。ストーリーに対して自然で、かつ(メインの)ゲームにシームレスに繋がるようなミニゲームを作るということが一番重要だったんだ。


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――市場価格が変動するおかげで転売でお金を稼げたり、“ブツ”は本作でとても大きくフィーチャーされている要素です。

 

ロザード ミッションをクリアーすると、お金がいくらか手に入る。それをどう使うかを考えた。もちろん隠れ家を買ったりすることもできるけど、ミッションの報酬はちょっと減らしてある。各地に“ブツ”の売人がいて、お金を稼ぐにはいろんなところに行かなければいけない。オープンワールドであることとも関連していて、こうすることで、プレイヤーに売人に会うために世界をもっとまわって、リバティーシティ全体を探索してもらえるようになっているんだ。そうして新たなプレイや、お金の稼ぎかたも発見していく。PDAもそのための要素を多く取り入れているよ。


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――Rampage(日本版では“殺戮ミッション”)を何で本作に入れようと思ったんですか?

ロザード まず、『GTA』ファンには、シンプルなミッションが好きな人が大勢いると思う。そしてもうひとつは多様性を備えるため。ずっとミッションで運転して殺して、運転して殺してでは新鮮さも失われるからね。

 

――Rockstarのゲームは、銃はもちろん、“ブツ”があったり女性がいれば“コーヒーを飲む”ことができたり、表現を躊躇しないですよね。

ロザード 犯罪を描かなくては、犯罪の話をすることはできない。銃を抜きに戦争の話ができないようにね。オープンワールドはプレイヤーにたくさんのオプション、人生を用意すると言ったけど、ある部分が欠けてしまうと完全ではなくなってしまう。繰り返しになるけど、わざわざショッキングなものを作ろうとしているんじゃなくて、その話、世界観にふさわしい要素が何なのか根底から考えて作っているんだよ。


――『GTA』はクライムアクションで、なかにはものすごくヒドいエピソードもあるけど、犯罪(クライム)を描くことそのものが中心ではなくて、必ずストーリーが中心になっていますよね。頂点を迎えたかと思えば、クライマックスで人間としてはすべてを失っていたりする。『GTA:CTW』でも、これから犯罪ライフが始まるかと思ったら、これから仲良くなると思ったキャラクターが突然無惨に死ぬ。ふつうのゲームだったらもうちょっと楽しくして、金を手に入れ、女を手に入れ、バラ色の犯罪生活にすればいいのに、Rockstarはそうしないですよね。何故ですか?

 

ロザード 多分Rockstarのゲームでは、これまでメインストーリーで最後にチャンピオンになったという主人公はいないと思う。『GTAIV』でも最後に難しい選択があるし、『GTA:CTW』でもそうだね。親しい人が死んだり、裏切られたりするエピソードもある。犯罪の世界では、何をやっても反発がある。ストーリーにはそれを取り込むのが当然だ。自分の悪行がどういう結果を招くのかをプレイヤーに見せなければいけない。

 

――ではPSP版の新キャラクター、メラニー・マラードについて聞かせてください。Rockstarはこういうしぶとい……いわゆる“ビッチ”なキャラクターが好きですよね。

ロザード 困ったな(笑)! どんなものでも、クリエイタィブ面のものはダン・ハウザーから降りてくるんだよね。でも、どういう女性がこの世界にふさわしいか考えたら、少し怖くて、少し怒ってて、タフで、男性に負けないように、逆に男性を利用してでも戦っていくような存在で、ただ待っているような(古典的な)女性像にはならないだろう。

 

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――話をちょっと戻して、ニンテンドーDS向けに作ってきたものをPSPに移植するにあたって、どんなことを考えて作業したんですか?

ロザード ただの移植にはしたくなかったんだ。移植というとほかのハードウェアにそのままゲームを持っていく感じだけど、そうじゃない。PSP以外のハードに移植することもできた。たとえばXbox LIVE Arcadeにしてはどうだろうか? という可能性もあったけど、コレはどう考えても携帯ゲーム機向けのゲームだった。だから第1のテーマは、携帯ゲーム機用に作られたゲームだから、携帯ゲーム機に作り直すということ。第2に、そのハードウェアが提供してくれる機能を活かさなきゃいけない。PSPでDSのゲームをやっていると思われるんじゃダメなんだ。最初からPSP向けに作られたゲームを遊んでいると思ってほしい。ハードウェアにはそれぞれ特徴がある。PSPはプロセス(処理速度)が早いし、グラフィックは美しく、扱える容量も多い。たとえばグラフィックのために、テクスチャーを描き直さなきゃいけない。プロセスが2倍くらい早いのを活用しなきゃね。ただ解像度をそのまま上げたという程度にしか見えないんじゃダメだ。そのまま大きくしたんじゃ粗が出るし、PSPの高解像度なゲームと比べられると見劣りするからね。

 

――ミニゲームはどうですか?

ロザード そう、ニンテンドーDS用に作られたから、ミニゲームが多い。Rockstarでは数年まえにPSPで『Warriors』(日本未発売)を出したけど、その中にはアナログスティックを使ったミニゲームをたくさん入れて、けっこう楽しかった。この経験をふまえて、ニンテンドーDS版のミニゲームをPSP用に作り直した。なかにはイチから作り直さなきゃいけないものもあったよ。最低でも同じレベルか、もっと楽しいプレイ経験を提供したかったからね。ゲームはけっこう高いから、(携帯ゲーム機だからと劣ったものではなく)フルゲームを遊んでもらいたい。そしてたとえばニンテンドーDS版のほうがPSP版よりいいというようなこともあっちゃいけない。どっちもフルゲームじゃなきゃいけないんだ。

 

――フルゲーム……さきほどスクリーンショットが最初に出たときに、「コレは本当に『GTA』なの?」と思われたという話をしました。でも本作は、オープンワールド、大人向けのクライムストーリー、どこを取っても確かにRockstarのゲームですね! 

ロザード 僕らはみんなゲームが好きな人間が集まっている会社なんだけど、本作をフルの『GTA』として携帯ゲーム機向けに作ったというのは信用してもらえたと思う。僕らが成功してこれたのはフランチャイズを大事にして、半年ごとにゲームを出すわけじゃなくて、ハードウェアに対して作りこんだゲームしか出してないからだと思う。判断するのはゲーマーの自由だけど、個人的にはハードウェアに対して最適な『GTA』を作れたと思っている。

 

――では、あなたが個人的に気に入っている要素はなんですか?

ロザード いろんなプレイができる多様性を持っているところだね。リプレイ性があって、最近のRockstarのゲームはちょっとダークでシリアスな感じだけど、クレイジーでやりすぎなところもあるし、楽しいゲームになったと思うよ! 開発者としては、『GTA2』が終わったあと、2.5Dのゲームをまた作れるとは思わなかったよ。でもいまこうやって挑戦することができて光栄だ。日本のゲーマーは期待が高くて、ベストな電化製品も車もゲームも日本のものだから「遊んでみて!」と気軽に言えないけど、でも今回はぜひ『GTA:CTW』を試してみてほしいね。僕は日本のゲームを遊んで、日本のゲーム開発者の話を読んで育ってきたんで、こうして日本でゲームを出せて光栄だ。もっと僕らのゲームの日本市場での割合を増やしていきたいね!

 

※『グランド・セフト・オート:チャイナタウン・ウォーズ』公式ホームページはこちら

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